キンキン因縁おそろしきw
あれから…
春休みの間…
私は二央と別荘ではなく、例のあの別部屋で、話しにくいことをしゃべていることが多々あった。
いいや…二央だけじゃなくて…。なんと二央以外にもそれがバレたのであった…。
「んもう!先生ったらずるい!!」
リキにもバレたのだった。
「二央とのことは正直どうでもいいけどさ。
私の話もちゃんと聞いてくれないと、お父さんにもバラすからね。」
ホント勘がいい子で、なぜかバレたのであった。
二央からも言われていたが、リキの方も簡単に月城の愛人になるような女は嫌いらしい。
それだったら、私が月城の愛人になるよりかは、私が二央に振り回されていた方のがマシ!とまで、リキは言い切っていた。
「もう。先生はほとんど、私たちが月城との間で邪魔するおかげで助かっているようなものだからねー。」
そうなんです。
最近は何も知らないはずのユキまでもが、気を聞かせてくれている。
そこにはすごく感謝している。
やっぱり月城は、月城本人と血がつながっている一族からはすごい嫌われているらしい。
そしてリキも一応、あの秘密の部屋の存在については知っていたらしい。
ただ、リキは暗証番号も知らされておらず、あの部屋までは入れないとのことだ。
多分、あの部屋は暗証番号を教えられた者のみぞは入れる部屋らしい。
まぁリキが聞いてほしかったのは、ナキの結婚式の発表があった日。
15歳以上の身内であるはずのリキは結婚式呼ばれず、なぜかその後の数日間だけリキがいなかった時期があったが、その時のことに関しての愚痴だった。
なんとリキはあの時あのまま、月城の奥の部屋でずっと軟禁状態だったらしい。
まぁ一応、そこには客室並みのフカフカなベッドもあったし、食事もきちんと運ばれてきたし、バストイレ付きな部屋でもあったので、必要最低限の生活は困りはしなかったそうだが、ことごとくつまらなかったそうだ。
常に鍵はかけられていて、部屋から外には出れなかったし、食事は一応運ばれはするらしいが、どうも月城の命令でその際に口を聞いてはいけなかったらしく、そこにいた時は誰とも会話をしなかったらしい。そんな環境でならば隙を見て、一度は逃げ出そうとしたこともあったが、部屋の外では月城のボディガードが常にいて無理だったらしい。おまけにボディガードたちはその待機時間は自由らしく麻雀やっていたそうだ。
「だから、リキちゃんを見なかったわけね。」
まぁ、月城がなぜリキを軟禁してまで、結婚式に連れて行かなかったか理由も判るけど、今回のこれはホントにひどすぎる。
「もう、あの時私だけ仲間外れなのがすごく許せなくてさ。」
まぁリキの気持ちもすごい判る。
にしても、15歳以上の身内しか結婚式に参加させないとはね…。
まぁどこの家でも結婚式は子供が参加しているのはあまり見たことがない。ベルボーイ、フラワーガールとしての参加ならあり得るが、それでもそんな結婚式あまりお目にかかれない。子供を参加させても、面倒になるだけなのも判る。
がはっきり言って、あんなヒヒジジイと十代の女の子の結婚式なんて、子供には絶対に見せられないものである。あれ?
「そういや、今までリキちゃんって結婚式に参加したことってなかったの?」
そういえば、それだ。
「あるにはあるよ。去年の5月と10月だっけ?2回ぐらいかな。あの時はいいドレス着せてもらってうれしかったなー。」
「あれ?参加できるのって15歳からじゃ?」
「あ、私は中3の時は受験生だから、行ってなかったのね。」
「あ、そうか。去年に二回もあったみたいだけど、誰と誰の結婚式だったの?」
「一人は父の会社の社員さんの結婚式で、もう一人は同じメイドの結婚式だったなー。」
「そう…。」
「なんか、いきなりでびっくりだったよー。
朝美さんも朝美さんで15歳も年上の小野坂さんとできてること知ってるけどさー。」
「え?15歳の歳の差?」
「あ、小野坂さん。あれで38だよ。結構苦労人でさー。外見あんなだけどまだ30代よ。」
びっくりだった…。
「そりゃそうとさ、その結婚して言ったメイドさんも、まさか一回りも年上と結婚だなんてホントびっくりしたわー。」
ああやっぱりな…。
結局、ここでこき使った挙句、年食ったおっさんと結婚させられるのが、ここでメイドをしていた者の末路らしい。
でもリキでもたったの二回?
「二央は結構いろんなところに参加してるみたいだけど…」
「ああ、あの子は跡取りだから特別よ。10歳ぐらいから、いろんなところに連れまわされてるわね。
あの子、シキ姉さんやマキ姉さんの結婚式もでてたのよねー。」
なるほどね…。
「なんか、いつも二央ばっかり特別扱いで、ずるいのよねー。
私も男の子に生まれてきたかったなー。」
まぁ扱いにここまで差があれば、そう思えていてもおかしくはない。
「でもまぁ私はまだ恵まれてる。」
そりゃそうだよなー
「お母さんが生きていて、お母さんがお休みの時にはあえる時だってあるし、お母さんが旅行に連れてってくれることだってあるのだから。」
まぁリキは恵まれてるよな。
リキがここでメイドでいるのは、あくまで母親の教育方針で礼儀見習いとして、バイトしているだけなのだからね。まぁタダ同然で礼儀作法を教われるところなんてここぐらいしかないのは言える。
「まぁユキちゃんはお母さんがいないのは判ったけど、他の子でリキちゃんみたいにお母さんいる子っていないの?」
「ああ、末っ子のトキならいるよ。他の子は知らないけど。あの子はいつも言ってる。「私がここにいるのは小3まで」だって。「小4からお母さんが迎えに来るんだ」って。」
「あらー。」
じゃあ、最後の小学生メイドはキキちゃんなわけか…。
私はあの大ショックな場面を見れたのはかなりレアだったことになる。
「なんか、それがあの子とお母さんとの約束らしい。あの子のお母さんもたまに来てて、よく見かけるからねー。」
まぁユキは少なくとも、この一年、私がこっそり面倒見るとしてだ。
私の年齢では、さすがにキキが受験生になるまで残るのは、月城の館の掟によれば絶対的に無理がある。
あの子がやっぱり最後の犠牲者になるのだろうなと思うとやっぱり気が重い。
「先生。」
「なに?」
「ユキのことは頼んだ。」
「え?」
「こっそり応援してる。」
これ聞いた時はホントに呆気にとられた。
「気づいてたの?」
「もちろん。」
ホント半端なしに勘がいい子だ…。
「先生とユキが同じ部屋で、あの子はホントによかった思ってる。」
「まさか…」
「申し訳ないけど聞いてた。」
リキはまだ、さすがにナキが嫁にやられたことを口にはしてないが、知っているようにも見えた。
「ユキにはナキみたいになってほしくない!」
やっぱり知ってる?
「中学卒業後の15歳以上からの本業メイドの扱いって、ホント段違いに厳しくなるんだよね。だからこそ、ユキにはそんな思いはさせたくないの。」
あぁそっちか…。
「そうだね。あの子。大学は無理だとしても、せめて高校ぐらいは無事卒業させたいよね。わかった。ただもし…私に何かあった時は、その時はリキちゃんにユキちゃんのことはお願いしたい。」
「了解。」
私はこの春休み。実質上3人の生徒を抱えることになった。
そんなわけで四月…。
私はまた月城から新たな指令を与えられた。
それは…。
私はまた相原にメイクさせられていた。
それも…
「なにこれ?すっごく老けづくりなんだけど??」
「まぁしょうがいないさー。これも仕事だよー。」
仕事内容といえば…。
今、私は二央と一緒にあるところに来ている…。
なんでこうなった?としか言えんが今私は二央の保護者として、入学式に参加させられている。一応、引き続き同じ学校ではあるが、高等部からも新しい生徒が増えるので、一応高等部からの入学式というものはあるらしい。
だからこそ、この年にて超老けメイクに三角形のフレームのメガネをかけ、ホントに保護者が着るようなスーツを着せられた。
ここにきていろんな衣装を相原に着せられてきたが、さすがにここまでやらされるとは思わなかった。
なんでだよ?と最初に思ったが、二央はあんなやんちゃで、おつむもイマイチだけど、腐ってもボンボン。学校もかなりお坊ちゃんでしか入れないような名門私立。学校行事に父兄は参列するのは当たり前であり、その際に他の父母になめられるわけにもいかない。だからこそ今、ここでこの入学式に高級スーツという名の戦闘服で参加して戦わなければならないのであった。
おまけにここは男子校。共学なら、もっとフェミニンな服装でもよかったのだが、年頃の男子ばかりがいる中で、若い女がそんな浮ついた格好していった日には、目を付けられることもあり、かなりお堅い格好をさせられたわけである。
全くなんて勝手な事情…。
それでも与えられた仕事はこなした。
結局、あの場で私が老けづくりしていたことはバレル男子生徒にはバレたのだが、まぁそこまで大事にはならなかった。
そして私もとうとう大学最後の年となった。
学校へ行って、一番にすごい勢いで話しかけられたのは…
「なんなんですか?あなたの妹は?」
日比野だった。
「ん?」
それを聞いた途端、すごい久しぶりにあのキンキンちゃんを思い出してしまった。
思えばここしばらくの間、いろいろ衝撃なことがありすぎたけど、曜子と関わることと比較して考えてみればまだ、平和な日々だったかもしれないとさえ思えていた。
「いったい、どこに行かれてたんですか!?」
「ん?」
「あなたの行方が分からなくてホントたいへんだったのですからねー。」
とのことだった。
「まさか…また性懲りもなく、あいつ来たんか!!?」
それもよりにもよって日比野のところに…。
てか、なんであいつ、私が行くとこ行くとこが毎回こんなに簡単に判るんだって!!?
確かにヤバい…。
だって日比野は表向きだけではあるが、私の彼氏だ。
その彼氏の家を特定されて、凸されたとなるとあのおしゃべりな曜子のことだ。親に告げ口していることはまず免れない…。
つまり、これで私は東京で下宿してた際に男と同棲していたことが親にバレたという事になる。
「まじできてたん!?」
「そうですよ。」
「私がここに居座ってたこと言ったの?」
「そうですよ。」
「あんたまさか、自分が私の男だと名乗ったん?」
「そうですよ。」
なんか、お昼番組の「わたっていいとも」のあの似たようなかけ声かのような受け答えでなんとも言えんかったが、全部バレたというわけか…
あれほどまでに男関係のことでは口酸っぱく言われてはいて、こうなるとは…終わった…。
これ下手したら授業料の支払い止められるかもしれんと思って、学生部まで駆け込んだ。
「あ、ちょっと、まだ話が…。」
という声が後ろから聞こえてきたがお構いなく走る。
すっごい恥ずかしかったが、そんなことより授業料の支払いの事の方が、今何よりも重要だ。
「ああ大丈夫ですよ。きちんと支払われてます。」
その一言を聞いた途端、腰が抜けるほどホッとした。
その確認が終わってすぐ、
「……あの…僕の話より、そっちの事の方が大事なのですか?」
という声がきこえてきた。
「当たり前よ!」
「当たり前って…。」
「ごめん…うち、いろいろ厳しくて…。その…。まぁゆっくり聞く…。」
どうも、私が出て行った後の春休み…。
お察しの通り、曜子が日比野の家に凸してきたらしい。
どうも、私が前にいた女子アパートの学生たちが曜子を即日比野の下宿先へと厄介払いしたそうだ。
まぁ前の下宿先であれだけの騒ぎを起こしてしまったのだから、押し付けたくあるのは無理はない。でもよりにもよって、彼氏の下宿先をああも簡単に教えてしまうのは許せない。
「そりゃそうとあの曜子を泊めたの?」
「一応は…」
なんなんだ?彼女の妹をそこまで簡単に泊めるなんて、信じれん。
「仕方なかったんですよ。あれ以上騒がれても面倒だったし…。」
まぁそりゃそうだ。あの曜子を黙らせるのは並大抵なことでは無理だ。
「それに、星子さんが置いていったお布団はまだあったし、それ使わせたら何とかなりました。」
ああなんか忘れてたと思ったら、日比野の家にまだお布団を置いたままだった。
それは申し訳ない音をした…
「ごめんなさい。その布団。すぐに捨てに行きます。」
「あ、いいですよー。結局、黒さんや他の友達にも使ってしまったから、結構あの布団助かってますよ。それよりも…」
それよりもって…
「あなたの妹さん。一体なんなんですかっ!!?」
やっぱり、そうなるわな…。
まぁ曜子と関わった人間が行きつく疑問はそうなる。
「来て早々に宿主の私の存在は全く無視で、挨拶一つもなしに「お姉ちゃーん」とヅカヅカと家の中に入ってくるわで。あなたが見つかるまでいろんなところを勝手に開きまくって漁りまくって、あっという間にめちゃくちゃにしていって片づけ一つもしない。」
うわ…最悪だ。こいついつまで子どもなんだよ?ホントイヤになる。
「ごめんなさい…。」
私はもう謝るしかなくて…。
「さんざん見まわったあげくに「せまいね。ここー」と大声で言われるし…。そのあともずっと同じぐらの大声でずっと喋られるし…それが原因で、アパート住人全員から、怒られるはめになるしで…。」
もう、ここまでは毎回だいたい同じ。あいつはいろんなアパートを訪問するたびに、自ら騒音出しっぱなしで、住人ほぼ全員から、部屋主が怒られてそこのアパートは出禁になるのはお約束だ。
「おまけに…同じアパートの人たちから、「女たらし」の烙印おされてしまうしで…、大変だったんですからねー。」
あーそりゃそうだよな…。前は私で今回は曜子で違う女を部屋に入れてるわけだから、そういわれてもおかしくはない。
「おまけにその女たらし言われた挙句に、あなたの妹からいらぬ誤解をされて、その場で即ご両親に「大変だよー!お姉ちゃんの彼氏ー女ったらしだってー!」と連絡されて、今度は両親まで召喚されて…、それからもすごい勢いで怒られて…もう!何なんだすか!!あなたの家族はっ!!?」
いくら嫌いな奴とはいえここまで迷惑かけてしまっては私ももはや何とも言えない…。
「ご、ごめんなさい…。あの…それで…。」
「なんですか?」
「そんな大騒ぎになってしまって、あなたは追い出されたりはしなかったの?」
そこである。
「私も、前の下宿先。あいつのせいで追い出されて…その…。」
そうだ!
私も曜子のせいで追い出されたのだ!
ホントアイツは許せない!!
「そうだったのですね…。だから、私のところに逃げてきたと…。」
「そうなんよ。多分、あいつのことだから、すぐに嗅ぎつけて押しかけてくるの判っていたから、なるべく早く出て行ったのに…。それでも間に合わなくて、ほんとごめんなさい…。」
「なるほど、だからあれだけ急いで出て行ったのですね…。」
ホントこんなことになるので、私もは日比野の部屋をすぐに出て正解だった。
ただ日比野はかわいそうだ。
「まぁ大丈夫でしたよ…。黒さんも協力してくれたし、アパートの皆さんはみんないい人ばかりで、うまいこと妹さんは追い出してくれたので。」
まったく。なんであいつは長期休みが来るたびにこっち来るんだ!!?ホント迷惑!!
「ホントごめんなさいね。私からも実家に言っとくからねー。」
と本当に申し訳なく思って、一生懸命謝っていた時だった。
「もういいですよ…。」
あの曜子が関わったにもかかわらず珍しく、あっさり許してもらえたと思った。
「別れましょう。」
日比野の口から、いきなり出たのがこれだった。
まぁいいけど。
元々、好きで付き合ったわけではない。
むしろ自分の口から別れを切り出さずに済んだのはたすかった。
嫌いなので、今更どうでもいい。
「もうやってられない。」
まぁそうなるわな。
ホントにこの先、結婚まで考えて長いこと付き合っていくことも全部考えてたとなると、その考えは妥当だ。あんな強烈で恥でしかない家族を見てしまえば、誰しも関わりたくないと思うのは当たり前だ。
「お、いいよ。いままでありがとう。」
何気にすっきりしたんで、思わずすごい明るくにこやかに言ってしまった。
そしたら…。
いきなり胸座掴まれた。
「なんなんですかっ!!?あなたもっ!!?」
「へ…?」
まさか、男からいきなり胸座をつかまれることを経験してしまうなんて、思いもよらなかった。
「…あの……?なに?」
そうだ。
いきなり別れを切り出してきたのは先方である日比野だ。
であっさり受け入れたのは私だ。
私、それに応じただけだけど?なんか悪いことしたか?
まぁ悪いことしたといえば、迷惑かけた挙句、あまりにもすがすがしい笑顔でその別れを受け入れたことぐらいだが、やっぱり怒っているのはそれだろうなー。
とおもっていた。
「今さらですが…」
「???」
「私はあなたをめちゃくちゃにするつもりで、あなたとの交際をうけました。」
それを聞いたとたん。
私はマジで驚いた。
まさかんなふざけた交際の申し込みより付き合い始めて、その高裁は実はこんな裏が隠されていたなんて、さすがにおもいもよらなかった。
「気づいてましたよ…。」
気づいてたって??
「多分、あなたも冗談半分で「付き合う」とか言い出したんでしょうね…。」
うわっやっぱりそうか…
そうでなきゃあんな言い方して、あっさり交際を受け入れるだなんて日比野も言わなかったはず…
「私はずーっと復讐の時を狙ってましたよ…。ずっとね…」
「復讐って…。私なんかした??」
「自覚ないんですか!!?」
自覚ないといわれてしまったけど、いったい私がこいつに何をしたんだ?
ああそうか、中2の時に日比野のことを無視したという事か?
てかたかだかそれだけのことなら、他の人だって、日比野とまともに喋ってない人なんかざらにいるではないか?なんで私だけ??
ほんとそれだ。
だいたい、日比野って人を寄せ付けない空気を自分から思いっきり醸し出しておいて、私にだけ「かまってくれない」とわざわざ主張してくるのも変だ。
こいつは常に言っているが「僕には人を見る目が合ってね」だの「自分に害を与えてくるような人物には近寄らない!関わらない!口きかない!」とか自慢しているがじゃあこの結果はなんなんだよ!?
私と関わった挙句、あの誰しもが関わりたくないと思えるあの曜子に思いっきりかかわっているではないか!?
「だいたい、僕の大事な幼馴染を廃人にしたのはあなたなんですよっ!!?」
!!!?
「あなたの幼馴染って、誰のことよっ!!?」
そうだ。こいつは事あるごとに「幼馴染、幼馴染」と幼馴染の話ばかりを持ち出してきて、まるで私に幼馴染に嫉妬させようしてるの?と聞きたくなるぐらい、くどいほど幼馴染の影ばかり出してきてた。
で?その幼馴染っていったい誰のことなんだ!?
「……前林蒼衣…。………覚えてないとは言わせない…。」
すごい懐かしい名前が出てきた…。
あああの残念な子ね…。
確か、私があれだけ警告していたにもかかわらず、曜子に同情して自滅していったあの残念な子。
まさかあの子が日比野の幼馴染だったなんて…。
今知った…。
「蒼衣だけではない!君は黒さんにもひどいことをした!話を聞く限り君は女でありながら黒さんをいきなり襲ったと聞きましたよ。
黒さん曰く「これがホントにラッキースケベだったのかどうかも判らないし。素直に喜べない…。」とか結構長いこと、あの人はあなたのことで悩んでいたのですよ!?
おまけに今度は高校でも巻き込みスケベが原因で、黒さんが停学食らったのはあなたのせいですよね!?」
これって、私が悪いんじゃなくて、私に無駄に関わってきた大黒が悪いのでは?
私と関わろうとしなければ、そもそもそんなことにならなかったのでは?
なんで、こいつらはこっちが正直嫌がっている態度にまで出しているのに、わざわざかかわってくるのかが判らん。
「あと残るは亮子さん。
亮子さん、結局高校も行けれなかったらしいじゃないですか!?
あなた、一緒にすんでいたらしいじゃないですか?
なんでなんですか!?
亮子さん曰く、あなたの方が亮子さんの家でお世話になっていると聞きましたが、なんであなたはあの時ご両親がいたにもかかわらず、亮子さんの家で居候していたのですか!?
亮子さん。両親も離婚されていて、同い年のあなたがいたから、気持ち的に安定できずに自棄になっていたみたいだし…」
あの…私も亮子のことは知らんって!
マジでそうなん!!?
てか、なんかよく知らんけど亮子は元々男絡みのことでは、だらしなかったとしか言えないんだよなー。
かといって、そういうことを正直に男に言えば、「それただの女のやっかみですよね?自分が持てないからってみっともない」と言われるのが関の山で言うに言えないんだよねー。
ああでも亮子絡みのことは私も仕方ないかったんよ…。
もう言われたくもないことを言われてしまった。
ああーもう余計なお世話だ!
「あのさ、なんで私が亮子の家で世話になっていたかまだ分からんの?
そもそも、私は風子おばさんに亮子よりも先にお世話になってたのよね?
で後から亮子が転がり込んできたの!
だからそこのところはよく判らないの!!
でね。話は戻るけど、私、あんたも知っての通りあんな家庭環境でいたわけ!私はあの妹から逃げるように風子おばさんにかくまってもらっていたわけ!!?だから、私と亮子は一緒の家に住んでいたわけ!!?わかった!!?
私もあの妹にはずっと被害者だったの!!それぐらいわかってほしいわ!!
じゃあさ、もしあんたが私だったら、あんな妹と暮らしたい思う!?
思わないよねー?すっげぇ人を見る目がある日比野君w?
そんなあなたなら、真っ先に関わりたくないと思うタイプだと思うけど?
それにね。あんたの幼馴染のことだけどさ。私の妹に勝手に同情して、構ったのはあなたの幼馴染の方なわけ!!自業自得なの!!
あと、私はあなたの親友の大黒とも正直関わりたくなかったけど、あちらが無駄に関わろうとしてきたから、こっちもさらに無駄に関わってあげたわけ!!あれも自業自得なわけ!!
もういいかげんにしてほしい!!あくまで自分の目線だけで何でもかんでもわかったような気にならないでっ!!」
もうやけくそでいい返していた。
「そしてね。私もあなたのことが昔っから、大っ嫌いだったわけ!!?
だから、なるべく関わらんように気を使っていたのに!
なんでおとなしく無視されていなかったわけ!!?それずっごい謎!!
だからね、私はね。あなたから嫌われたってうれしい限りなわけ!!」
もう今までこいつに言えんかったことを一気にいいたい放題言ってやった。
「だから…あなたに何をしても糠に釘だったわけですね…。
道理で…。幼馴染や亮子さん、他に僕に好意を寄せてきた女の子たちの影を見せても、あなたの妹を自分の部屋に泊めたことも耳にしても眉一つ動かさずに嫉妬もしなかったわけだ…」
「ん?何?そんなことで?」
なんだこいつ?
マジでやってることが低レベルすぎて、何とも言えん。
お前なんかよりもはるかに上を行くモテメン能丸相手の対処だって私はうまくこなしてきた。それどころか「星子ちゃんは神レベルだった」能丸の姉たちからも言われているぐらいだ。
だから日々野なんか、能丸に比べてみれば虫けらレベルでしかない。
「逆にめちゃくちゃにされて残念だったわね」
つまり日比野は、ずっと私をめちゃくちゃにするために、いろいろ計画をしていたわけだったのである…。
「ただ、あなたには責任を取ってもらいます。」
「ん?」
「ただで別れられると思わないでください…。」
これまた男女逆転した感じになってません?
私にいったい何の責任を取らせる気でしょ?
「すでに別れを切り出しているというのに、まだ何かあると?」
まぁまだ何かあるらしい…。
私はこんな奴とはきっぱり踏ん切りつかせたいので、もう少しだけこいつに向き合うことに決めた。




