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第18話 カルナ

 カルナは、街道から遠目に見てもその壮大さがわかった。

 ベリシアの首都だけあって、シスタスの比ではない。まず門扉の大きさから言って違うし、そびえ立つ壁も高い。


 中に入ればまず目に付くのは巨大な城。あそこにベリシアの国王がいるのだろう。

 街並みはシスタスと同様に、ゴシック調の建物が多いようだ。メインの大通り沿いにはシスタス同様、ガラス張りのショーウィンドウのお店が多い。


 門にほど近い、噴水がある広場で馬車は停まった。お金は先払いしてあるので、護衛と御者ぎょしゃ以外はその場ですぐ解散となる。

 私は色々と迷惑をかけたであろうニルヴァとカーラにお礼を言って別れ、ガルガッタに近くのギルドまでの道を聞いた。ガルガッタは豪快に笑いながらギルドまで案内してやる、と申し出てくれた。


 ギルドはメインの大通りから一本入った通り沿いにあった。この辺はシスタスと同じだ。だがギルドの規模は大きく、シスタスの2倍はある。依頼の数も相当違うのだろう。


 ガルガッタはさらにおすすめの宿も教えてくれた。ギルドにほど近い場所にある、この街の大きさにしてはこじんまりとした風貌の建物だった。

 ルワノフに向かうためにカルナから再び定期便に乗るというガルガッタは、出発が3日後だということで、よければそれまでの間でカルナを案内すると言ってくれた。

 これだけ広い街だ。土地勘もないのでお言葉に甘えることにしよう。


 今日はカルナについたばかりでもあり、もうすぐ日が暮れる時分なので、そのまま宿の食堂で食事を摂り、休んだ。食事はガルガッタが奢ってくれた。気前がいい。

 久しぶりのお風呂に、久しぶりのフカフカなベッド。夜はさすがにぐっすりだった。


 朝、ガルガッタと共に朝食を摂り、宿を出発した。

 まず初めに向かったのはギルド。"ベリシアギルド カルナ南支部"と書いてある。ここはカルナの南のようだ。

 ギルドに入るとまず目に付くのが人の多さ。色々な人が壁に張られた依頼書や、机に置かれた依頼書に目を通している。奥にカウンターがあるのはシスタスと同様だが、その近くにある階段を行き来する人も多い。


「E~Cランクあたりの依頼が1階だな。それ以上の依頼は2階や3階だ」


「なるほど」


 ではここで依頼を見ている人たちはCランクまでの人たちがほとんどだということか。そうは見えないような屈強くっきょうな人たちも多く見える。


「シエル。もし本当にデッドラインの遠征依頼を受けるならこれだ」


 ガルガッタが1枚の紙を手渡してきた。


 依頼主:ベリシア騎士団 

 内容:デッドラインのモンスター討伐

 ランク:Dランク以上

 期間:3ヶ月(住み込み、食事有)

 定員:32名

 報酬:白金貨9枚

 報酬ポイント:10000


 出発日は約1ヶ月後。ちょうど今は募集期間のようだ。


「これはここ南支部でしか受付していないが、人気だからな。まだ先のことに思うかもしれないが、募集しているうちに申し込んだ方がいい」


 これを逃すと次は3か月後ということになるのだろう。ならばガルガッタの言う通り、今ここで申し込んでおいた方がいい。


「そうですね。そうします。ちょっと行ってきますね」


 募集の紙と冒険者証を受付に持って行くと、受付の人が1枚の紙を手渡してきた。

 注意事項や依頼の概要がいようなどが書かれている。


「依頼は受理されました。もしキャンセルなどございましたら5日前までにお願いいたします。無断でキャンセルされますと減点になり、ポイントによっては降格になりますのでお気を付けください」


 降格……そんなのあるのか。怖い。

 ガルガッタにそのことを言うと、直前になって怖気づいて集合場所に来なくなる人がちらほらいたための措置だと教えてくれた。

 確かに32人とずいぶん中途半端な募集人数だ。何かの意味があるんだろうし、命を落とす可能性があるくらい危険な依頼だ。急に人が欠けると困るのだろう。

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