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第42話 任務開始・6

 その後はアイゼンが剣を磨き出したので、それを眺めて休憩は終わった。

 武器を磨くための道具もこの横穴に用意してある。他の人も休憩時間にこうして手入れをしているのだろう。

 休憩後は再び死体処理係へと戻った。私とアイゼンで休憩が最後だったからか、外はもうだいぶ明るい。

 横穴側のパーティーが倒したバジリスクを崖下へと落として戻ってきたその時。


 ワイバーンが1匹現れた。


 音もなく、一瞬で横を過ぎ去っていく。

 慌ててその背中に岩の槍を撃ちこむと運よく尻尾に当たり、ワイバーンはその場で止まった後、こちらへと軌道を変えて向かってきた。

 私たちの方へと急降下してくるワイバーンを前に、パーシヴァル、ベルナ、ガヴェインが剣を構えて立ちはだかった。


「水よ、かのものを打ち倒せ!」


 リーゼロッテの詠唱と共に、ワイバーンの上から滝のように水が落ち地面へと叩き落とした。それと同時にガヴェインがその首を切り落とす。

 リーゼロッテ、よくあんなスピードで動いているワイバーンに神術を当てられたな。すごい。


「よくワイバーンを足止めできたな。シエル、よくやった」


 ワイバーンを解体しながらガヴェインが言う。


「でもたまたまです。あのスピードじゃ複数出てきた場合、迎撃するのは厳しいです……」


「そうだな。だから撃ち漏らしが出る。こればっかりはこちらにも限界があるから仕方がない」


 詠唱を必要とする他のメンバーではきっと間に合わないだろう。5匹も街道へ来るはずだ。正直無詠唱で神術を撃てる私でも撃ち漏らすところだった。


 外が完全に明るくなった頃、初めての任務は1人の怪我人も出さずに終わった。ワイバーンもそれ以降出てくることはなく、リザードマンに至っては一度も出てこなかった。

 4班に引き継ぎ、言葉少なに下山をし、みんなで朝食を摂る。


「さすがに眠い」


 無事に終わった安堵感も相増して誰かがそう口にした。


「風呂に入ったら休め。明日の朝からまた任務だからな」


 ガヴェインが苦笑しながら言う。 

 今日は一応休みということになっているが、今まで任務に当たっていたので休む時間は少ない。本当にちゃんと体を休めないと中々しんどそうだ。


 お風呂には、ガヴェインとセスは来なかった。きっと報告などがあったのだろう、私たちが上がるころにちょうど入れ違いになった。

 部屋に戻りベッドへと入る。ニコラも同じように横になったようだ。


「今寝ちゃったらお昼食べ損ねちゃいそうだな~」


 ニコラが言う。 

 7時に任務が終わり、下山して駐屯地に着いたのが8時、そこから朝食を食べお風呂に入り、今は9時半。


「僕は食べ損ねてもいいかな……なんかどっと疲れちゃった。僕はこのまま寝るよ」


 正直私はご飯よりも睡眠を優先したい。重くなってくる瞼に抗わず、私はそのまま瞼を閉じた。




 目が覚めた。

 気だるい体を起こして窓から外を見る。ここからちょうど見える駐屯地の大時計は15時過ぎをさしていた。ずいぶんと中途半端な時間だ。

 隣のベッドを見ると、ニコラは寝ていた。お昼ご飯は食べたのだろうか?

 私も再び横になれば眠れそうな感じはするが、そうしてしまったら夜眠れなくなるかもしれない。ニコラを起こさないようにそっと部屋を出て、少し運動することにした。


 駐屯地の奥にはちょっとした訓練ができる用の広場がある。そこで軽く運動しようと思ったら先客がいた。

 アイゼンとベルナである。2人は練習用の木刀で打ち合いをしていた。元気すぎるでしょ……。


「よう、シエル」


 アイゼンが私に気づいて声をかけて来た。


「あぁ、ごめん、邪魔しちゃったかな」


「いや、大丈夫だ。お前も一緒にどうだ? シエル」


「そうだな、私も術師相手の手合わせはしたことがない。シエル、付き合え」


 アイゼンの誘いにベルナも同意してるし、何だか断れない雰囲気だ。

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