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第231話 パーティー登録

「ねぇ、パーティー登録って何?」


「例えばクルヴァンは1体でギルドポイントを1000もらえるんだけど、パーティー登録をしておけば全員に1000ポイントずつ付与されるんだ。それをやっておかないと、核を納品した人間だけにしかポイントがつかない」


「なるほど……」


 お互いに長いこと沈黙していたと思うが、あからさまな話題変更にもセスに気にした様子は見られない。

 じゃあ一体その間で何を考えていたのかと気になるところではあるが、ひとまず今はセスの話に集中しよう。


「じゃあ実際に討伐していなくても討伐してきた人のパーティーに入れてもらえさえすれば、ポイントだけもらうことができるということだよね」


 まぁ、討伐の証を金で買って用意してもいいのだから、ギルド的には問題はなさそうだけど。


「そういうことになるね。ただまぁ、ポイントを貯める利点はランクしかないわけだから、他人の力でランクだけを上げたところで意味はないと思うけどね。身の丈に合わない依頼を受けてしまえば辛いのは自分だ」


「だとしたら、僕がヒューイさんの依頼だけでBに上がったのも同様だ。僕は多分、Bに相当する実力は持っていない」


「君は報酬に見合うだけの依頼をこなしたんだ。他人の力で上がったわけじゃない。大丈夫だ。実力だけを見ればAに相当するくらいだと思うよ」


「そうかなぁ……」


 セスは慰めるかのように優しく微笑んで言ってくれたが、あの依頼で実際にやったことと言えば囮だけだ。掴まって、助けを待っていただけ。エルフである自分が適材だったに過ぎない。

 それなのに、Aに相当するなんて何を根拠に言っているのだろう。


「君にとって危険な依頼だったら俺が受けさせない。だからそんなことは心配しなくていい」


「……っ」


 物思いに耽っているところに急にそんなことを言われたもんだから、思わず言葉に詰まった。

 間接的に"俺が守る"と言われたみたいで、一瞬で胸が高鳴り、体が火照る。


「……俺、何か変なこと言った?」


 その動揺は思いっきり伝わったのだろう、セスがいぶかしむように問う。


「う、ううん……ありがとう……」


 私が動揺している理由が分からないといった様子から、セスは自然にそう思ってくれたのだということが分かる。それは純粋に嬉しかった。






 次の日、7時少し前にギルドに行くとアンジェリカが1人で待っていた。


「クロエさんは?」


「クロエは来ないわ。だって戦えないもの」


「そっか……」


 確かに戦いに参加しないのならいる意味もないのか。でもだからこそ、ポイントだけでも貯めた方がいいのではなかろうかと思うのだが。高ランクの依頼が討伐だけということはないだろうし。


「アンジェリカ、いつ討伐に発つつもりでいる? 登録が終わったらすぐ?」


「さすがにすぐとは言わないわ。準備もあるでしょうし。まぁ、それは残りの2人が来たら決めましょう」


 セスの質問にアンジェリカが首を振って答えた。

 集合時間が朝の7時であったことから、すぐに発つつもりであろうことを想定して、大体の準備は済ませてある。


「よぉ、待たせたな」


 それから10分くらい経った頃、背後から不意に声がかかった。

 振り向くと、大柄ないかにも戦士という感じの男性と、私よりも背が高いいかにも女戦士という感じの女性が立っていた。つまり、いかつい2人組だ。


 男性の方は、30代半ばくらいのがっちりとした体型のヒューマ(推測)で、大剣を背負っている。袖が捲られた腕からは傷跡がいくつも見えた。

 女性の方は年齢を推測するのが難しいが、こちらもおそらくヒューマで、30歳くらいだろうか。背が高く、長い黒髪を高い位置で1本に縛っている。男性が大剣を背負っていることから、鎖鎌を使うのはこちらの女性だろう。似合っている。それが鞭だったらもっと似合いそうな感じだ。


「俺はガレン。剣士だ。よろしくな」


「私はヴィレッタ。鎖鎌使いだけど、前衛もできるよ。よろしくね」


「シエルです。よろしくお願いします」


「「男!?」」


 ガレンとヴィレッタの声が綺麗に揃った。


 ……この声が憎い。

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