2021.10.01.『夕焼けの見える体育館』と『携帯電話』のご飯を食べる話
初出:2021.10.01.(金) Twitter
お題:夕焼けの見える体育館 が舞台で『携帯電話』が出てくるご飯を食べる話を4ツイート以内で書いてみましょう。
タグ:現代,高校生,幼馴染,青春,部活,
【1/4】
携帯電話で誰かと話をしていた幼馴染は、通話を終え、パタパタと足音を立てて体育館へと続く渡り廊下を歩いてくる。
「涼平、部活終わり?」
胸に抱いたダンボール。背中にはリュック。いつも何か抱えてるやつだな、と毎度のことながら感心する。
「あぁ。今日は生徒会が明日の準備で体育館使う
【2/4】
から早く終わった。おまえは?そのダンボール、何?」
「これ?生徒会のお手伝い。森くん、もうすぐ来るって」
ふーん、森ね…。
「手伝ってやるよ。貸して」
ダンボールを預かり、円香を追いかけてきた森らしき姿を確認する。夕焼けに浮かぶシルエットは、俺を見た途端に立ち止まる。
「なぁ、
【3/4】
腹減った。何か食うもんない?」
「ん?お昼の残りでいい?おにぎりならあるよ」
円香は、体育館の入り口で立ち止まり、背負ったリュックの中から保冷バッグを取り出す。そこから顔を覗かせる、ちょっと歪な三角形。
「食わせて」
大きく口を開ければ、円香がぷくっと頬を膨らます。
「座って
【4/4】
食べなよ」
「腹減った。今食いたい。ほら、早く」
「んもー、仕方ないなぁ…。はい、あーん」
口に押し込まれたおにぎりを半分ほど食いちぎる。梅干しの酸味が染み渡る。
「へへー。美味しい?今日のは私が握ったんだ」
得意げに俺を見上げる幼馴染の後ろで、生徒会長が肩を落とすのが見えた。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
※こちらは拙作『幼馴染と夏の終わり 〜草食系男子が本性を明かすとき〜』の過去エピソードとしてもお読みいただけます。
本編 → https://novel18.syosetu.com/n1386hf/
(ムーンライトノベルズ掲載のため、18歳以上の方限定です!)




