桃太郎、鬼退治に行こうか
昔々あるところにお爺さんとお婆さんがいました。お爺さんは山に芝刈りに、お婆さんは川に洗濯へ行きました。
お婆さんが川で洗濯している時、上流から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。お婆さんは不思議に思いましたがその桃を家に持ち帰ることにしました。
お婆さんが家に戻るとお爺さんは先に帰っていました。帰っているお爺さんにお婆さんは
「爺さんや〜、大きな桃があるから毒m...味を見てくれんか〜」
「今毒味って言おうとしたかっ!」
「そんなこと言いわんよ。はよ桃を切っておくれ」
「いやでも……」
「はよう切れ」
「はい!」
お爺さんは何も聞かず桃を切ることにしました。お婆さんは怖いのです。
桃を切ると中から赤ん坊が出てきました。
お爺さんとお婆さんは話し合いこの赤ん坊を桃太郎と名付け育てることにしました。
桃太郎はすくすくと育ち、十五歳になる頃近くで悪さをする鬼がやってきました。
「ガッハハハ、おいクソガキ。お前の家中の食いモンと金全てよこしな。さもないっぶへっ!」
桃太郎はどうやら鬼は悪者だと判断すると
速攻で攻撃することにしたようで
「まっぶへ!ちょっうげぇ!たんはんばるふべぇ!!」
問答無用で鬼を倒し、追い返しました。
そう、すくすくと鬼を倒せるほど強く育っていました。
鬼を倒したことを知り近くの村の人達は桃太郎に助けを求めました。が、
「嫌だ」
桃太郎は鬼を倒しましたが、家に来た鬼を倒しても、他の村に来た鬼を倒そうとは思っていなかったのです。
一方その頃、鬼達はというと、
「親分〜」
「おう、帰ったか。どうだったってどうした!ボロボロじゃねぇか!」
「馬鹿みてぇに強いガキがいて手も足でやしませんでした!すいやせん!」
「どうやら、落とし前つける必要があるなぁ」
「親分?」
「てめぇら!俺ら鬼を舐めてる人間どもに目にも見せたやんぞ!」
「うをおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!」
鬼達は桃太郎を倒す為に準備を始めました。
〜一年後〜
鬼は準備を終えて桃太郎の家で待ち伏せておりました。
「ヘヘッ、これだけの人数、あのクソガキもどうしようもないだろう」
「そうっすね、あとはガキが出てこれば、っと出て来やしたね」
「そうだな、てめぇら!、行くぞ!」
そして、その桃太郎は、
「はぁ、最近爺ちゃんも婆ちゃんも俺に仕事させるようになって来たなぁ」
鬼のことなど忘れています、
そんな桃太郎と鬼達はついに対峙します。
「ケッ、お前がウチのぶっ潰したクソガキだな」
「鬼、去年来た奴の仲間か。懲りねえな」
「そんなこと言えるのも今のうちだ!今日は俺だけじゃないんでな。てめぇら!出てこい!」
鬼達は桃太郎を包囲してました、
「これでも余裕かぁ?桃太郎サンよぉ〜」
「チッ(まずいな、今日は芝刈り用の手斧しか持って来てないぞ)」
「やれ!」
桃太郎は包囲の薄い場所へ駆け出し、手斧で攻撃するが、鬼達も複数で桃太郎に攻撃し抜け出させない。斧で切り、避け、防ぎ、殴り、避け、切り、鬼達に対抗するが遂に
「クッ、ぐぅあぁ」
「クソッ、手こずらせやがって。だが!これでくたばれェェェ!」
衝撃で動けない桃太郎は、攻撃を防ごうと両手を前に構え
ズッガァァァァァン!
砂煙が舞う中、桃太郎を前を見る。
そこには、金棒を振り下ろした姿勢の鬼と、それを包丁で防いでいたお爺さんの姿だった。
「おい、爺さんよぉ。俺達が用があんのは後ろのガキだけだ。邪魔するんじゃねぇよ」
「邪魔?可笑しなことを言う輩じゃのう?」
「あ?」
「儂らの家族にそんな物騒な代物を叩きつけようとして、お主ら、ただで済むと思うなよ」
「ハッ!ただじゃすまねえのは爺の方だよ!お前らこの爺もろともやっちまえ!」
鬼が呼びかけるが、他の鬼は反応を返さず、後ろを見ると
「いでぇ、いてぇらよぉ〜」「ごめんなさいごめんなさい」「もう悪いことはしません」「助けてくれぇ」
倒れ戦意の残らぬおにと、その中心にお婆さんが立っていた。
「はぁ、最近のは根性がないねぇ。もうちょい手応えが欲しいのぉ」
「なぁ、何が」
「ん?余所見してもいいのかねぇ?爺さんはそんなあまくないがのぅ」
「なっ、ガァァァァ」
鬼は後ろのお爺さんに斬られ倒れた。
「なんだい、いつもより加減するじゃないか」
「桃太郎がおるから、少し軽めじゃ」
状況についていけてない桃太郎が呆然としていると、お爺さんは桃太郎に
「桃太郎、鬼退治に行こうか」
「あっ、はい」
突然のことで返事をしてしまい、鬼退治の準備が始まりました。
桃太郎は鬼退治の心得をお爺さん達に教わりました。
鬼を倒す技術、それに耐える武器、そして向かうまでの食事の準備、それらをあれよあれよと教えられ一ヶ月後……
「桃太郎や、武器は持ったか?」
「うん」
「桃太郎、きびだんごだ。非常時に食べな」
「うん」
「桃太郎。思う存分鬼を倒すしなさい」
「う、うん。じゃあ行ってくる」
桃太郎は準備を終えて鬼ヶ島に向かいました。
道中に、飢えた犬、雉、猿が桃太郎を見るや襲いかかりました。
しかし、強くなった桃太郎は難なく倒し、大人しくなったところで、きびだんごを渡し鬼退治に協力させることにしました。
桃太郎達は鬼ヶ島に着くと、犬、雉、猿は鬼を見つけるやいなや、鬼に襲いかかりました。必死で鬼を倒す三匹が、子供の鬼にも、襲いかかり、桃太郎がこれを止めると、鬼達は桃太郎を褒め歓迎しました。
桃太郎は事情を説明すると、鬼達は桃太郎に付いていくと言い、反対もしきれず、犬、雉、猿と鬼達を連れて帰りました。
桃太郎は家の前で全員待たせ、お爺さん達に鬼達と暮らせないか相談します。説得が必要かと覚悟していると、
「ええぞ」
っと、許可がおりました。
鬼達話すと、桃太郎は讃えられ、桃太郎はお爺さんとお婆さん、犬・雉・猿の三匹、そして鬼達と仲良くくらしましたとさ。