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キンキン名乗るぜ。仕方なく。

兄の結婚破談後すぐのこと。

不謹慎かもだが、私には彼氏ができていた。


きっかけはあまりやる気になってはいなかったが、なぜか今年は学園祭の実行委員会に指名されて、やることになったのだ。


そこにも…


「白土さん。やっぱり白土さんだよね?なんで君は…」


何とまたよりにもよって大黒は同じ学校にいた。

それも私は今となっては琴金に戻っており、今更白土呼ばわりされるのもまた面倒な話。


ただ、大黒とは学部は離れていたのが大きな救いだった。


「なぁ君、彼女迷惑がってるじゃないか?どういう関係だか知らないけど、彼女明らかに迷惑そうにしてるけど?」


そこへ、なんか助けが入ってきた。


「え?そうなの?」


私は速攻で首を縦に振った。

そうだ!こっちはお前とは関わりたくないんだ。


「らしいぞ。」


「ちょ、そんな冷たいこと言わないでよー。小学校の時からずっと同じ学校じゃないかー。」


うわーっそこまで言うかよー!?

いくらずっと同じ学校だからと行って、もうほとんど関係なくね?

それをわざわざかかわるって、どれだけ他人に依存しようとしてるんだ?こいつは!?


「えーマジかー?それは運命感じるはなー。」

「そうよねー。それって結構ロマンスあるわー。」

「それはぜひとも応援するねー。」

「へーツンデレ彼女と幼馴染ってとこかーおもしれーw」


と同じ実行委員になった子たちから、いろいろ誤解された。

ほらー、せっかくこいつと縁が切れるチャンスだったのに、要らんこと言ってるんじゃないよっ!

ホンっと迷惑ったらありゃしない!


「私、こんな人知りません。人違いです!なれなれしくするのやめてください!」


とこの際絶対に関わりたくないからきっぱり言った。


「え?でも白土さんだよね?別人名乗るにしても無理があるんだけど?」


本当にこいつとは関わりたくないから、あくまで別人として知らを通すことにした。


そしたらだ…。


「黒さん…。もうやめとこう…。」


といういさめる声がした。

後ろから金髪で一見チャラそうな男が大黒を止めていた。


黒さん?この言い方…?


「わかったよヒビ…。」


今大黒は相方の金髪男のことを今確かに「ヒビ」といった。


これってまさか…?日比野?日比野敏美??


私は内申晴天根へきれきだったが、ここでそんな反応見せたら、まずいと思ってなるべく平静を装った。


が遅かった・・。


日比野は完全に私のわずかな反応を見過ごしていなかった。


どうしよう?まずい…。


今回は大黒だけじゃなく、日比野まで同じ学校に来てるとは思ってもみなかった。

まぁ確かに日比野も最後のクラスは違うクラスになっていたが、一回だけ30番台を取れていたので、追いつこうとすれば挽回できる位置にはいたおもう。


そして…今年の実行委員同士の自己紹介タイムが来た。


「心理学部2年、日比野敏美です。よろしくお願いします。」


どうも日比野は一浪してここに来たらしい。


それも心理学部って…。本来なら、心理学部には他人の気持ちを理解してくれそうな優しそうな感じの人が来るように思える。がやっぱりここの心理学部にに来るような人にまず、そんなお人よしなタイプはいない。


どう考えても、日比野みたいに人の気持ちが判らなさそうで冷淡で、まるで機械みたいなタイプの方が多かったりする。


こいつどんだけ人の気持ちを知りまくって、人の気持ちを弄んで、人を見下そうとしてるね?と聞きたくなるような学部チョイスか?


と自己紹介を聞いてそう思えた。


そして…次は日比野の隣にいた…


「同じく心理学部3年、大黒鈴太。黒と読んでください。ここにいる日比野とは高校だけ別だったけど、小3からの付き合いがある友人です。よろしく。」


大黒の紹介だった。



「ん?先輩と後輩か?」


「ううん、一応同い年。」


「あ、僕は一浪で入ってきましたから。」


「あーそうだったんだ。」


ここでも、この二人はなんも包み隠さずな状態だった。


ホント地方の田舎者丸出しなノリに私はついていけない。

ていうか、こんな奴らと一緒にされたくない!と思った。


私はあくまでこいつらとは他人のふりをすることに決めていた。

と言ってもどうするかね?


自己紹介も、もうすぐ自分の番になってしまう。

まぁ一応、琴金という苗字には違いないから、琴金を名乗るとして名字だけで名乗ろうか?

でもな…細かすぎるあいつらのことだから、名字だけ名乗って終わらせようとすると「下の名前はなんですか?」なんてすごい野暮ったい質問をしてくるのは目に見えている。


もしそんなことになってしまえば帰って目立ってしまって、余計に自分のターンを引きずることになる。あくまで目立たず素早く簡潔に終わらせたい。あの日比野の時みたいに。



どうしよう…。


「じゃあ次は君」


ついに自分の番が来てしまった。

落ち着こう…。

私は少し深呼吸をした。


「経済学部3年、琴金曜子です。よろしくお願いします。」


と堂々と自己紹介してやった。

今回、咄嗟に曜子の名前を借りてしまったが、まぁいいだろう。

まぁ大黒と日比野は予想とは反していたせいか何も声が出せなくなっていたが、他の人にはなんも違和感がなく受け入れてくれた反応だ。

そしてうまいこと次の人へと簡単につなげることができた。


なんとかうまくごまかせることができた。


実行委員の仕事をしている間も、なるべく大黒や日比野とは別のグループに入り、なるべくかかわりがない仕事を選んだ。


そこで知り合ったのが、同じ学年の法学部の来海君。実行委員長でもあり、最初に私のことをかばってくれた人である。


「君なかなかやるねー。そっちの方が効率的だし、今回はこれ採用するよ。」


と私の案を採用してくれたことは何よりもうれしかった。


そして、親密度もすごいいい感じにはなってきていた。

親しい人ができたという意味で嬉しい半面、困ったことがあった。

おそらくこのままいくと付き合うことにはなりそうなのだが、私は来海くんにも曜子と名乗ってしまったのだ。問題は偽名を使ってしまったことをどう言い訳するかが悩みだった。



そんな時だった


「嘘をついてしまって苦しいんじゃないんですか?」



振り向けば日比野がいた。

いつの間にやら、髪の色は黒く戻っていた。



「大丈夫ですよ。黒さんには黙っておきますから。」


すでに気づかれていた。



「というか、ここに来た去年からすでに気づいてましたよ。まぁいつのまにか琴金さんになっていたのは本当の事でしたね。黒さんも入学式の時に名簿見ただけでは判らなかったわけですね。」


もうなんなん?こいつ??


「まぁいいや。こんなことを聞きに来たわけではない。」


「?」


一体何が知りたいいうんだか…。


「なぜ、僕たちのことを避けるのですか?」


「!!?」


ホント、どストレートに聞いてくるんだなーこいつは!?


「能丸さんから何か聞いたのですか?」


まぁまさにその通りなんだが…

それはそうと今更だけど、能丸から言われたままに避けてきたものの正直、こいつらとなんで関わらん方がいいのかという理由は能丸から直に聞いてない。

でもなんかわかるんだよ。少しでも関わると即身内認定されて、めんどくさいという事。そしてこいつらにはそう認定されると距離感がないという事。ぐらいは…。


「あのさ、あんたたち何がしたいの?もう私は関係なくない?」


何を聞き出すと思えばそれ?


「どうして、あなたはそこまで亮子さんのことを嫌うのですか?」



「嫌うって…」



亮子のこと?

そりゃ最初はまぁ曜子よりかはマシだとは思っていたよ。

で亮子が顔はイマイチでも男子ウケが良くて、女の子たちからやっかまれていること知った時はびっくりはしたけど、その時辺りはそこまでは嫌いではなかったよ。

でも、亮子がそこでいい気になりだして、男子にはお姫様扱いは当たり前になったころ、私も他の女子からいろいろ苦情を受けた時はさすがにイヤになりつつあった。それでもそんなことはどうでもいいとさえ思っていたし、むしろ亮子とは関わったら負けだとは思っていた。


そこでまぁ亮子と一緒につるんでいた大黒や日比野もついでに関わらん方が無難だと思って避けていただけな結論でしかないのだ。


だからまぁ亮子のことは嫌いとかではなかったんだが…。


亮子のことを本気で嫌いになったのはもっとあとのこと。中3になったばかりの時…


宮沢や能丸のことを奪ったことなどどうでもいい。


亮子目線、宮沢や能丸を奪ったつもりでいるのだろうけど、私はどちらにも恋愛感情いうものはなかったから本当にどうでもよかったりする。


あの後結局、宮沢も能丸も亮子とは付き合わなかったと聞くが、そこもまたどうでもいい。


許せないのは、亮子が私を知らないおじさんに売り飛ばしたことだ。


私はまだ売られる前に、特に好きではなかったけど、まぁそれなりに女慣れしたイケメンに何度も抱かれていたから、開き直るのは早かっただけだが。人のことを売ってまで、他人を陥れようとしたことは人として許せない。日比野はこのことを知っているのだろうか?


「まぁ琴金さんも許せないでしょうね?」


ん?まさか知ってる?


「亮子さんの男受けの良さで嫉妬してるんでしょ?」


は?

まさにそれだった。もう、亮子の悪行を暴露してやろうかと思った時だったが、いっきにいう気はなくなった。仮に行ったとしても下手したら自分が売られたという事をこんな奴にバレるのは、やっぱり嫌なので言わんでよかったとサラッと思えていた。


「なんで我々が亮子さんとばかり一緒にいるかわかりますか?」


「!?」

そうそれだ。ホント意味わからない。


まぁ亮子は男から軽く体を触られても流し方はうまいし、セクハラも笑顔でスルーするところはある。

そこはおそらく亮子の強みだと思う。

だが、ただ単に軽い女だと飽きられてしまうのは当たり前…。



なぜだろう?




私はホントに言いたかった!



(「簡単に体触らせてくれるから!(もしくは簡単にやらせてくれるから!)」)


なんてこと!!

でもとてもじゃないけど言えない。


「さ、さぁ…。」


ってもう亮子の手練手管なんざ知りたくもないって感じだったが…。



「亮子さんがいっぱい話を振ってくるからです」



それ?



なんかそれって自分がないみたいじゃん。いやはや亮子なんてどちらにしても中身が空でなんもない女だけど、たったそれだけ??まぁ男からすれば、自分を立てて話を聞いてくれる女って楽なんでしょうね。



「あ…っそ。」



もう何も聞く気にもなれん。



「僕はなんも知らずに同性を嫉妬しているあなたを含める女子のことが大嫌いなんです。」


「で?その君が好きだと思っている君の幼馴染のなんだっけ?何とかちゃんとやらはそういう子ではないと?」


そうだ!こうなったら亮子みたいにこいつにも思いっきり話を振ってやろうではないか!!




「え?いや…その……そういう事では………なんでそれを?」



「お前さ、幼馴染と亮子と私のどれがマジで大切なん?」


「え?」


「お前の言ってること。マジで意味わかんないんだけど?いったい何?


お前にとって幼馴染って何?亮子って何?私って何?いってみな!!」


ああもうめちゃくちゃになってきたが、いいや。



「えっ…と、

幼馴染は…大切で信頼できる存在なのですが…女とは見れませんね…。


亮子さんは…いつも話を振ってくれて…話しやすくて安心できる存在で…同性受けはよくないですが、付き合いやすいとは思いますね…。


そして…琴金さんは…こわいです…。」


「へぇーこわいんだーなんで?」


まぁ、こわいんだろうね…。

キレるときはホントにキレるから…。


「はっきり言って隠し事ばかりを抱えてるというか、いつも何かにおびえているというか、本心がまるで見えてないんですよね。」


まぁ当然だ。


「それでいていつ爆発するか判らない爆弾みたいな存在で、亮子さんも不信感を募らせているというか…。」


ホンとここまでくると私よりも亮子の方が、男に対して本性隠すのがうまいとしか言いようがないのだが、

というか、おそらく亮子は同じ学校の男子から、自分の本性を隠すために自分に敵対心をもって攻撃してくる女の子や、自分のことをかぎつけてきた女の子や、無理に自分の近くに近寄ってきた身近な女の子に売りをさせたかのように思えてきた。


そこを考えるともう言いたいんだけど、やっぱり言えないんだよな。私も亮子に売られた身だから。いえば言っただけ自分が惨めになるだけ。そして目の前にいる男は事情はよくわからないが、他人に心理戦を吹っ掛けてまで、他人を傷つけてまで追い込んでいるっぽい。



「お願いです。教えてください」



「ん?」



「亮子さんが女子に売りを斡旋してるかどうかについて、何か知っていることはありませんか?」


知っててそういう回りくどいことを?


「なにそれ?」

ここは冷静になんも知らないふりを貫こう。こういう性格の悪い奴にこれ以上情報を与えてもろくなことはない。



「僕が聞く限りだとそういううわさが流れてきたのですが、本当なのでしょうか?」



「本当も何も?誰からそんな変な噂聞いたの?」



「小高多弥子。」



ああー小高多弥子なら亮子に売られたことがあるという事で裏では割と有名だ。

てか小高さんって、自分からそれ暴露してるの?なんかふつうあり得ないんだけど?まぁ元から、変わった子だとは聞いたことがあったものの、まさか自分が恥をかいてまで簡単にばらすなんてこと普通の女の子なら絶対にやらない。


なるほどね。


小高多弥子みたいな変わった奴が言っていたから、信じられないと。


それで亮子の身内である私なら、多弥子よりかはかなり信じられるから聞いてきたと。



甘いね。



私はあんたが思っている通りで癪だが、隠し事だらけな女だ。簡単に口を割るかよ!

まぁ確かに聞いている限りだと亮子はおそらく結構な数の女の子を売ってきたようには思える。おそらく多弥子が売られた言うのは本当だろう。


もうさ…おもしろいから…


「知らないねー」


としらを切り切ってやろう思ったが…。


「というか…


私と付き合ったら、教えてあげるよw」


なーんて心にもないこと言ってみた。



これは賭けだった。

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