キンキン 思春期 反抗期
9月…
さすがに
「何それ!?妊娠って!?」
さすがにバレた…。
夏休みが終わるまではなんとかごまかしきったが、さすがに限界だった。
「…」
そして、なんも返せなかった…。
「さいてぇ…」
それ以降、ユキは私に口すらきいてくれなかった。
バレた原因は…
「最近、ユキさんの成績は前年度より急激に上がってますよ。
とりあえず、夏休みに模試も個人でうけたそうですが、一応、志望校の一並商業もぎりぎりC判定ですか…。
もうひと頑張りですね。」
学校の三者面談でのことだった。
とりあえず、9月の学期朱テストでは、40人中32位の成績だった。
志望校も、なんとか行けそうだ。
「ホントに、普通科じゃなくて専門高校でいいの?」
「はい、早いところ自立したくて。」
「ならいいか、今のまま順調に成績が上がっていけば、公立の普通科も夢じゃない思ったけど、ではそのままキープですね。」
なんとか無事に話も終わってホッとしていたところだった。
「あの失礼ですが、ずいぶんお若いのでお姉さまかと思いましたが、義理のお母さまでしたか?」
「え?」
まぁ進路の話が進めば、ユキとの関係なんてなんでもいいのだが、今更なんで?と思った瞬間だった。
「こんな大変な時に身重で、大変かもですが娘さんの事応援してくださいね。」
「え?身重って…?」
「やだ、もうすぐお姉ちゃんになるから頑張っていたんじゃないの?」
ユキの担任がばらしたのであった。
「私も3児の母だけど、ホントたいへんだったから、ユキちゃんもお姉ちゃんとして、少しはお義母さんの子と気遣ってあげてね。」
40代ぐらいのお母さん先生って感じな人なため、簡単に勘づかれてしまったらしい。
これはもっと男性教諭や若い先生とかなら、ごまかしきれたかもなのに…
と悔しいものあったが、どっちにしてもバレるので、いいタイミングだったかもしれない…。
が…
「触らないでっ!汚らわしいっ!」
とその日の帰り道で、ユキはそのまま走り去ってしまった。
どうせ行くところはないので家に帰っていると思っていたら、私がかえって後もまだ帰っていなかった。
そしたら、一時間ぐらい遅れて、ユキは頭も顔も腕や足もところどころ、傷やあざだらけで帰ってきた。
「ユキ!何その傷?」
「何でもないっ!」
やっぱり反発された。あたりまえだ。
でも…
このままこの子を放っておいたら、この子のことをここで見放したら…いけない気がした。
私はユキを無理やり抱きしめた。
確か、私も15歳の時に風子おばさんから、抱きしめられた時と同じだ。
あの時はもし、それすらなかったら、完全に折れていただろう…。
おそらくこの子も同じだ。
「…よ…。」
あれ?何か言ってる?
「…やめてよっ!!」
私は突き放されてしまった。
「あんたと私を一緒にしないでっ!!そうやって何でもかんでも判ったようなことしないでっ!!」
とまで言われてしまった。
でも…
「その怪我…なんとかしないと…。せめてシャワー浴びよ…」
こんな状況でも、そればかりは譲れなかった…。
私はユキを浴場まで連れて行こうとした。
「もういいよっ!放っといてっ!!」
「バイキン入ったら、どうするのよっ!!」
「自分でできるから、放っといて!と言ってるのっ!!」
あ…
「…ごめんなさい…。」
そうだよね。
思春期の娘が他人にはだなんて、見られたくもないのは本音だろう…。
「あと…」
なんだろ?
「私、絶対に面倒見ないからね!何がお姉ちゃんよっ!!
私はね!チビガキなんて、もううんざりっ!!」
え?そうなの??
ユキ小さい子嫌いだった?
「やっとトキからの付きまといがなくなった思ったら…」
とブツクサ言いながら部屋を出て行った。
ユキがあまりにも早く部屋を出ていったため、あの子そういえば何も持っていないという事に気が付いて、少ししてからタオルと着替えを持って行った。
それをかなり機嫌悪そうな様子だが、それでも持って行った着替えを使ってくれてはいた。
そして、やっぱり気になってしまったので、悪いと思ったけどユキが脱いだ衣服を少しだけ確認した。ほんとに汚れていたのは制服だけだったので、少しだけホッとした。
てことはどこかで派手に転んだのだろうか?
まぁそれだけならいいのだけど…それでもユキとはしばらく口を利かなかった。
ついでにこのことはリキにまでバレ、リキにまでキレられてしまった。
やっぱり真面目過ぎるリキが、そんなふしだらなことを許すわけがなかった。
リキは完全にユキのサイドについてしまった。
今までうまく言っていた仕事は、もうズタズタな状態だった。
そして…
ユキが言っていたことで気になっていたことは…数日後判った…
この屋敷関係者の最年少であるトキのことだった。
9月14日…
そのトキの9歳の誕生日だった。
一桁で最後の誕生日…
キキの時ほど、大きなパーティではなかったため、トキはいささか不満そうな感じだった。
いろいろ聞いていたが、
「あれは10歳の誕生会限定祝い」
らしく、それはそれで納得はしていた。
「トキは4年生になる時にここから出てくから、ないってことだよね?」
と少しだけがっかりはしていたが、キキの時と違ってプレゼントは結構あったので、満足はしていた。
おまけに今日はそのトキの母親までお祝いに来ていた。
聞けば、トキは母親にとって二十歳の時の子であり、まだギリギリ20代だそうだ。
まだ若くてきれいなので、トキの自慢らしい。
さらに聞いた話、一応、トキの授業参観や運動会や発表会の時にはこまめに顔を出しているらしい。
だからこそ、トキは余計に自慢気に言っているとまで聞いた。
なるほどね。
ユキがトキのことを嫌うのも無理はないわ。
多分、親関連のことでユキとかにウザ絡みしていそうな感じはした。
普段は離れているけど、いざという時には、きちんと顔出しして愛情を注いでくれるのだから、ユキも妬むわけだ。
そして母親は、誕生会が終わるとすぐに帰っていった。
ホンのひと時な時間しか母親がいなかったわけだが、少なくとも母親がいたその時間はトキのとげとげしさはなくなっていた。
今思い返せば、トキはやっぱり月城の娘の中で、一番我儘で生意気だ。
まぁ私の前では、礼儀正しくしているが、時折メイドたちへのあたりがきついものある。
一番気になるのは、キキとの関係。
ここに来たばかりの時は、キキとトキは仲良くしていた気がするが、最近ではすっかり二人でいることはなくなっている。
そう、そして次の月曜日の朝のこと…
私はキキが上履きを忘れたので、通学班まで届けに行った時のことだった。
なんか、子供たちの騒がしい声が聞こえてきた。
声どころか何かを殴る音までしてきた。
「…おい、マジでいいんか?」
「いいのよ!だってこいつ、奴隷だもんwww」
奴隷?といったのは確かにトキの声だった。
「もう、奴隷確定の人生送るこいつは人生終わってるわけよ。だから、こうすればいいのよ。」
ドカッ
「キャッ」
「こいつまだ生きてるぞ。」
「マジ、奴隷がしゃべるなんてありえねーw」
「きゃっ!だってよwwブリッコするなよー。あはははははーーーーっ」
なにこれひどい!
「ちょっとやめなさいよっ!!」
「あ、まずい。先生だ。」
「え?先生って?」
「にげろーーーーーっ!!」
トキとその取り巻きの男子たちは、そのまま逃げて行った。
いったい誰にひどいことしていたんだろう?と思って、相手を見たらキキだった。
「キキちゃん。大丈夫??」
キキは泥だらけだった。
「なんてひどいの?」
キキは私を見て…
「いやーーーーーーーっ!!」
と叫んだ。
そりゃそうだ。
よりにもよって年下からいじめられていることがバレてしまったのだ。
いくら子供でもそれではプライドがズタズタだ。
「大丈夫よ。大丈夫。よしよし、ほんと辛かったね…。」
でも私はやっぱり、放っておくことができなかった。
やっぱり抱きしめてしまった。
キキはしばらく私の胸で泣いていた。
このままでは仕方がないので、キキをいったん連れて帰って着替えさせた。
ほんとここ最近はこういう事ばかりだ。
そのあとでゆっくりとキキの話は聞いた。
どうも、キキがメイドになってしまった後から、キキはトキから格下扱いされるようになったらしい。
聞いた話によれば、トキは以前は誰も見てないところで、ユキを標的に嫌がらせしていたらしい。
まぁやり返せばいいのだが、この屋敷での階級は絶対らしいので、そういう嫌がらせは私が知らないところで、当たり前のようにあるらしい。特に狙われるのは新人メイドらしい。
キキがメイドになる前は主に純子やユキが、トキからの標的だったらしい。
そして新人メイドは、仕事量の割り振りは他より少ない割に、他の先輩メイドからもあたりはひどいとのこと。
まぁホントの一番の新人メイドはしのぶだったらしいが、あの格闘少女のしのぶには、さすがにトキもちょっかい出せなかったらしい。
「でもなんであの子…?」
「あの子は自分がメイドにならなくても済むと約束されてる子だから…」
「調子に乗ってるわけか…」
まぁ前々からそう言う話は聞いてはいた。
でもまさか、ここまでひどいとは思わなかった。
「ねぇ、学校ってこのままいける?」
「…」
「やっぱり無理よね…」
「学校そのものはいいけど、通学班がイヤ…。」
だよなー…。
これその昔、私も悩んだこと…。
私も曜子がイヤで通学班の時間が憂鬱でならなかった…。
どうしようね…。
「とりあえずさ…。」
私は今日、キキを連れて学校まで行くことにした。
学校に交渉しに行くために…。
それは…
「通学班で学校行くのが嫌だから、一人での登校を許可しろと?」
「はい。この子はもう5年生ですし、一人で登校しても問題ないはずです。
そもそも、通学班というものはほとんど低学年の子のサポートみたいなものですよね?」
「とはいってもねー…そのために、高学年の子がいないとなるとそれも成り立たないわけで。」
まぁ確かにそうだ。
「しかし、この子の通学班は、別にこの子がいなくても、他に5・6年生はいたはずで、それは余裕で成り立つはずです。
こちらとしてはもう、その子たちに通学班のことは任せたいというわけです。」
「んー」
「いいよね?別にあなたが班長とかにならなくても、他の子に任せても?一人でも学校に行けるよね?」
私はすぐ横にいるキキにそう尋ねた。
キキもはっきり頷いた。
「そういう事ですから、これからはこの子を一人で通わせてください。」
という交渉に言ったのであった。
「それにしてもいったいあなたはこの子のなんなのですか?」
あ、
またなんか、おせっかいででしゃばってしまっていた…
どうしよう?
…えっと
「一応この子の義理の姉です。これでも一応は成人してるので、問題ないかと思いますが?」
めんどくさい…
今回、急いでいたので相原のもとで老けづくりしていくのを忘れていたのは自覚していたため、一応見た目相応に義理の姉と答えておいた。
「ああそうでしたか…いつもは、この子には上原さんという人がなぜか保護者代行で来られていたもので…。一応了解しました…。」
これで月城家の保護者代行はすでに3人目であった…。
家庭教師もだが保護者代行もなんか板についてきていたのであった。
さーて問題はといえば…
リキとユキの方だ。
あれから一か月、私はこの二人に関しては思いっきり家庭教師の仕事は放棄していた。
というか二人とも全くいうこと聞いてくれないし、口すらきいてくれない。
二央も二央で…
「まぁあいつらには、それ受け入れるのはキツいわな…。」
「って!こうなったのは、元はといえばあんたのせいでしょ!」
マジでそれこそ責任取りなさいよ!だ!
「そもそも、ああならなくても上っ面だけでも合わせておけばよかったのでは?」
「そうしなかったのは先生の方じゃん。」
それを言われてしまえば、そうかもだが…・
「だいたいなんで、いつの間にかみんなして私のことを勝手に彼女にしてるのか意味不明なんだけど…。」
「そりゃそうだろ…。そうでもしないとあいつ見境ないから、ここでは空気読んでかばうってこと、まだ気が付いてないのか?」
「え?」
「それは小野坂夫婦は夫婦そろってそれ察してるぐらいだぞ。」
「まじ?」
「だから朝美さんは、自分の旦那の彼女と噂されてる女がいてもあの人さっぱり動じてないぞ。」
なんか、あんなに若くてホント出来過ぎた嫁である。
「ついでに、お前が小野坂さんと相原君とそれ以外に彼氏がいると聞いても、あの人さっぱり驚かなかったぞ。」
つまり、私が男ったらと聞いても驚かなかったわけで。
「なんかすごい人よね…。」
「まぁさすがに、先生の子が俺の子だと知った時にはさすがに驚くたろうけどな…。」
「…」
まぁそれを聞いて驚かない人はいないであろう…。
「それにしてもどうしよう…。リキちゃんたちのこと…。」
「まぁリキは判らんでもないけど、ユキはなんも関係ないだろ…。」
そういえば二央には、私がユキの家庭教師もこっそりしているという事は知らせていない…。
まぁここは、それぐらい言ってもいいかとは思うけど、いかんせん、この月城家のこと。少しでも隙を与えれば、どこで情報がもれるかわからない。
「まぁあいつらは、そりゃ怒るだろうな。」
年頃の娘に性的な問題はやっぱり難しいか…。
まぁ私はいろいろ特殊だっただけで…。
そして私はまたユキの担任から呼び出されていた。
この中間テストにて、クラス順位32位から35位まで落ちていたとのこと…。
このままだと、第一志望の一並商業も危ういとのこと…。
そりゃそうだ。私この一か月間も勉強みてないもん。
ユキの成績が落ちてもおかしくはない。
やっぱりうまくはいかないな…
と思っていた帰り道だった。
河川敷を通った時だった。
「お前、最近生意気なんだよ!!」
「ちょっと成績が上がったぐらいのことで調子に乗ってるんじゃねぇよっ!!ブス!!」
「ん?」
ふと河原の方を見ると、中学生の女子たちが何人か誰かを囲んでいるようだ。
ああ、またなんかやってるのか?
正直あんまり関わりたくないよなー。前は小学生相手だったから、なんとか、しゃしゃり出たけど何せ中学生相手だし…
「お前この間、清原から告られたらしいな!マジムカつくわ!!」
「ブスのくせに色気づきやがって!!」
「こいつ、今から、どこかのおやじに売り飛ばしてやろうか!!?」
なんかやばい話してないか?
「賛成!!」
そこにいる一同全員賛同するかの声が聞こえてきた。
ちょ、人を売るって!?一体!!?誰を?
あれ!?
囲まれている女の子は誰だ!?と思ってよく見ると…
「ユキーーーーーーっ!!!」
私は思わず、自分が身重にもかかわらず走ってしまった。
「なんだ?このおばさん?」
おばさんとは失礼な!!?
「うるさい!!おばさん言うな!!くそ女どもっ!!うちの妹になんてことするんだーーーーっ!!」
「は?この人頭おかしくね?」
「いこいこなえたー。」
とそのまま行ってしまおうとしていたが、
「おいマテや!!人の妹売るってどういうことだ!!?ああんっ!!?」
私はそのうちの一人の肩を捕まえて離さなかった。
「それ、とりけせやっ!!」
「…え?」
「取り消すかどうか聞いてるんだよっ!!」
私は気が付いたら、その少女の体を揺さぶっていた。
「そんなこと言われても言っていたのは、てるみだし…私はそれいってないし…。」
「うるせぇ!お前もお前の連れも全員それに賛同してたじゃねぇかよっ!!?」
「イヤだー助けてよーーー…。」
その少女は運よく他のの連れのスカートを引っ張った。
「キャーーーっ!やめてよーーーっ!!」
引っ張られた少女はその反動で下着越しに、しりもちついてしまった。
「で?てるみいうクソは誰だよっ!!?」
と睨んだら、一番に逃げようとした少女が、
「こいつです!」
と私の目の前まで要領よく連れてきて、その女も逃げようとした。
「あーお前!また裏切る気かよーーーっ!!」
とてるみはその女の髪の毛を引っ張って、目の前がいじめっ子たちの大乱闘となってしまった。
それをどう治めるかは…次の回で…。




