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第68話 レオン

「まず最初に紹介しよう、3班に配属となった騎士見習いのレオンだ」


 紹介されてレオンが一歩前へと出る。

 若い。たぶんまだフィリオたちと同じくらいじゃなかろうか。フィリオと顔見知りなのは同じ学校出身とかかな?

 短くツンツンとした金髪は、同じく金髪だったパーシヴァルを彷彿とさせる。その目は深い青をしていて、色合い的にはリーゼロッテに近い。近いからと言って別にどうということもないのだけれど。


「初めまして、レオン・ヴィルソンです。よろしくお願いします」


 レオンは多くを語らずそれだけを言った。

 私たちも同様に自己紹介をした。フィリオも知り合いみたいだが、形式上、一応自己紹介をしていた。


「さて、気づいているだろうが、レオンはフィリオと顔見知りだ。同じシスタスの武術学校出身で、フィリオの1つ上になる」


「では、パーシヴァルとも面識が……?」


「ああ……」


 ニコラの質問に、レオンは悲しげに頷いた。

 なるほど、先輩後輩という間柄か。

 あえてそういう人物を選んだのかな。騎士見習いは何もシスタス出身者だけではないのだろうし。

 いいことなのか悪いことなのか分からないけれど、当人たちはやり辛そうな気がする。


「次にパーシヴァルの葬儀についてだが、明日の9時からこの前のところで行われる。ベルナデット、エレンとリーゼロッテにも伝えてくれ」


「承知した」


「ベルナデット、エレンの様子はどのような感じだ? 先ほど不安定だと聞いたが、実務は無理そうか」


 同じ部屋だからだろうか、ガヴェインがベルナにそう聞いた。


「明日は葬儀もあるしできるのなら休ませた方がいいかと。あのままでは動きが鈍って怪我しかねない」


「そうか……分かった。ではそのようにしよう」


 任務を休むなんて騎士団の規約で認められないと言うのかと思ったけれど、さすがのガヴェインもその辺りは柔軟に考えているのだろうか。あっさりと頷いた。


「でも1人残していく方が精神的に不安定になってしまうのではないでしょうか? 無理そうなら横穴にいてもらってもいいし、僕はデッドラインまで連れて行った方がいいと思うのですが」


 そう発言したのはニコラだ。

 確かに部屋に一人きりというのも余計に塞ぎ込んでしまうだろう。私もニコラの意見に同意だ。

 同意なんだけど、それをここで議論したところで当のエレンがいないのだから意味がないのではなかろうか。

 これはこちらが勝手に判断するよりか、エレンにどうするか決めてもらったほうが本人のためにもよさそうな気がするんだけど。


「僕もそう思います。気を紛らわせる、と言いますか、少しでも他に気を向けた方がいいのでは」


 フィリオもニコラと同様の意見を口にする。


「エレンに選ばせればいいのでは。エレンにとって何が一番いいのかはエレンにしか分かりません」


 アイゼンが言う。そう、それだよそれ。

 たまにはアイゼンとも気が合うようだ。


「まぁ、そうだな。だが俺ではエレンの本音は聞けん。ベルナデットかリーゼロッテか、どちらかが聞いてやってくれ」


「承知した」


「最後に、今後のワイバーンの対処についてだが、ワープリンク前にそれぞれ1人ずつ前衛を置くこととする。その時に誰がワープリンク前に待機するのかは、その都度話し合って決めてくれ」


 確かに、滅多に同じような状況にはならないだろうけれど、警戒しておくに越したことはない。ワイバーン自体は強い敵ではないのだから、人員は足りているわけだし。


「どうせ倒しきれないのなら、最初から全部見逃してもいいんでは……」


 アイゼンがぼそっと言った。

 気持ちは分からなくもない。分からなくもないんだけどそれをここで言っちゃうアイゼンはすごいわ。


「言いたいことは分かる。だがそういう訳にもいかないのは理解しているだろう」


 強くいさめることはせず、ガヴェインは苦笑しつつ言った。

 討伐数の統計も取っているんだろうしな。さすがに3班だけワイバーンの討伐数が0ですなんてなったらガヴェインがヴィクトールに怒られそうだ。


「分かってます」


 アイゼンも、それ以上何か言うことはなく、素直に頷いた。


「ではこれで解散とする」

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