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外に出られない

音楽を聴きながら書いている。

「その魔法、どうやって出したんだ?」




「えーっと、指になんか、こう、集中すると、なんか靄ってなるから、一気にそれを押し出す感じー。」




男は困惑した。




「できない・・・」




「当然だー!これは私たちだけが使える魔法なんだからー!」




「そんな・・・」




(せっかく異世界に来たのに・・・魔法が使えないなんて。)




「でも、ダンジョンマスターだから、強い魔法使えるはずだよー?」


「そうそう。」


「できないの?」




「そう、なのか?」


(俺の頭よ、魔法の使い方を教えてくれ!)




だが、いくら男が強く願ったところで、魔法を使う感覚というのはその個体ごとに大きく違うのだ。生まれながらに魔法が使える環境にいたわけではない以上、その感覚を理解することは難しい。もし、記憶の上書きがなされていれば、そういった問題は解決されていただろう。まぁ、その場合男の人格は完全に失われていたであろうことは想像に難くないのだが。




「そういえば、なんか出せないの?」


「なんかって、なんだ?」


「スライムとかー。」




(え?出せんの?スライムって。)




「私も見たことないからわかんないけど、ダンジョンマスターはできるって聞いたよー?」


「私も聞いたー。」




「悪いが、できそうもない・・・」




「えー!」


「じゃ、じゃあ、もしかしてこのダンジョンって、私たちとお兄さんだけってこと?」




「そうなる・・・」




「ムリっ!」


「弱すぎるよっ!」


「終わったー!」




(くぅ、悔しい・・・が、実際何もできない。俺の頭よ、素晴らしいアイデアを私にくれ!)




どうやら、このダンジョンはここで詰んだようだ。




ぐぅ




誰かのおなかが鳴ったようだ。




「あれっ?ダンジョンマスターって空腹になるの?」




「そうみたいだね!」


「どうでもいいと思うよ!」


「そんなの自分が一番知ってるでしょ!」




(なんか扱いが悪くなった気がする。それにしても、食べ物なんてどうすればいいんだ?)




ぐぅ


ぐぅ


ぐぅ




「あれっ?なんかお腹から音が鳴ったんだけど、どういうことー?」


「もしかして、これはこれは・・・」


「マスターのバカー!」




「えっ、これは、俺のせい?」




「なんかそういうの共有されてるっぽい・・・」


「知らなかったー。」


「仕方ない、ご飯探すかー。」




「お、おう!」




(なんか食べられるのか、これはありがたい。)




「じゃあマスター、何が食べたい?」




「えっと、今はハンバーガーかな。」




「はんばーがー?それってどこにいるの?」




「どこって、買うとか作るとかしないと。」




「よくわからないけど、案内してー。」


「私たち、ご飯なくても生きてられるからわかんない。」


「そこの辺に漂ってる魔力吸収してー、生きてるのー。」


「なぜかお腹が鳴ったけどー。」




「ハンバーガーは食べられそうにないな・・・」




「さて、地上に出なければいけないわけだが。」




「どうするかな。」

流行の曲もいいものだ。

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