表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/293

第3話 冒険者ギルド・2

 他の建物同様、ゴシック調のその建物には"ベリシアギルド シスタス西支部"と書かれている。ベリシア、それがこの国の名前のようだ。


 父は自分の家に帰ってきたかのように、躊躇ためらうことなく重そうな扉を開けて中に入っていった。

 後を追って私も中に入る。


 建物の1階部分は開けていた。奥にカウンターがあり、まるで前世で言う役所のように何人かが並んで受付をしている。壁にはびっしりと紙が貼られ、多くの人がそれらを眺めていた。


「こっちだ」


 父に言われるまま後に続く。


「冒険者登録するとまずEランクから始まる。そしてこの辺がEランク用の依頼が貼られている場所だ」


 父の言葉で私は懐から1枚のカードを取り出した。


 これはこの街に入る時に入り口で作った冒険者証で、名前やら種族やらが書かれている。一番下の行にE/0とあるが、これがそのランクを表しているのだろう。


「自分のギルドランクより高いランクの依頼は受けられない。逆に自分のランク以下の依頼はすべて受けられる。今のお前はEランクだから、Eランクの依頼のみということになる」


 まるでゲームのチュートリアルを受けている気分だ。

 Eランクの依頼はさながら初心者クエストと言ったところか。


「何ランクまであるんですか?」


「最高はSだな。E・D・C・B・A・S」


 6段階もあるなんて気が遠くなるような話だ。


「父さんは何ランクなんですか?」


「俺はAだな」


 なるほど。以前は父も冒険者だったと聞いていたので納得だ。


「僕も早くそうなりたいです」


「そうだな。コンスタントに依頼を受け続けた場合の目安として、EからDへは2~3か月、DからCへは半年、CからBが1年、BからAへは3年~5年と言われている」


「なるほど」


 ずいぶんとBからAになる期間に幅があるけれど、それだけ依頼の種類や報酬が豊富ということなのかな。


「Eランクが受けられる依頼は見て分かるようにほとんどが雑用だな。力仕事の方が報酬もポイントも高い。お前は男なんだからこういうので早くポイントを溜めてDになったほうがいいぞ。DになればE以上にモンスター討伐の依頼も増えてくる」


 どうやら依頼をこなすと報酬とは別にポイントがもらえるようで、それを溜めることによってギルドランクが上がっていくシステムのようだ。

 しかしEからDになるのに2か月間雑用をこなさなければいけないってことかぁ。


「思っていた冒険者と違う……」


「まぁ、最初は俺が手伝ってやるさ。例えばこの依頼はシスタスのすぐ近くの森に生息するフィンキーというモンスターを討伐する依頼だ。フィンキーの尻尾を取ってギルドに収めることで討伐の証明になる」


 苦笑いを浮かべながら、父は壁から依頼の紙を取り私に手渡した。


 依頼主:シスタス領主 

 内容:フィンキーの討伐

 討伐証明:フィンキーの尾

 ランク:Eランク以上

 討伐依頼数:20

 報酬:銀貨5枚

 報酬ポイント:30


「これはフィンキーの尻尾を20本持ってきたら銀貨5枚とポイントが20もらえる。この依頼は常にあるものだから、何もバカ正直に20匹だけ狩って帰ってくる必要がない。100や200尻尾を集めてからまとめて報告すればいい。しかも、依頼の達成条件は尻尾を持ってくることだから、自分で狩らなければいけない、という訳でもない。ポイントのためだけにフィンキーの尻尾を誰かから譲ってもらっても違反ではない」


「なるほど……」


 いわゆるフリークエストってやつか。

 前世のMMOで仲間と手分けしてアイテム収集クエストをやった記憶が蘇る。


「これを今から一緒にやりに行く。一週間くらい森に籠れば300は狩れるだろう」


「えぇ!? じゃあ往復する日数も含めて一週間以上はお風呂に入れないってことですか?」


「お前な……まず先に聞くことがそれなのか……」


 父はずいぶんと呆れ顔をしているが、これは死活問題だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ