キンキンイロイロ妬まれる
とりあえずなんとか、義務教育の間ぐらいは風子おばさんのところで、いられそうである。
またいつ、親が来て連れ戻されるかわからないので、一応、寮がある学校を視野に入れて考えている。実は兄も寮がある遠い高校を選んで家を出ていたらしい。まぁあの曜子が一緒じゃやっぱり嫌だろうね。
それに実家は金だけはあるから、寮の代金払うことなど楽勝だろうよ。
一応、今は家には亮子もいるが、曜子ほどうるさくはないのでなんとか耐えられる。それに亮子が私に害を与えるといえば、学校で男子絡みのことばかり。
私が亮子と同じ苗字だから、亮子と間違えられて、私が変な誤解や攻撃を受けたりするのだ。
これホントにイヤになる。
亮子ではなく私に「亮子のことを何とかして」みたいな苦情が飛んでくるのは日常茶飯事。
あれはホントにうざい。
私は基本、男子のことは興味ないけど、亮子が自分の周りを男子ばかりで固めて行動してることが、女の子たちから見れば、面白くないらしい。女の子たちの気持ちは判らんでもない。
だが、それを私に言っても何にもなんないのでだ。そこを彼女たちは理解してないことに困っている。
ホントに、そんな見る目がない男が好きなら、サッサと亮子から奪っていけばいいのに。
この年頃の女子は無理なんだろうなー。
まぁ興味はなくともだ。
能丸の事。
まぁ関係的には、ただの準友達となった。
何だ?それ?かもだが、
ああなってしまって関係が崩れた以上、普通に友達と呼ぶのはなんか違うし、かといって完全に無視するのも大人げないので、その関係で落ち着いたわけだ。
まぁ手を出したのが亮子だったので、そこがどうしても許せないくてね。
それに好きでああなったわけでもなければ、だからと言って深い関係になってもそういう感情は少しもわいてこなかったので、それが妥当だと思う。
そして私は中学3年生となった。いよいよ受験の年である。
中学受験の時は亮子に邪魔されて失敗したが、今度こそは邪魔されるわけにはいかない。
そして私の中学生ライフも邪魔されるわけにはいかないので、クラス替えもいいクラスになるといいなと思っていた。
クラス発表を見るとなんと!
私は1組で亮子は7組。
端と端のクラスで見事に離れたのは本当にラッキーだった。
ただメンツを見てみるとすごいことに気が付いた。
大黒鈴太(5位)
影山満里奈(8位)
宮沢太暉(14位)
そして、前回1位の私…。
がいるとなるともう学年トップだけをあからさまに集めたクラスであることがもう丸分かりである。
高校ならこういうこともあってもおかしくはないと思うが、普通に公立の中学で、学年順位順にクラス分けって…。
とかなり疑問だった。
でもかといって、他のクラスはそれなりに均等に分けられているらしく、一応そういうことに関しては考慮しているらしい。
それでも私は亮子の学年順位は後ろから40番以内にいるという事だけは知っている。
だから最初はホントに成績順で分けられたと思ったらそうでもなかった。
去年、最後の学期末テストで41位だった子が確か7組にいたので、さすがにないとは瞬時に思えた。
ちなみに50位までは2年生の時までは張り出されるのです。3年になってからはデリケートな問題になるので、個別に発表されていきます。
まぁ結局、1組は優秀クラスとこの一年、同じ教室で張り合っていきそうです。
多分競うことによってより一緒刺激をかける方針なんだろうなという事で受け止めた。
ただ問題は…。
「委員長のことだが…。」
「…。」
こういった賢い子ばかりが集められたクラスとなると、だれも立候補などしないのがお約束。
小学生の時からずっと、成績のいい子=しっかり者というカテゴリーに入れられて、さんざん役員やりっぱなしな子が多いので、だれも手など上げない。
「白土さんがいいと思います。」
といきなり、推薦されてしまった。
またかよ…。
さすがに受験の年に委員長はやりたくないぞ。
「申し訳ないですが、辞退したいです。
私は、ここはあえてこの学校に入ってから一度も役員をやったことがない人に経験させた方がいいかと思います。」
という意見を出した。
それさえ言えば、去年委員長をやった私は絶対的に免除されるであろう。
「えー」
結構、非難されてしまったが仕方のないことである。
「そうか、じゃあこれまでに役員やったことがないのは誰だ?」
いうまでもなく誰も手を挙げなかった。
まぁ当然のことだ。
こんな受験の一番大事な時にこんなめんどくさい役など誰もやりたいとは思わないであろう。
まぁこの年で委員長をやりたがるのは内申稼ぎのバカだけであろう。
「はい。」
「どうした影山?お前は生徒会だろう?」
「そうじゃなくて私は大黒君がなにも役員経験がないことを知っています」
なるほど。
こういう時こそ、大嫌いな奴に役員を押し付ける方法か。
「よしじゃあ、男子の委員長は大黒で決まりだな。」
大黒は自分の隣に座っている影山を一瞬すごい勢いで睨んだ。
不意打ちで指名されたとなれば、気分はよくないであろう。
それでも大黒は
「まぁいいですよ。ただ、皆さんが協力してくださるのであれば受け入れます。その方針でよろしければ拍手でお願いします。」
とのことだった。
これって…、まさかね…。
と私は一瞬疑問に思ったが、クラス中拍手喝采のあらしとなった。
おそらくこのクラスの中で奴に拍手してなかったのは私ぐらいなものだろう。
私は大黒のあの挨拶がなんか引っかかって素直に拍手はできなかった。
とりあえず男子は決まった。
が問題は大黒は男子である。
男子が決まったからと言って、私たち女子はなんも解決などしていないのだ。。
「………」
「………」
「………」
あいかわらず、だんまり状態だ。
先生もしびれをきらして
「仕方ないなー。じゃあもう、めんどくさいから、じゃんけんと行くかー?」
「えーーーーーっ!?」
さすがに女子たちは不満の嵐だった。
「でもまぁお察しの通りこのクラスだったら、結局誰がやってもうまくできると思うし、大丈夫だろう」
と担任が言った時、
「でも私は生徒会長なので、二役は無理です。」
と影山。
「あ、そうだな。じゃあ影山と吉川は免除な。」
なるほど、影山さんにはこういう裏技があったわけだ。
だから、絶対に自分は選ばれないし、大黒との接点はないと最初から踏んでいたわけだ。
なんかせこい。
結局…
私は担任主催のじゃんけん大会に負けた。
この一年大黒と一緒に委員長をしていくことになってしまった。
「まぁ委員長と言っても、3年はほとんど1学期までしか仕事がないから、それまで何とか頑張ってくれ」
とのことだった。
それでも一学期までとはいえ、大黒と向き合っていくのはめんどくさそうだ。
「よろしく、白土さん。」
「あぁまぁ…」
「そんなイヤそうな顔しないで、なってしまったものは仕方ないんだから、まぁやるだけはやってみよ。ね?」
「…」
いや…委員長が嫌というわけではなくて、あんたがめんどくさそうなんだよ。
「あ、そうだ。僕、7組の白土さんとも仲がいいこと知ってるよね?」
知ってるも何も、それはもう学年中の誰もが知っている超公認カップルじゃん。
「まぁ仲間うちでは彼女のことをみんなリッティと読んでるのね。」
リッティってwにあわねーw
てか能丸はそうは呼んでなかったぞ。
あいつは亮子のことは、あくまで「白土」呼ばわりだったぞ。
確かにあのメンツでイカレテるのは、能丸の言う通り大黒だけのようだ。
まだ「りっちゃん」とかならわかるけど、どうやったらそういう発想にあるんだか…。
「同じ白土さんだと分かりにくいから、君のことは星子さんでいいかな?」
は?いやなんですけど?と言いたいが、
「悪いけど、あなたからファーストネームで呼ばれたくありません」
「え?」
「私のことはあくまで「白土さん」と読んでください。では。」
「え?ちょっと…」
私はあくまで大人な対応をした。
大黒はまだなんか言いたげだったが、知ったことか!
これ以上、こんなのに構ってられない。
私は私の時間を有意義に使うまでだ。
そして私は大黒には絶対に深くかかわるまいと思った。
が…
「白土さーーーーん」
奴はしつこかった。
「もう、勝手に先に帰らないでよーーー。そのせいで全部僕がやることになって大変だったんだからねー。」
一体何なんだ?と思った。
昨日、代表委員会で終わったと思って、だれよりもいち早く教室を出ていったら、まだなんかあったらしくて、その件についての仕事を手伝ってほしいとのことだった。
もうマジでいや…。
去年はそんな仕事なかったはずなのに…。
「あのさ、君さリッティとあまり仲良くなさそうだけど、まさかそれが原因で俺のこと避けてるわけ?」
「あなたには関係ない」
「ちょっと…」
そんなやり取りをしている時だった。
「あークロリンだー。」
クロリン…。
ホントこいつらって変…。
「リッティー」
亮子を見た途端、大黒はさっきよりも顔が緩んでいた。
「どうしたの?わざわざ来てくれたの?」
「うふふふふ・・・」
もう、目の前ですっごいいちゃつきようだ。
まぁちょうどよかったから、ここは亮子に擦り付けて私は行きますかー。
と思った瞬間、私は亮子に腕を組まれて
「ごめんねー。用があったのは星子ちゃんの方なのー。」
え?
「私たち今日、一緒に帰ると約束していて…ねー?」
私はなんも聞いてないが…。
「もークロリン誤解してるってー、私たちこんなに仲いいのよー。」
ああ出た。亮子の取繕いブリッコ…。
「そっかよかったー。星子さんの方、俺にはすごいよそよそしいから心配しちゃった。」
さすがに二人同時に目の前にいるので、断られたとはいえ、さすがに大黒もこの時ばかりは星子と呼んでいた。
「じゃあ、私たちちょっと用事あって帰るから、今日はごめんねー。」
とそのまま亮子に引きずられるかのようにその場を去った。
一体何だったんだろう?
亮子は私に何か用があるかもだが、私は亮子にはなにも用はない。
早く帰れるなら、もう何でもいいがなんかそう簡単には済まなさそうな予感がした。
「ごめん。これからさ、どうしても星子ちゃんに付き合ってほしいところがあるんだ。」
まぁ亮子は私のことは一応「星子ちゃん」と呼んではくれている。
亮子の言葉遣いそのものは、そこまで悪くはない子であるのは言えている。
でも亮子はもうかれこれ3年ぐらい一緒に住んでいるがホント判らない。
連れていかれたところは、なんかすごく古い民家だった。
「こんにちわー」
「おやー今日は友達まで連れてきたのかい?」
「うん」
「じゃあ上がってさー、あとでお茶もってくでー」
古くてちょっと広めの民家には、一人の老婆がいた。
なんなんだろう?
私は奥の和室の客間まで連れていかれた。
私は亮子とその部屋に入ってカバンなどの荷物を置いた。
「あ、私ちょっとおばあちゃんのお手伝いをしてくるから、ここで待ってて。」
と言って亮子は部屋を行ってしまった。
一体何なんだろう?
何で亮子はこんなところに…。
そのとき、思いっきりふすまが開いた。
亮子かと思ったが
「え?あなた誰…?」
そこには小汚い中年の男がいた…。
半端なく不気味な笑みを浮かべている…。
…その日………私は人として……
……いろいろなくしてしまった………。




