2021.10.19.『青空のまぶしい体育館』と『水たまり』のご飯を食べる話
初出:2021.10.19.(火) Twitter
お題:青空のまぶしい体育館 が舞台で『水たまり』が出てくるご飯を食べる話を3ツイート以内で書いてみましょう。
タグ:現代,高校生,青春,両片想い,妄想系ヒロイン
※読者様の中に同姓同名の方がいらっしゃったら申し訳ありません。悪意は勿論ありません。太田自身、本名は、ある名字の方と結婚すると別の意味になってしまうので(;σ .̫ σ)
【1/3】
「何聴いてんの?」
イヤホンを指差して、口パクでそう問われる。私は渋々耳を解放し、「受験英単語」とだけ答える。
イヤホンを戻そうとした手を、彼に抑えられた。
「隣、いい?」
昼休みの体育館横。人通りもなく、太陽光を存分に浴びて光合成気分だったのに。
午前中の雨の名残り。水たまり
【2/3】
が光を反射する。
返事も待たずに彼は隣に座り、購買で買ったらしい惣菜パンの袋を破る。
「気まずい?」
図星を刺され、一瞬怯む。私は昨日、彼からの告白を断ったばかりだ。
「でも、俺、諦める気ないよ」
パンを頬張りながら彼が言う。
「それどころかますますやる気になった」
不遜な笑み。
【3/3】
「マリが告白断ったの、俺の名字が水田だからだろ?」
弄ばれる紙パック。
降り注ぐ太陽。
「結婚して『みずたまり』になるのが嫌ってことは、結婚する気、あるんだ?」
慌てて視線を逸らすが、一拍遅れた。水田くんが空いた手で私の手を繋ぐ。
「ねぇ。俺が婿入りするから、俺と付き合って?」
お読みいただき、ありがとうございました。




