キンキン実家に帰りますw
あれから…
私はなんと、あの文化祭の一件を終えてすぐ、琴金家に戻っていた。
一応、名前は白土のままだが、琴金の家に無理やり連れ戻された。
理由はお察しの通り、私の素行の悪さが原因です。
若干人間関係で摩擦はあったとはいえ、実家や自宅よりかは平和な寮生活送っていたが、文化祭では出にやらかしたせいで、寮を追い出されてしまったのだった。まぁ本来なら、安全と言える女しかいない女子寮ではあるが、女相手でも平気で手出しできる輩がそこにいるとなると、それが不安要素でしかないわけだ。だから追い出されて当然なのである。
あの後、寮に戻ると私は同じ寮生たちから、完全に変態扱いやドン引きされていて、だれも私に近寄ろうとしてこなかった。
ただ、私は運がいいことにあんなことがあったとはいえ、1週間ほどの謹慎処分だけで済んだのだった。
まず、一つに成績。私はやっぱり超進学校である学校に入ったとはいえ、成績はそれなりによかった。さすがに目立ってよかったわけではなかったけど、常に全学年250人中50番以内というそこそこな順位には必ず入っていた。それがかなり有利となったのは事実だ。それに比べて岡沢さんは200番以内など、取ったことがなかったらしく、先生たちからの対応はかなり冷遇されていた。
それともう一つは人徳。あまり、友達付き合いとかは避けてきてたとはいえ、私を味方してくれる人がいた。
影山さんだ。彼女は私の弁護を進んで買ってくれていた。あの後先生たちに一生懸命説得してくれたのだった。
それと岡沢さんの取り巻きの子たちも「実は…」岡沢さんのことをあまりよく思っていなかったらしく、影山さんと一緒になって説得してくれていたらしい。
むしろ、「ほとんど捨て身で岡沢のことを黙らせてくれた」と感謝さえされていた。
ホント高校生にもなるとどこの学校にも必ずいるのが、自身の恋愛進展度自慢をして、周囲を混乱させるバカな奴だ。
全国の高校生の誰もがリア充自慢をするうざい奴とうまいこと戦って、意地でも無視し無視されることで、生き抜いているのも事実だ。
こんな過酷な状況で生き抜いている高校生に、教師や大人たちは高校生らしい交際をしろというだけ言って放置な状態であり、放置する割には不適切とか言って罰するのだから理不尽でしかない!
というか本来なにも罪がないはずの生徒にまで被害に遭っているのに、その被害者にすら「巻き込まれるが悪い!」「めんどくさいから喧嘩両成敗!」といういいかげんな裁き方しかしてくれないのが教師たちのやり口だ!
そして私たちがやらかした「不純異性交遊」は本来なら退学であってもおかしくないと、その時はじめて知った。まぁあくまで確定ではなく、私たちの場合は不純異性交遊を臭わせるような発言だっただけだが、いろんな人に醜態を見られたり聞かれたりされた以上はそれ相応の処分は下すとまで言われていた。
まぁ、結構窮地に追い込まれていたのだった。
そして…
「1年B組白土星子、1年D組大黒鈴太は1週間の謹慎処分とする!」
「そして、1年B組岡沢朋美は本日をもって退学処分とする!」
という結果になったのであった。
二人で謹慎処分を食らったとはいえ、一緒に食らっていたのは大黒とだった。
この結果に大黒は
「なんで俺が巻き込まれることになるんだよー!?」
と不満たらたらだったが、
「あんたが女を見る目がないが悪い!」
とここぞばかりは言い放ってやった。
こいつの女を見る目がないのはホントのことだ。
なんでこいつは、岡沢にしても亮子にしてもこうもまぁ毎回イヤな女ばかりを選ぶのであろうか。
大黒ぐらいのイケメンでいい男なら女など選び放題だというのに、選ぶ女はみんな見事なぐらいにカスばっか。ホントこれ謎すぎる。
「あのさ白土、今のはお前にも特大ブーメランだぞ。」
と監視室の先生にも言われてしまった。
あ、そういえば、事実を知らない他の人目線で行けばそれとなるな。
そして謹慎中の今…ここでこれ以上下手なこと言えばバツが増えるだけな気がする…。
どうしようね…
しかし、ここで相手がマッチョで屈強そうに見える監視室担当、時田相手でも、負けるなんてこと私のプライドが許せなかった。
「先生にも言っときますけどね。私は彼氏いない歴=年齢ですが何か!?」
ときっぱり言い放った。
「へーそうなんだ。いや、まいったね…。」
時田もそれ以上は何も言ってこなくなっていた。
大黒に顔を合わすたびに文句ばかり言われたことが謹慎中の中で一番重いことだった。
まぁ謹慎が明けてもやっぱりただでは済まなかった。
私は何年かぶりに実家で暮らすことになって、すごい久しぶりに実家に帰ってきた。
やっぱり定番通り、両親からめちゃくちゃ怒られた。
「お前をそんな子に育てた覚えはない!」
と定番なことを言われた。まぁこれは仕方のないこと。
でもその前に曜子にそれ言えやと思う。
毎回、曜子のやらかしや迷惑については何も言わないくせに私には辺りがひどいのだ。
私もやる時は派手にやらかしているのだろうけどさ、曜子のやらかしだってこっちは同じ身内として恥ずかしくてたまらないのだ。
「まぁ今回はホントよかった。退学になるところだったのよ。」
まぁよりにもよって文化祭で女の子とキスしてしまったのはさすがに目立ったわなー。
「ホンと星子が成績が良くてホントよかった。」
「そうよー。星子の成績が悪かったら、何てこと考えるとぞっとするわよー。」
また成績のことか…。
ホントどこの大人もそればっか…。それだけしか自分の子の価値を測れないなんて、ホント大人は浅はかだ。
「聞いた話によれば、もう一人の子は先生がかばいきれなくて退学になったって話じゃない」
あーあ、また始まったよ…。もうこんな話ばっかりでうんざり…。
まぁホントそれしかほめるとこないのか!?と思えるほどその話しかしばらくはしなかった。
そして、まぁ長々とした意味のない説教ばかりは続いたが、結果としては
一つ、外出は基本、学校以外は認めない。
二つ、授業が終わり次第すぐに家に帰る。
三つ、部活動・生徒会活動等は参加不可。
四つ、今以上に成績を下げない事。
五つ、無断外泊禁止であり、門限は午後六時とする。
六つ、卒業するまで男女交際は絶対に禁止。
だそうだ…。
まぁ門限六時とはいえ、塾やお稽古事の時は除くらしいが、この場合は毎回車で門倉さんが送り迎えしてくれるらしい。
まぁとんでもないほど厳しい戒律を定められてしまったが、これは今まで私がしてきたことを思えば仕方がないことである。
が
七つ、曜子と仲良くすること。
だけはどうしても聞けない!
他はまだ飲めても、これだけは絶対に拒否したい!
「私、曜子とは関わりたくありません!」
ときっぱり言った。
「まーたーそんなこと言わないでよー。もういいじゃん。昔のことは水に流してさー。曜子だってあれから、すごい成長したのよー。だからさーここは星子も少しは寛容になって…。」
昔のことは水に長せだと!?
曜子が成長しただと!?
私が折れて寛容になれだと!?
冗談じゃない!!
「無理だね。」
「星子お前…。」
「すっごく楽しみにしていた林間学校をつぶされたのよっ!!
絶対的に曜子がいないから、ホントに心から楽しめたはずの時間だったのにっ!!
一体どこの世界に自分の子の林間学校までおしかけてくる家族がいるってーの!!
ふざけるんじゃないわよっ!!
そんな恥ずかしいことしてる家庭なんか、うちぐらいなもんよっ!!
私があの時、どれだけ恥をかいたと思ってるのっ!!?
もう、二度とあのクラスの仲間に合わす顔などないほど、恥かいたのよっ!!
いいかげんにしてよっ!!
私は曜子とは絶対に関わりたくないっ!!」
私はそれだけ言って、やっとの思いで帰ってきた実家をまた飛び出して行ってしまった。
「あ、星子…。」
結局、私はキレては家を出る。そんな繰り返しだ。
どこへ行こう…。
あ、そうだ。おばあちゃんのアパート…。
はだめか…。すぐばれてしまう。
その時だった。私はいきなり腕をつかまれて、いきなり路地に引き込まれてしまった。
しまった…。
これまずい?
私の腕をつかんでいた相手は、すかさず私の口を押さえて、
「声を出さない」
とまで命令してきた。
一体誰なんだ?
と思っていたら、
「星子ーーーーーーー!!」
どうやら親がすぐに追いかけてきていたようだ。
父も母も私が建物の狭い隙間にいることに気付かずにそのまま行ってしまった。
って、ある意味助かった…。
はいいものの誰なんだ?私を助けてくれたのは?
「まぁ、お前がやらかしたことが原因で信用できなくなっているとはいえ、またあの曜子を押し付けられるのは理不尽だよな。」
とどこかで聞いたことがある口調…。
「星子久しぶり。」
「栄太ーーー!?」
あの栄太だった。
「しーーーーっまだ油断はできんって。」
あ、そうだった。
「うち来るか?もう話す機会もあまりなさそうだから、ゆっくり話そう。」
という事になった。
栄太はうまいこと商店街の建物と建物の狭い間をすり抜け、だれにも見つからずに
「あ、ここうちの旅館の勝手口だから、ここから入ろう。」
ホントにうまいこと自分の家の裏の入り口まで、私を連れてこれたのであった。
「いいの?」
「まぁ仕方ないさー。それにうちは旅館だから、いっぱい部屋はあるしー大丈夫だー。」
まぁ住処が旅館である、旅館の子とはいえ、商売である宿部屋を使うのはやっぱりいけないのでは?と思えていたが…
「まぁこの部屋だけはなんかよくわからんけど、自由に使っていいって。」
「え、でも…」
「ま、俺たちも友達呼ぶときとかに使ってるし、よほどのことでもない限りは、お客を泊めない部屋だからだいじょうぶだって。」
そんな部屋があるとは…もはやすごいものある。
「ただ、掃除や片づけは使った後はしっかりやらないといけないから、それだけはかなり厳しいけどな。」
どちらにしてもここだけは安全そうである。
ただ、あまりここにも長くはいられそうにもないけど。
「なんかさ、久しぶりに星子が帰ってくるといううわさを聞いて会いにきてみれば、なんかとんでもないきまりばかり言い渡されてるの聞いて、ホントびっくりしたわー。」
「あんた相変わらずね。他人のうちの情報いつでも聞く耳立てて。」
ホントこれに関してはあきれる。
誰かが何も言わなくても、栄太だけは全部知っているのだから。
「でもあんまりじゃないか?あの戒律。せっかく一番楽しい時期なのにあれはないわ。」
そうだそれなのだ。
ただでさえ、厳しいきまりばかり言い渡されたというのに、曜子とも仲良くしろだなんて絶対に無理だ。
「というか、あの瞳が丘高校で謹慎処分食らうなんて、いったいなにをやらかしたんだよー?」
さすがの栄太もそこまでの詳細は判ってないようだ。
「えっと…またあの例のごとく、キレてしまって…。」
「ああ、やっぱりそれかー。お前すごい負けず嫌いでプライド高いからなー。
なんかまた、負けられない戦いでもあったんだなー。」
まぁその負けられない戦いが、今回はさすがに栄太には詳細なことは言えない。
「あはははは…」
「あははははって。お前もそろそろそういうとこ直さないと今回みたいに痛い目見るぞー。」
「んもう、わかってるわよーそんなことー。仕方ないのよー。そういう性分だから…。」
「性分でもなんでも、少しは大人にならないとだなー。」
「わかったわよーこれから気を付けるよ。」
「マジで心配だなー」
「そんなことより、栄太も元気そうで何より。」
「おー、話をすり替えようってかー?うまくなったなー。」
いろいろ積もる話もあって、久しぶりに心から許せる相手と思う存分喋ることができたのであった。
まぁ栄太の作戦はよくわからないが、栄太曰くなんとかうちの母を説得してみるとのこと。
でもまぁ今してることは、さっそく戒律を破ることになってしまうので、とりあえず家に電話することにした。
さすがにもう帰っているだろうと思っていた。
が…電話に出たのは…
「もしもし琴金ですがどちら様でしょうか?」
聞きたくもない声だった。
いうまでもなくキンキン曜子。
ホント相変わらず聞くだけで耳にキンキン響くので、電話越しでそんなに張り切って言うなと言いたくなったが、
「わたくし、白土と申すものですが、お母様はお見えでしょうか?」
となるべくばれないような口調でこちらも対応したが。
「お母さんは今いません!」
うわ、この声もすごい強烈すぎだー。
「何時ごろ、お帰りになりますか?」
「え?わかんないー。お姉ちゃん追いかけていったっきりだからー」
って、最初はしっかりしてる思っていたが、だんだん自分の言葉になってねぇか?
「あ、わかりました。それではお母様の方には白土より、「星子さんは今日は帰れない」という連絡があったことだけでもお伝え願えませんでしょうか?」
「えっ?待って!!?お姉ちゃんが何って?」
「ハイ「その星子さんが本日はおうちには帰らない」という連絡があったとだけお伝え願いませんでしょうか?」
一応なんとか言ってみた。
「お姉ちゃん今日帰ってこないのーーーー!!?」
うわ…なんて大声でしゃべるんだよこいつーーーー!!?
「ハイ、お母様にそのことをよろしくお伝えくださいませ。それでは」
ホントは曜子からの「わかりました」とか「了解しました」という答えを聞くまで耐えようとしたがもう、曜子の声をこれ以上聞くのは限界だった。
だから、もう強制的に切った。
「よし、これで何とか連絡できたな」
「でも、出たのが曜子で親はいないみたいで。」
「んーーー。」
栄太もかなり微妙な反応だった。
「ごめん、私もかなり不安だから、あと二件電話してもいいかな?」
「まぁいいけど…」
私は、風子母さんのところとおばあちゃんの家に念のため電話しておいた。
まぁこれをしておいたことで、何とかこの日の外泊したことは何も問われなかったが、問題の曜子はというと…
「なんかね。お母さんがいない時に変な電話がかかってきて、「お姉ちゃんは預かった!」だっけ?「今日はおうちにお姉ちゃんは帰ってこない!」とか、訳が分からない怖い電話がかかってきた!」
と言って、曜子一人が大パニックだったらしく…
従業員の門倉さんは曜子の暴走を止めるのに必死だったとのこと…。
やっぱり、曜子だ。
さっぱりあてにならん。
ろくなことがない。
風子母さんやおばあちゃんに連絡しておいてよかったーと思えた。
そして栄太がどうやって、うちの母を説得したかはわからんが、あの6つの戒律も、絶対的に守れ!ではなく、なるべくそう意識するように生活することに改めてくれた。
そして7つ目の戒律は
曜子とは無理ない程度に…
に変えてくれた。
無理ない程度にとはいえ、はなっから無理なんだけどね…。
まぁ結局、曜子のいる実家に仕方なく戻った。
今は兄も寮がある学校に行っていないので、なんとか自分の部屋をもらえることができた。
当然部屋には鍵をかけた。
鍵をかけても、ホント曜子は毎日毎日ドアの外で大声出してドアもドンドンドンドンと壊れるかのようにたたいてきて、返事するまで意地でもそれをやり続けるので迷惑だった。
さすがにむかついたので「勉強してるから、声を出すな!曜子を静かにさせろ!」と母に前もってきっぱり言った。さすがの母も勉強に関係あることならという事で、曜子を静かにさせてくれた。
家にいる時は、部屋に引きこもって誰ともなるべく関わらないというスタンスで高校卒業するまでやり過ごした。
まぁ高校生活は、あんなことがあってからというものの一部の人からは変態だと誤解されてはいたが、それなりの仲間にも恵まれてなんとが無事それなりに優秀な成績で卒業できた。
さてさて・・・




