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とんでもない世界へようこそw

さて、少し時間を戻したことを言うが、月城家に住むようになって、正直びっくりすることばかりであった。


まず、ついの間のマリアの件。

あの後、二央から聞いたが、二央はそのことに関してはずいぶん前から知っていたらしい。

あの男は基本24歳までの女しか抱かないらしい。

どうやら月城は、いろんな意味で悪質で、ある日突然落ちぶれていく若い女のあの絶望する顔を見るのが好きらしい。  

それをいままで「愛人、使用人、部下」など、立場問わず何人もの女にやってきたという。

中でも愛人は最もひどいらしい。ただ単に飽きただけでも切り捨てていくとのこと。

だからマリアは一応年齢契約だけは守られたから、まだマシな方だったらしい。

ちなみにこんな女好きで女たらしではあるが、今まで一度も風俗を利用したことがないらしい。



それでも…


「年齢制限付きなんて…」


考えてみたら、この家のメイドは主の身内であるアキとフキ以外はみんな若い。私より年上もいるけど、明らかに私と年齢が近い人ばかりだ。だからユキは私がここにいられるのは持って3年ぐらいだと言っていたわけか…。


「じゃあ、ここで働いている人たちは25で解雇されてその後どうするわけ?」


「さぁ知らないなー。」


って…。無責任な…



「小夜さんなんて、あの人ろくに喋れないのよ。あの人がここ出ていったら、行くところがないんじゃない?」


「まぁそれで泣いた女は結構いるからなー。ここに甘んじまくって来たバツだよそれ。」



二央はだから、その罠に引っかかる前にこの家から、早く出て行けと言っていたんだ。


「あ、そうそう突然だけど、明日からまた新しいメイドが増えるぞ。」


「えー、あれだけメイドいるのにまた増えるわけ!?」


てかどれだけ愛人増やせば気がすむんだよ!?あのエロオヤジは!!?


「その人もまた…愛人候補なわけ?」


「さぁな。もうとっくにこの家にいる奴だから、何とも…。」


もういるって…。いったい誰なん?

まぁ私みたいにゲストルームに囲われている状態なんだろうと一応察しはついたとして…。


「まぁどっちにしてもかわいそうな奴が増えることには違いないな。」



またもや意味深なことを聞かされてしまった。


本日は二央も学期末テスト最終日だったので、お昼は春休み中の私と二央の二人だけでとった外出中のランチでの会話がこれだった。


そして私はこの後今日中に、ひょんなことから月城家の事細かな事情を外出先で知ることになった。


ランチ以外の行動は、二央は友達との約束があるとかで別行動になったのだが…


二央と別れてからすぐのこと…。


いきなり背後から、声が聞こえてきた。


「ひどいですね。僕というものがありながら、誰ですか?あの男は?」


振り返るとすごい剣幕で怒っている日比野がいた。


「異常に若い子ですよね?」


すごい怒っている様子だった。


「…え?…え…っと……。」


私はその迫力でなんも答えられなくなっていた。

どうしよう?こんなに怒っている日比野を見るのは初めてだ。

結構冷めてる奴かと思っていたけど、城が入ったこととなるとここまで嫉妬心をむき出しにするのか?


「ずっと連絡がなくておかしいと思いましたが、僕のことは放置であんな若い男と…。」


もうこれは正妻が若い愛人に嫉妬してるセリフとまるっきり一緒ではないか。

ホント反論する隙すら与えてくれないらしい…。


そう思っていた時だった。


「どうもこんにちわー。」


いきなりショートヘアですらっと背が高い性別不明で中性的な人が間に入ってきた。

歳は同い年ぐらいか、私より少し年上ぐらいだろうか?

見たこともない知らない人だ。


「だれですか?あなた?」


と私が聞こうとしたところだったが日比野が先にその質問をその人にしていた。


「あ、どうもお世話になっています。私さっきこの子といた二央の姉で中川サキというの。よろしくねー。」


あれ?今、二央って言った?


「え?お姉さんもご一緒だったのですか?」


「ええまぁ」


なんか、二央のことを知っている人で、うまいこと話は流れていったところで…。



「じゃあ…」


「いうの遅れてごめん日比野。二央くんは私の家庭教師のバイトの新しい生徒なのよ。」


こればかり事実であるので、正直にそのままいってみた。


「そしてこの方が二央くんのお姉さん。(?なのか?めんどいからそうしとこ。)」


「いやーごめんねーさっきはー。いきなり元同級生のヒロミ見かけて、だいぶ席外しちゃってさー。」



「そういう事だったんですね。」


一応納得はしてくれたらしい。


一応なんかことは済んだものの、このまま日比野にはついていく気は絶対的にイヤだった。


しばらく沈黙が続いたものの…。


「あ、ごめんねー。これから、女同士だけでショッピングいくんだー。ほら、星子ちゃんってセンスいいしー、私に似合う服みてもらう約束しててさー。」


あれ?この人、私の名前まで知ってる?なぜ?


「そうそう、ごめん日比野。この埋め合わせは一応するから。」


まぁいいや。ここでまた日比野に関わらないで済むなら、もはやどうでもいい。


「わかりました。こちらも誤解してすみませんでした。

今日はお二人で楽しんできてください。」


うまいこと日比野は引き下がってくれた。

こういう時は素直な奴である。


とはいえ…


「ごめんね。いきなり話しかけて。」


「いえ助かりました。ありがとうございます。」


そうだ。普通は彼氏彼女の痴話げんかの中に割って入って、運よく解決してくれるようなシュチエーッションなどほぼあり得ない。


いったい誰なんだ?この人は?


まさか?



「あの、ひょっとして…。」


二央が話していた新しいメイドさんだろうか?

それなら…。


「えっと、一応初めまして。私はホントに二央の姉です。」


「えーーーーっ!!?」


「まぁ二央とは腹違いで、父からも認知もされてなくて、あくまで血筋上だけの姉弟ですが。」


まぁ少しは二央から聞いていた月城家の事情ではあるが、まさか姉がいたなんて話は二央からは一切聞いてない。


「まぁここではなんですから、場所を移動しますか?」


場所を移動とか言われて、どこへ連れていかれるかと戸惑っていたが、相手は女性だしそこまで変な人でもなさそうなので、場所を移動することにした。


連れていかれた場所は…



「ここが私のお城。さぁ入って。」


すごい古ぼけたビルの一室だった。

あの月城家のお屋敷の主の娘であることが信じられないぐらいの暮らしぶりであった。

それも看板には探偵事務所とまで書かれていた。


どうも独自で探偵事務所を経営しているらしい。



部屋の中はといえば、基本資料だらけで散らかっていて、きれいな場所といえば、応接コーナーとトイレぐらいなものだった。


「まぁ散らかってるけど適当なとこ座って。」


適当なところとはいえ、やっぱり応接コーナーぐらいしかまともに座れないであろう。


「ホントやっと捕まえることができた」


「え?」


どういうこと?


「あなた一月の前半ぐらいだっけな?引っ越そうとしてたでしょ?あの時からずっとあなたのこと捕まえようと必死だったのよー。」


「じゃあまさか…あの時…」



「そうあの時、あなたの後をつけてさり気に捕まえようとしてたら、いきなり逃げられて二か月間。あなたのことずっと探してたのよ。」


日比野の家を出た後にずっと後ろからついてきていたのは、この人だったんだ。

でもなんで?


「まぁ私も他にも仕事があったから、あなたを探すまでにここまで長引いてしまったのよ。本当にごめんねー。」



なんだか向こうが一方的にペラペラしゃべっているようだが…


「いったいどういうことなのですか?」


本当に意味が分からなかった。

まぁ日比野から、助けてもらったことは感謝しているが、いったいこの人は何がしたいのだか判らない。


「まぁ平たく言ってしまえば、あの家とは関わらない方がいいとだけなのよね。」


あ、そのことか…

さっき二央からも聞いたばかりだ…。


「えっとぶっちゃけ、あなたはあの家にいることは判っているんだけど、あなたはどういう立場であの家にいるの?」


あ、まだそこまで詳しいことをこの人は知っていないらしい。


「一応、二央くん専属の家庭教師ですが…。」


「ホントにそれだけ?」


「はい」


「まじで?」


「はい」


「閻魔大王様の前でもそう言い切れる?」


「はい」


閻魔大王を出されて、ふきそうになってしまったが、こればかりは真実だ。


「二か月もあの男のもとにいて、指一本も触れられたことがないなんてありえないーーーー!!」


サキさんはものすごく驚いていた。

どうやら、サキさんも二央くんと同じく月城さんのことは嫌っているらしい。


「え?あ、でも…」


「なにがあったの!?」


「いや、契約書書いた時に握手だけはしましたが…。」


これは本当だ。


「あーやっぱり契約書にサインしてしまったかー…。」



先は遅かったとばかりな反応をしていた。


「あとあいつから何を要求された?」


「要求って…言われても…基本仕事ぐらいなことで、二央くんの家庭教師になってほしいと頼まれたこととか…。」


「あとは?」


「あー私、一応は車の免許持ってるから、小さい子たちの送り迎えをたまに頼まれたりされましたね…。それもお仕事のうちとか、言われてその分の給料もいただきましたね。」


「あとは?仕事とか以外に特にないの?」


「なんか、どこかの大企業が主催するパーティに同伴することぐらいかなー…。」



「えーーーーっ!あのパーティにいったわけ!!?」


「はい、そうですが…。」


「あの…それで…そこで何もなかったわけですか…?」


「はい。パーティのお開きとともに普通に帰りましたが何か?」



「じゃなくて、あなたがパーティの時間でしたことって何?」


「え?いや特にこれと言ってはないですが、他の企業の重役さんたちと普通にあいさつ程度な会話ぐらいしかしてませんでしたよ。」


ホントにこれだ。

私がしてきたことといえば、これしかない。

まぁ確かに適当に話を合わせていただけで、これと言って特になかった。

何せ、メインの会話は全部マリアが持って行って、私はあくまでマリアのおまけ程度に喋っていた程度だ。

あと、カオリは私以上にいろんな人に顔を売ることに必死で、私がカオリ以上にでしゃばる場などなかった。

残るは小夜だが、この子はあくまで顔だけで選ばれただけの人数合わせの子であり、常に旦那様の後ろ少しについていて、ただただにこりと笑ってお辞儀だけしていた。


ってあれ?


小夜って、あの後一緒に帰ったのだろうか?

小夜って、そもそもずっとあの会場にいただろうか?


そこのところあまり記憶がない。


何せあの時、車を2台使っていたので一緒に乗っていたのは確か、運転手は相原君で、二央くんとカオリと私でのっていたはず…。

で、もう一つの車にはメイン運転手の井上さん運転で、乗っていたのは主の月城さんとマリアと小夜…で…?


「どうやら、あなたが乗っていた車は安全だったみたいね…。」


「…」


どこまで知ってるんだろ?この人?



なんか、相手が探偵ゆえに迂闊にはしゃべれない気がする。


「大丈夫よ。父…あの男、すでに私がこの稼業を生業にしていることは、ずいぶん前から知っているから、自分のことも知られてて当然と思ってるので、あいつは私に知られたところで痛くもかゆくもないのよ。」


そうだったのね。


「それにあの男。図々しいことにここを大型顧客として利用してるから結局、持ちつもたれずな関係なわけよ。」


結局、持つべきものは身内というわけかよ。


「まぁそこまで贔屓もしてなけりゃ、されてるつもりもないけどね。」


「…」


「で、あなたはあのパーティでは特に何もなかったのよね?」


「そうですね。ホントに普通にパーティ思いましたし。」


そうだ。私は特に何もなかった。


「よかったーーー。ここまで長いこと無事でいられたのは、あなたぐらいなものよー。」


ここまで長いことって?

私はまだ月城家にきて、まだ二か月弱しかたってない。

となると月城は…


「あの…では…あそこには私より若いメイドさんがたくさんいますけど、その…。」


「まぁ手を出してる子には出してるわね。

多分、小夜かな。あの子何も喋らないでしょ?いいように扱われてるのは判るわー。」


「えーでも小夜さんって、私よりもずっと若いですよね?」


「うん。確か11月が誕生日だったはずだから、去年の終わりごろにやっと18になったはずだけど…。」


そうか、やっぱりあのパーティに連れて行った対象はホントに18歳以上の女性だけだったのね。

でもそれって…。


「じゃあ小夜さんってまだ、今月まではギリギリ高校生の年ですよね?」


「そうね。あの子は多分高校に行かなかった思うわ。」


やっぱり…。

小夜が制服着て、学校へ通っている様子は一度も見たことなどない。


「だってあの子、ほとんどあいつが拾ってきたようなもんだし。」


なにそれ?


「まぁ小夜もあなたと同じで行き先がなかったから、拾われてあの家に住んでいるようなものよ。

ひどいことに小夜は小学生の時から、親から完全に見放されてああなったって感じだったし。


それに私が家を出ていくまでにはあの子。すでに女にされてたからね。」


え?サキさんっていつあの家出ていったんだろ?

小夜は小学生の時から、あの家にいるとのことだし…。そこのとこどうなんだろ?


「えっとじゃあ、私も月城家に来てから、びっくりしたのですが…」


「うん、なに?」


「実は同室の女の子が朝、メイド服からセーラー服に着替えて学校に行っているのですが、あの家ではそれが当たり前なのでしょうか?」


そうだ。何を隠そう。あの家には、高校生メイドらしき女の子が4人ぐらいいる。

そして、愛人のうちの一人エリナもまだ高校生らしく、朝から制服を着て学校へ行っているギャル系の愛人だ。

そしておそらく小夜と同じく、高校生ぐらいの年齢も関わらず、メイド専属で働いている子もいる。


「そうね。一応、家政婦をしている代わりに宿を提供しているだけの状態ね。


まぁ事情内訳としては一応親はいるんだけど、授業料しか払ってもらえない家出娘とか、親がいなくて親の保険金だけで生きているだけで宿代浮かしている子や、はたまたあいつの愛人になってまで、あいつに媚びて学校に行かせてもらってる子とか、ホント様々ね。

あと他は、経済的や頭脳的な問題で高校すら行けれない子が専属でメイドやってるっている状態ね。そうなると期限が来るまで、ほとんど奴隷状態で働いてるのと同じぐらいなブラックな状態なのよね。


とにかく、あいつにとって都合がよさそうな子しか、あの家には誘わないわよ。」


ホントふしぎな家思ったが、そういう事か…。

どおりであの人、私が部屋を探していると聞いて、目の色変えたわけだ。


てことはユキもそういう事なのか?あの子は学生メイドの中でもダントツでかわいい子だ。あの学生愛人エリナなど目じゃないぐらいにかわいい子だ。おまけにあの社交性。あの子なら、小夜よりもあのパーティの参加者として向いている。ってあんなかわいい子がーーーーー!!?と思うとショックだ。


とはいえ、そういう私も中学生の時でしたなー。

ただ、問題は初めての相手が金持ちでもシワシワなおっさんか、責任取れなくてもイケメンな同級生との違いは気持ち的な問題で、かなり差はある思う。



「まぁあの男。ずるいもので。ああやって後がない女の子を適当に拾っては捨ててを繰り返してるわけよ。まぁそれに早く気づいて出ていく子や天然で自立して出ていく子なら、あの場所は最適なんだけどね。騙されたら大変なことになりそうだから、比較的話が通じそうな子だけは早いうちに私が捕まえて、こうやって説得してるわけなの。」


まぁどちらかといえば、私は元々後者の方の考えだったけど、事情を知ってしまった今となっては前者だろう。


「そういう事だったのですね…。」


サキさんが、私を追いかけていた事情を知って私は安心した。

サキさんが少なくとも実家からの追手ではなかったことが、何よりも救いだった。


がこれだけでは安心できない。


「ところで星子さん。見たところあなたはそこまで育ちは悪くはなくて、ほとんど何不自由ない環境で育った感じするけど、なぜ住むところに困っているの?」


きた。

探偵って、まずは自分の手のひらをある程度見せておいて、相手にも何か喋らせるという手段を使ってくるとは聞いている。それも探偵の標的側にとって、それがあたかもお得な情報かのようにわざと教えてくるのだ。それも探偵がちらりと見せたその手のひら情報とは探偵目線にとって、どうでもいいことだったりするので、探偵本人は痛くもかゆくもないのだ。


だから…


「ごめんなさい。それは言えません。」


「そう。変なこと聞いてごめんなさいね。」


「でも、あなた月城の屋敷に来るときにどこかアパートみたいなところから出てきたけど、あれはあなたの部屋だったの?」


あーそこまで見られてるわけだ…。そうなると日比野のこともすでに知っているかもしれない。

困った…。まさかとは思うけどすでに日比野のことも調査済みかもしれない。


「それも言いたくありません。」


「んーーー。」


ただ言えることは。


「とにかく今、私が住める場所がないという事だけです。あのアパートに戻るにしても戻るのも嫌なのです。とにかく学校さえ卒業して、新しく住めるところが決まれば出ていく予定なのでご安心を。」


それに今のバイト。

どう考えても他の家庭教師のバイトよりかは待遇がいい。

月城曰く、あれで下宿量まで取っているその余りを給料としてるとのことだが、それにしてもホントに稼げるので、大助かりだ。このままいけば、就職する頃には余裕でいいところを借りることができそうだと思えるぐらい。


「じゃあ星子さんは卒業したら出ていくつもりでいるのね。」


「はい」


「なら、心配ないか。」


これでやっと解放されると思ったら、私は大変なことを口走っていたことに気が付いた。

卒業したら出ていくという情報をこの人に与えてしまったのだ。

確かサキさん。少し前に月城が、ここの大型顧客とか言ってなかったっけ?


まさかと思うけど…


「ひょっとして…ここであなたが話したことを月城に売るとか思ってるとか?」


うわっ見破られていた…。さすが本職にはかなわない…。


「そこは大丈夫よ。月城から、あなたに関することに対しての調査依頼は受けてないから。」


そうだ、今思い返してみれば、あくまで私がいるのは短期間ゆえにその短期間で月城が私に手を出すのが早まったら…という不安が少しよぎったのは確かだ。

が、しかしだ。今の言葉を察するに月城からその依頼は出ていないにしても、実家から依頼が来てたとなると命とりである。月城からの依頼より、実家からの依頼の方が私からすれば怖い。


「あの…では月城さんからの依頼はなくても、他の人からの依頼で私のことを調査している方はいるんですか?」


「あははははははーーー。」


サキさんはすごい勢いで笑い出した。


「さすが有名大学合格できるだけ、賢い子だわーーー。いやーたいしたものだよー。」


「もうからかわないでください。」


「まぁそれもないけどさ。なんかすごく用心深いのね。ホントしっかりしてる。」


ああないならとりあえず安心だ。


「まぁ来たとしたら、うまいこと断っておくからいいよ。」


と言われたけど…


「いいえ、むしろ引き受けてください。」


「え?」


「もし仮にサキさんが断ったとすると、相手方は他の事務所に相談すると思います。だから、逆にサキさんがその依頼引き受けて、うまいことせき止めてほしいのです。」


「なるほどね…。」


「まぁあくまで仮になので、もしそんなことがあったとするなら、一回引き受けてから、私に相談してほしいのです。そこから策を考えますから…。」



「おもしろい!」


「え?」


「こんなおもしろい逆依頼は初めてだわー。逆に燃えてきたー。なんかありがとね。星子ちゃんに出会えてよかったわー。」



「私の方こそ、サキさんに出会えてよかったです。」


生まれて初めて探偵事務所に来てみて、結構面白かったのは本心だ。



「あ、そうだ。明日から、また新しいメイドさんが増えるらしいのだけど、サキさんはこの情報知ってました?」


「えっ!!?」


どうやら知らなかったようだ。


「もし知ってらしたら、今日ここで話した私の情報、その方にも伝えた方がいいかと思ったのですが…。」


「んーーー。」


これはちょっとためににわざとこの情報をサキにみた。

もし、私と同じように伝えるとしたら、先が私にしていた心配は本心である。そうでない対応したとなると…私はサキとの関係を見直さないといけない。


「多分、大丈夫だと思う。」


「え?」


なんか違う…。


「もし、仮に伝えるにしても、まだもっと先でも大丈夫だと思う…。

いやもっと先の方がいいかと思う。」



ちょっと待って!?私にはあれだけ焦ったかのように必死で伝えようとしてきたのになぜ?

対応がさっぱり違っていたのには驚きだった。


そして…


「どちらにしても、あなたはまたここに訪れるでしょう。だから、これ渡しておく。」


ここでサキさんから名刺をもらった。


陽だまり探偵事務所

中川サキ 1982年6月12日生まれ O型

携帯番号 0X0 XXXX XXXX


私より二つ上の23歳らしい。(*ここは平成中期が舞台です。)

その名刺にはご丁寧に顔写真まで着いていた。


「なんか、星子ちゃんまだ私のことどこか疑ってる感じするから、これ渡しとく。

まぁいきなり言われても信用できないよね。

なんならこれ、二央に見せて確認してもいいよ。どちらにしても私は二央の本物の姉だから。」


まぁここまで行けば本物と信じるしかない。



「あとこれ見て、」


「これって…。」


「多分、二央にもあると思う。」


先の右腕には、きれいな形した三日月のあざがあった。


「月城の血を継ぐとこれと同じあざが現れるといわれているんだ。一族ならだれもがそれが本物か偽物か見抜けるぐらいに、ホントに全く同じなんだよ。ふしぎでしょ?」


そこまで言われてしまうと、信じるしかないけど、

一応は二央に確認してみようと思った。



そして、帰ったらとんでもないことが起っていた。


なんと今日はすごい飾りつけまでして、いつもよりはるかにすごい豪華な料理が並べられていた。


「今日は身分関係なしの無礼講なパーティ。」


らしかった。

この時ばかりはメイドたちも料理人たちもパーティに参加していた。

お料理は今日ばかりはすべて外注で頼んでいた。

だから、今日ばかりは誰もが大食堂にて、自由に食事をしていた。


そして使用人までもが、本日だけ臨時で雇ったスタッフだそうで、主に片づけや撤収等をやってくれるらしかった。



こんな日はここに来て初めてだったので


「ねぇなんなの?このパーティ?」


「ああ、誕生会だよ。」



「えープレゼント何にも用意してないよーーー。」


「まぁそんなことはいいから、これ。」


二央にいろいろ聞いてみようと思ったら、いきなりクラッカーを渡された。


こんな派手なパーティだから、

まぁ主役は主の月島さんと思ったら…。


「主役のキキちゃんが来ましたー。拍手でお出迎え下さいー。」


ああ、ここの小学生コンビの一人のキキちゃんかー。


「佐久間キキです。今日で10歳になりました。」


本人の挨拶とともに



「おめでとう!!」


という掛け声とともにクラッカーが一つはじけた後に次から次へと、私含めてみんなでクラッカーを鳴らした。


そしてその合図とともにバースデーの歌をみんなで歌い。

キキはケーキの上の10本のろうそくを消した。



「いぇーい!!」



パーティは無事に楽しく過ごせたが、一つだけ違和感があった。

誰もキキにはプレゼントを渡している者はいなく、プレゼントはただ一つステージの上に飾られているものだけであった。聞く話によるとそれは明日の朝にキキがあけて発表するという決まりごとになっているらしい。


これもまた月城家の掟の一つだという事としてその時は自分の中で片づけていた。



そして次の日の朝。

今日は春休みであろうと寝坊は許されないとのことで、食事の時間きっかりに起きて食堂に向かった。


食堂にはもう私以外の人はみんな席についていて、屋敷中のスタッフ全員がすでにそろっていた。今日はなんと月城専属のボディガードたちも全員来ていた。


なんかすごい大げさなとは思ったが…



私が来てすぐだというのに


「みんなそろったみたいだね。」


なんか私は遅刻してきたみたいでいやだった。


「では重大発表がある」


ああ、そういえば今日新しいメイドが来るんだっけ?

多分それかな。

私の時は、もうほんとあっという間の紹介だったのに、メイドの場合は違うのであろうか?



「さぁこちらへ」



月城がドアの向こうにいた人物を呼んで、その人物が着たとたん息が止まった。




「本日よりここでメイドになった。佐久間キキ君だ。皆サポートの方頼んだよ。」



「!!!?」


え?まだこの子小学生よね?いったいどういうこと?




「月城の家の女子、10歳よりこの家に仕えるべし。」




誰が言ったかも確認取れなかったが、確かにどこからとなくそういう声が聞こえてきた。

つまりはだ。これも月城家の残酷な掟だったわけだ。

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