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第25話 3班・1

 出発の日、記載された集合場所へと赴いた。


 集合時間は8時。それよりもだいぶ早く着いたのだが、すでに10人程いる。

 Dランクから受けられる依頼とあって、同じ年くらいの人が多い。


 集合時間に近づくにつれどんどん人が増え、最終的には時間前に32人全員が揃った。

 騎士団見習いへの登用を目的としている人も多いのか、遅刻がいない。日本でもないのに感心する。


 ほぼ8時ピッタリに、白を基調とした鎧をまとった一団がやって来た。

 これがベリシア騎士団なんだろう。年齢はまちまちだが、どの人もヒューマに見える。


「さて諸君、デッドラインへの遠征隊に志願した者たちで間違いはないか?」


 騎士の中で一番年長と思われる男性が一歩前に踏み出して声を上げる。40代くらいだろうか。ガタイが良く、いかにも騎士という感じがする。

 各自集合場所付近でバラバラに待機していた者たちが騎士の付近に集まりだしたので、私も後ろの方からそれに続いた。


「……ふむ。32名全員いるようだな。私はこの討伐隊の隊長を任されているヴィクトール・ルガーだ。君たちの冒険者記録は把握している。まずここで4班に割り振るので名を呼ばれたら並び、その後は各自班長の指示に従うように」


 隊長のヴィクトールがそう言うと、ヴィクトールの前に4人の騎士が出てきた。

 4班ということは、この4人がそれぞれの班長ということだろう。班長の騎士が順番にリストを見ながら名前を呼ぶ。

 私の名前は3人目の班長から呼ばれた。

 この班に呼ばれた他の人もみんな10代後半くらいだろうか、若い。


「俺の名前はガヴェイン・マルクス。この3班の班長を務める。よろしく頼む」


 揃った8人を前に、班長の騎士が自己紹介をした。

 30代前半くらいだろうか、黒色の髪をしたヒューマの男性だ。ヴィクトールに比べて細身ではあるが、騎士らしく引き締まった体形をしている。


「3班は前衛4人、後衛4人で構成されている。その都度前衛2人、後衛2人になるようにパーティーを分け、ワープポイントの左右それぞれで討伐にあたることになる」


 ワープポイントの左右に分かれて?

 山肌にあるという話だから、ワープポイント前は道が狭いのだろうか?


「パーティーの固定化はする予定はない。なので誰と組むことになっても対応できるよう、くだらないいがみ合いなどはしないように。皆仲間に命を預けることになるんだからな」


 そりゃそうだろうな。

 でもこの班の人たちみんな若そうだからなぁ。陰湿ないじめとかはさすがにないだろうけれど、昔を思い出しそうでちょっと憂鬱ゆううつだ。


「さて、まずは自己紹介してもらおうか」


 パンパンと手を叩き、ガヴェインが言う。

 自己紹介とか何年ぶりだろう。ちょっと緊張する。


「じゃあ君から順番に」


 ガヴェインに指名されたヒューマと思わしき少年が、一歩前に出た。

 

「フィリオ・ランデルと申します。17歳ヒューマ、剣士です。よろしくお願いします」


 栗色の髪に、同じ色の瞳をした優しそうな印象の少年だ。質のよさそうなシャツとズボンに簡易的な防具をつけ、腰に剣を下げている。


「ベルナデット。ベルナと呼んでくれ。16歳獣人族、剣士だ。よろしく」


 次に出てきたのは獣人族の少女。

 猫っぽい白い耳に長く伸ばした同色の髪、金の瞳。防具の類は身に付けておらず軽装だ。耳と尻尾以外はヒューマと見た目は変わらない。獣人を見るとあの子供たちを思い出す……。


「リーゼロッテ・オルコット、17歳ヒューマ、神術師です。よろしくお願いいたします」


 ベルナの隣に立つ少女がそう名乗った瞬間、周りのヒューマたちがざわついた。


 金髪碧眼きんぱつへきがん、これは男が放っておかないだろうなというくらいの美人だ。

 赤いローブが長く伸ばした金髪によく合っている。


 なんだろう、有名な人なのかな。

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