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第226話 天門の守護者・1

 転移陣から出た先は、先ほど陣があった建物と同様の造りだった。

 足元には赤い陣があり、隣には青い陣があった。なるほど、青い方は行く専用で、赤い方は出る専用というわけか。


「早くこっちへおいで。君がその陣を踏んでいると他の人間が陣を踏んでも作動しないんだ」


 不思議そうに周りを見回している私に、部屋の隅で待っていたセスが苦い笑みを浮かべて言った。


「え、どういうこと?」


「その赤い陣は南の駐屯地から来る人間が出てくるための陣なんだけど、そこに人がいる状態で次の人間が出て来たらぶつかってしまうだろう? だから誰かがその赤い陣を踏んでいる間は、駐屯地側の青い陣は作動しないようにできているんだ」


「へぇ……上手いことできてるんだね」


「天王が作ったものだからね」


 相当すごい人間のようだ、天王。

 まぁ、天界の王様だもんな。神に匹敵する力の持ち主なんだろう。


「リッキーたちを預けてギルドに行こうか。それで宿を取って今日は休もう」


 建物から出ると、セスはそう言って歩き出した。


 セスは道中で狩ったイルエというイノシシに似たモンスターの角を刈り取って袋に入れていた。

 このイルエの討伐依頼はいつぞやのフィンキーと同様、常にギルドから出されているらしい。ギルドに持っていけばすぐに報酬を受け取れるというわけだ。


 そしてこのイルエが道中のいい食料になった。

 さすがに臭みがあっておいしいとは言えなかったが、食べる分には問題ない。山道で贅沢も言ってられないので、我慢はできた。


 アドルドの街は、先ほどの駐屯地をより大きくしたものという感じで、雰囲気的なものはそう変わらない。石造りの建物が多く、時たま木で組み上げられた小屋のようなものがあったりもする。

 ギルドもそんな感じで石造りの簡素な建物だった。


「イルエの討伐はEランクなんだね」


「まぁ、あの周辺に出てくるモンスターはイルエがメインだからね」


 依頼書を見ながら呟いた私に、セスが答えてくれた。

 イルエの角5本でギルドポイント30と、銀貨5枚だ。

 道中で狩ったイルエは100体を超えている。しかし持ちきれないからと100を超えてからは角も刈り取っていない。そりゃあ3週間もずっと山道にいたのだからそうなるよな……。


「早速交換してくるといいよ」


「え、セスは? 半分ずつに分けようよ」


「俺はいい。ポイントの意味もないからね」


「えぇ……でもお金だってもらえるよ」


 100本分なので、白金貨1枚。大金だ。


「いいんだよ。金には困ってない」


「……いや、そういう問題じゃ……まぁ、分かった。ありがとう」


 これ以上言っても無駄な気がしたので、素直に引き下がることにした。

 この人はこういう部分ですごい頑固だ。多分これ以上私が何かを言ったところで受け取ることはしないだろう。


 というわけで、受付に持って行って600ポイントと白金貨1枚を受け取った。


「Aになるのは大変そうだなぁ」


 BからAへ上がるための必要ポイントは200000である。CからBが30000だったのにずいぶんと必要ポイントの上り幅が大きい。


「ちなみにここでアルディナから落ちてくるモンスターをメインに狩り続ければ3年かからずにAになれると言われている。その分危険だけどね」


「へぇ、それはすごい」


 確か前に聞いた話だと、BからAへは3年~5年ということだった。それ以下ということは、ここが最短の道というわけか。


「天族がミトスに降りるのに、そこのリンクを使う者はいないくらいには強いよ。何せ、天門の守護者なんて別名があるくらいだからね」


「天門の守護者……」


 何それかっこいい。

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