第30話 任務概要・1
また別の建物に移動し、今回の討伐について隊長から詳しい説明がなされた。
討伐は3交代で行われる。
A:7時~15時
B:15時~23時
C:23時~7時
D:休み
これを1日1つずつずらして行く方式だ。
1日目:1班A、2班B、3班C、4班D
2日目:1班B、2班C、3班D、4班A
3日目:1班C、2班D、3班A、4班B
4日目:1班D、2班A、3班B、4班C
このような感じで3日に1度休みになる。
休みと言ってもその日の朝までは討伐しているのだから、休みと言っていいのか微妙だ。丸1日の休みは実質ない。
駐屯地からワープポイントまでの山登りが片道1時間らしいので、出発は開始時刻の1時間前だ。
討伐時間中に食事を挟む回は、お弁当が用意されるらしい。正直現地で食べてる余裕があるというのも驚きだ。
開始は明後日のA時間からで明日は1日休み。4班は2日連続休みになって不公平に思うかもしれないが、その分1班は3か月後に一番最初に帰れるのだ、と隊長は説明していた。その辺りについては別に誰からも不満の声は上がらなかった。
ワープポイント前は山肌を不自然にくりぬいたように開けた場所になっており、そこで戦闘をするらしい。
飛行系のモンスターは術師が迎撃する、とのことなのだが、あの時にニルヴァも言っていた通り、なかなか難易度が高いのではなかろうか。
まぁ、それで撃ち漏らされた飛行系のモンスターが街道まで来ることになるんだろうけど。
「ワープポイントから出てくるモンスターは4種類だ。1つはバジリスク、これは爬虫類系のモンスターだ。バジリスクだけならDランク1人でも余裕で倒せる」
ヴィクトールの説明に、何となく前世でやっていたゲームの敵を思い浮かべる。きっとトカゲみたいなやつなんだろう。
「2つめ、スネーク。巨大なヘビだ。図体の割に動きは素早い。毒は持っていないが牙が鋭いので注意するように」
うわぁ。ヘビかぁ……。もともとヘビは苦手なのだが、巨大ときたもんだ。大丈夫かなぁ……。
「3つめ、ワイバーン。小型の竜のようなもので、集団で行動している。出てくるときも集団で出てきてそのまま勢いで飛んで行ってしまう。全てとは言わないがなるべく迎撃するように」
街道で出くわしたやつか。
個々の強さはそれほどでもなさそうだった。
ただまぁ、あの速さで飛び出して来たら迎撃が間に合いそうにはない気がする。
「ワープポイント前で戦闘をしなければならないのはこのワイバーンがいるからだ。本来ならばわざわざワープポイント前という危険な場所ではなく、離れた場所まで誘導して各個撃破に持ち込むのが定石だが、そうすればワイバーンを撃ち漏らしてしまう。よって、より安全性を高めるために4人ずつワープポイントの左右に分かれて討伐を行う」
なるほど。
確かに別の場所に誘導していたのではワイバーンは100%迎撃できないだろう。そうでなくても5匹も街道に来たのだ。危険な場所で戦わなければならないのは致し方ないということか。
「4つめ、リザードマン。2足歩行のモンスターだが会話は通じない。滅多に出てはこないが、両手を鋭い刃に変質させる能力を持つ。動きも速く大変に危険だ。水や氷の術は無効化する。術師を優先的に狙ってくるので、この遠征依頼で死者が出る時は大体こいつだ。熟練の二刀流の剣士を相手にしていると思え」
リザードマンの説明に多数の者が息を呑んだ。
今までの3種類とは格別に違う感じだ。相当やばそう。術師から狙われるとかやばい。出てこないことを祈る。
「スネークとリザードマンはバジリスクを餌としている。よって逃げてきたバジリスクを追って、スネークやリザードマンが一緒にルブラからこちらへと来ることが多々ある。気を付けるように」
リザードマンはただでさえやばいのにバジリスクとセットで来るのか……。
誰がバジリスクを相手にして誰がリザードマンを相手にするのか役割分担を決めておかないと苦戦しそうだな。




