第27話 学校・1
A:ベルナデット、パーシヴァル、私、ニコラ
B:フィリオ、アイゼン、エレン、リーゼロッテ
前衛と合流し、ひとまず初日のパーティーはこのように決まった。
他の班も同様に自己紹介とパーティー分けが終わったようで、ヴィクトールの号令の元、出発となった。
デッドライン麓の駐屯地までは3日。同年代ばかりなのでまるで校外学習にでも行くような気分だ。
シスタスからカルナに来た時には整備された街道を通ったが、駐屯地への道のりはそうではなかった。
そうでなはないと言っても、初日の今現在、見通しがいい草原を歩いているのでモンスターが出ることはない。
「暇だな」
そう呟いたのはベルナである。
気持ちは分からなくもない。これではただのピクニックだ。
「明日には忙しくなる。森に入るからな」
真剣な表情でパーシヴァルが言った。
そういえば山の麓は森だった。エルフの里もそうであったように。
「駐屯地は森の中にあるってこと?」
「立地的にはそうだが、森を切り開いて作っているから森の中という感じではないな」
私の質問にまるで見たことあるかのようにパーシヴァルは答えた。
「詳しいんだね、パーシヴァル」
「学生の時に実習で行ったからな。ニコラもそうだよな?」
「うん。神魔術学校でも駐屯地への実習はあるよ」
なるほど。噂の学校か。
「ヒューマはみんな学校に行くの?」
「そうだな。前衛を目指すものは武術学校、術師を目指すものは神魔術学校、商人を目指すものは商業学校、職人を目指すものは専門学校。ここに参加しているヒューマはほとんど武術学校か神魔術学校を卒業したてだと思う」
「だから3班のヒューマはみんな17歳なのか」
自己紹介の時に少し気になっていた。ヒューマ全員が17歳なのは偶然とも思えなかったし。
「学校によって違う部分もあるかもしれないけど、武術学校と神魔術学校の入学基準は10歳以上で在籍が7年だからな」
「7年も学校に行くのか。大変だなヒューマは」
「最近は獣人族の学生も増えているよ、ベルナ」
ベルナの呟きに苦笑いしつつパーシヴァルは答えた。
前世では大学まで通ったとすれば6歳から22歳までを学校で過ごすことになる。それに比べたら7年なんて小学校だけ行くようなものだ。エルフなんて学校に行く風習もないし、この世界では学校という存在はそんなに大事ではないのだろうな。
「読み書き、計算などは親から教わるものだし、武術も同様。何を学校でやることがあるというのだ」
ベルナが不満げに首を捻った。
「何事もプロが教えた方が効率がいいということさ」
「ふぅん」
ベルナには興味がないようだが、パーシヴァルの言うことは最もだと思う。
その道のプロから教わり、競い合う仲間がいるというのは親元で教わるよりも上達も早く、伸びそうだ。
というか、普通に聞き流しそうになっていたが、この依頼はDランク以上からなのに卒業したてというのはどういうことなんだろう。
「学校を卒業したてでDランク以上からの依頼を受けられるの?」
「在籍中に冒険者登録をして授業の一環で依頼を受けるんだよ。卒業と同時にDランクになるんだ」
私の質問にニコラが答えてくれた。
「それはいいね。授業を受けながら依頼の報酬ももらえるってことか」
「そうなるね」
そのシステムは羨ましい。それなら学校に行くのも悪くなさそうだ。
その後もパーシヴァルとニコラから学校の話をいろいろと聞きながら平坦な草原をただひたすらに歩いた。
途中昼食休憩を挟み、日が傾き始めたところで野営の準備へと入る。
野営の準備と言ってもテントがあるわけでもないので、昼と同じようにただ火を起こして各自持参した食事を用意するだけなのだけれど。




