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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

超人ディストピア

作者: テイク

 超人。ヒーロー。魔法少女。様々な言い方はあるけれど、概ねわたしという存在を言い表す適当な言葉は魔法少女だった。

 つまりこれはわたしの物語であり、彼らの物語でもあるということ。

 ヒーローの物語。


 子供の頃からわたしは違和感を感じていた。

 それはおそらくわたしが、ヒーローであることが原因だったのだと思う。

 わたしは、この社会が、理想都市と呼ばれるこのハイヴ・ノヴァでの生活というものが、どうしようもなく気持ち悪いと感じていた。

 ハイヴ・ノヴァ。ドーム型循環完全環境都市。みんなが理想都市と呼ぶ世界の全て。

 ここでは、ありとあらゆる全てがシステムによって判断され人々がそれに従っている。

 ドームの中で一生をシステムの言いなりになって生きてるのだ。

 それはとても幸福なこと。昔のように仕事を持たない社会不適合者を出すこともなければ、殺人事件も起きることはない。

 そんな幸せなシステムによる生活をわたしはどういうわけか許容できなかった。

 それは前述したとおり、わたしがヒーローだったから。



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 朝。目が覚めてわたしこと柊奏多ひいらぎかなたがまず一番にやることはシャワーを浴びることだ。

 裸で寝るのもそのためである。最初から裸で寝ていれば寝ぼけたまま寝巻でシャワーを浴びることもない。

 昔は随分と服を濡らしていたが、裸で寝るようになってからはそんなこともなくなった。

 むしろ楽だからという理由で家にいるときは全裸になってしまった。まったく気にしていないので良いがいちいち警告を切るのだけは面倒だ。

 そのまま脱衣所に行けばシステムが自動で最適な温度のお湯を用意してくれる。


「…………」


 少し高めの熱いシャワーを浴びれば目が覚める。身体を流れていく水が堪らなく心地よい。

 曇らない鏡をわたしは見る。風呂場の壁に存在するセンサーによって多角的に状態がスキャニングされ鏡にわたしが投影される。

 そんな通称曇らない鏡はシャワー中でも身体を綺麗に映し出す。フリックすればそのまま回転させることも可能。

 友人にはふくよかさがたりないと言われる自らのスレンダーボディーをまじまじと見る趣味はないでそんなことはしないが、ふくよかさが足りないと言われるよりは締まっていると言ってほしいところなどと思う。

 個人的にはイケているはずなのだとわたしは愚考する。

 顔もそれなりに整っているし、筋肉はしっかりとついているが腹筋は間違っても割れていない。

 だというのに今だに彼氏が出来ないのはどういうことだろうか。セイヴィアシステムは適齢期になると相性の合った相手こいびとを見繕うはずだが――。


「……いかん、寝不足でへんなこと考えているな」


 気を引き締めねばとわたしは思い直し、髪と身体を洗ってリビングへと向かう。

 リビングに入れば勝手にカーテンを開いて日光を取り入れてくれる。

 窓の前に立って仁王立ちして、タオルを肩にかけたまま冷やされた牛乳を飲めば新しい一日が始まるという気になるのだ。


「ぷはぁー。うむ、今日も良い天気である」


 ドーム型都市なのだから天気はいつも良いのは当然だ。高い壁と有害物質を防ぐ天井のドーム型都市。

 それがこのハイヴ・ノヴァ。一般には理想都市と呼ばれるものだった。

 自動でカーテンが開いたおかげで巨大構造体群が目に入る。その隙間の空間を埋め尽くすように企業の広告表示(ホログラム)が乱立していた。

 視線を向ければ勝手に華やかな音声データと視覚データを受信して拡張現実に表示されるのが鬱陶しいものの中には興味を引くものもあって中々無視はできない。

 ゲームの広告やらアクセサリーの広告などなど。とりあえずそれらを一時的に消して、


「さて、今日の予定は――っと」


 今日の予定について確認しようとアプリを起動する。そのロード中に網膜ディスプレイの拡張現実に表示されたニュース速報。それを見てわたしは全ての動きを止めた。

 そこに出ていたのは怪人が暴れている光景。

 怪人。異形の化け物。突如として現れる謎の生き物。

 とにかくそれは総じて人類の敵だ。


「やれやれ、昨夜に続き今日もであるか」


 だが、休むわけにはいかない。わたしは魔法少女なのだ。魔法少女――柊奏多の役割は怪人を倒すことだ。


「では、行くとしよう」


 そう決意すると脳の状態をセイヴィアシステムが読み取ったのだろう。警告が表示される。

 わたしが行うべき行動はこれから登校である。学生としての本分である勉学を果たすことこそが最優先事項である。

 そうセイヴィアシステムが告げる。だが、わたしは無視をする。


「たとえセイヴィアシステムであろうとも我が正義は何人たりとも阻むこと能わず」


 わたしに許された魔法コードを用いて警告を止める。あのまま行けば電脳を介して身体の動きを止められてしまうのだ。

 それから着替えだ。まさか全裸で現場まで行くわけにはいかない。少しばかりそれも気持ちが良さそうだとか思いかけるが頭を振ってクローゼットを開く

 クローゼットの中に詰め込まれているのは同じメーカーが販売しているスーツ。着心地の良いアカサカ・デザインの女性用パンツスーツが都合十着ほど。

 その中の一つを身に纏いわたしは部屋を後にした。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 ハイヴ・ノヴァサービス産業区画ハーバラ。

 ここはレストランや居酒屋、娼館などその手の接客業や、スポーツ観戦を行うためのスタジアムなど集まる区画。

 サービス産業区画よりは娯楽区画という名の方が通っているほどで、ありとあらゆる欲望を満たすことができる場所とも言われている。

 ここでは今、怪人が暴れていた。両腕が鞭のようになった怪人。全体的にイカに似ているが、やわらかいという印象はなく鋼鉄で武装した騎士と言う風にも見える。

 そんな怪人は鞭のようになったその両の腕を振るう。たったそれだけで建物は崩壊し人間たちは逃げ惑うことになった。


「壊れろ、全て壊れてしまえ!!」


 怪人は笑う。その快楽に。絶頂で射精してしまいそうなほどの快楽に怪人は酔う。

 たった一振り。そう己が腕を振るえば建造物は倒壊し、人は潰れて赤い染みと化す。

 それがたまらない。破壊は実に甘美だ。

 それは何よりも甘い甘露。悲鳴を肴に飲む美酒にほかならず、肉を叩き潰す音は世界最高の音楽として響く。

 目的は破壊。そして、支配だ。世界を支配するためにまずは壊す。鬱屈し抑圧された欲望が解放され晴れ晴れとしたものだった。

 怪人の目的は単純にして明快。ゆえに、それは恐怖となって人々を襲う。

 世界が血で染まっている。地獄とはかくあるべきだとでも言わんばかりに。此処こそが地獄、これこそが地獄絵図。

 虐殺という名の過剰殺戮が織り成す地獄は、今もなお拡大を続けている。

 運よく難を逃れた欲望を求めて無秩序に蠢いていた有象無象の大衆たちは、セイヴィアシステムの指示に従って蜘蛛の子を散らすように姿を消す。

 セイヴィアシステムが逃亡しろと即座に命じているため迷うこともない。疑問もなく真っ直ぐにこの騒動から逃げられる場所へと向かって行く。

 それらは運がよかった者たちだ。運が悪かった者たちの末路は悲惨だった。運が悪かった者はセイヴィアから死ねと言われる。

 逃げられないからだ。そして、潔くそれを受け入れるのだ。逃げる者などいない。セイヴィアが死ねと言ったのだから死ぬ。それが正しいのだ。

 もとよりここは全ての阿鼻叫喚、全ての絶望を混ぜ込んだ窯の底。ぐつぐつと煮えたぎる窯の底ゆえに逃げ場など存在(あり)はしない。

 ならばどこへ逃げるというのか。逃げられるわけがない。逃げられる場所などありはしないのだ。

 怪人が腕を振るうだけで建物が倒壊する。そのたびに悲鳴が上がり、紅い華が咲く。

 肌に張り付くのは死体から出た魂の如き瘴気。生者を呑み込む死者の手招き。お前も来い、お前も来い。そう絶望の中で死者が叫んでいる。

 死体の博覧会会場と言われても信じられることが出来そうなくらい路上は赤く染まっている。

 しかも、現在進行形で死体が増えていっているというのだから恐ろしい。おおよそ考えらえる以上に絶望に薪がくべられている。

 そんな中でアンドロイドが吐き出す企業広告はループし続けている光景というのは酷くシュールなものであった。

 だが、間違いなく悲劇の舞台となったハーバラ区の一角は阿鼻叫喚の地獄と化している。

 そこに治安維持部隊が出動して来る。ヘルスパイダーと呼ばれる多脚戦車が到着した。

 ヘルスパイダーは無人でも走行戦闘が可能な戦車であり輸送装甲車でもある。ハイヴ・ノヴァにおける戦闘車両だ。

 そこから展開されるのは漆黒の流体反応装甲に身を包んだ治安維持部隊の隊員たち。ブル・ショットと呼ばれる汎用制圧小銃を手に彼らは怪人を取り囲む。

 彼らは言葉を発しない。ただセイヴィアシステムに従い、さながら機械のように怪人を倒すべく行動を開始する。

 セイヴィアシステムがどこに撃てばよいのか、何をすればよいのかを指示する。それに従って治安維持部隊は発砲。

 展開された部隊委員全員がセイヴィアシステムに従って銃を構え弾丸を放つ。

 統制のとれた射撃は休む間もなく放たれ続ける。しかし、


「効かぬわ!」


 二本の触手が翻る。ただそれだけで放たれた銃弾は全て叩き落とされてしまう。

 セイヴィアシステムが判断を下す。弾丸による攻撃は効果を及ぼさない。ならば打撃による攻撃。

 銃火器を背にマウントし、治安維持部隊は近接戦闘へと移行する。

 その独特の構えは治安維持部隊において正式採用されている近接義体格闘術の構え。

 全身義体サイボーグ化前提のサイバネ拳法のそれ。

 治安維持部隊に正式採用されている軍用出力義体でのみ行使可能とされる制圧用高威力格闘術だ。


「破壊するまでよ」


 怪人が笑止とばかりに触手を振るう。そうすれば人間は死ぬ。そうそれは決められた結果なのだ。


「――なに!!」


 だが、振るわれた両の手は死を抱くことが出来なかった。

 音速にまで加速したはずの触手はされど誰一人治安維持部隊を傷つけることはない。それどころか懐にまで接近を許す。

 いつの間にそう思考する暇などなく。ただ背後へと放たれようとする打撃を避けようと怪人は跳んだ。

 その瞬間、まるでそこに引き寄せられたかのように怪人の背に打撃が撃ち込まれる。

 吹き飛ばされれば目の前に治安維持部隊員がいる。打撃の構え。

 怪人はそれを防ぐべく触手を振るうが、しかし治安維持部隊員が血の華を咲かせることはない。

 まるで見えているかのように完璧に躱して見せた。動きに無駄などなくたった一ミリ単位での完全な回避。

 それに驚愕する暇などなく打撃が撃ち込まれる。義体の高出力を余すことなく叩き付ける。


「ぐ――ォォオ」


 振動発勁。高出力義体による重機に殴られた並みの衝撃が怪人の内臓を破壊する。硬い外骨格に包まれている怪人ではあるが内臓に直接ダメージをもらうのはきつい物がある。

 怪人は、しかして倒れない。確かにダメージは大きいがそれだけである。

 寧ろこれが良い。このような血沸き肉躍る闘争もまた望むべきものであるのだ。

 高揚。激昂。

 怪人の常としての第二進化。それは大抵の場合巨大化ということになる。


「避けられるのであれば避けるが良い」


 できるのであれば。

 巨大化した触手を振るう。治安維持部隊は動かない。動けない。セイヴィアシステムが下した結論は回避不能。ゆえに死亡せよだ。

 だが、治安維持部隊は生き残る。


「そこまでだ――」


 ヒーローは、必ず遅れてやってくる。そういうものだ。

 鳴り響いた足音は福音。地獄の終わりを告げる希望の福音だ。

 ハイヴ・ノヴァに与えられた損害、損失、人の痛み、絶望を払底するべく主演が訪れる。

 そうとも怪人おまえの出番は終了だ。あらゆる悲劇を終わらせるため魔法少女しゅやくが来た。疾くその場を譲るが良い。

 皆が待ち望んだ正義の味方の登場だ。舞台の真ん中でスポットライトを浴びるべき主演がそこにいる。

 もう悲劇の時間は終わった。怪人は常にヒーローに倒される。ここから先はヒーローの時間だ。


「お前は――!!」


 そこに立っているのは柊奏多。つまりわたし。


「そこまでだ、怪人。お前の悪行、見逃すわけにはいかない。だから、このわたしが鉄槌を下そう。我が正義を受けるが良い――展開――」


 言葉と共に光がわたしを包み込んだ。変身プロセスが開始される。

 その発光現象を見て、怪人は叫んだ――。


「貴様、魔法少女か――!」


 ――正解だよ。

 そう思いながら武装の展開プロセスを始める。

 周囲のセイヴィアシステムからの警告の尽くは無視だ。全て止める。


「――展開――」


 とにかく武装の展開。話はそれからだ。怪人と戦うためには、まずは戦闘衣装への着替えを必要とする。

 ゆえに展開と言葉を叫ぶ。

 噴出した魔力が光となり、その瞬間わたしの衣装が散る。同時に魔法陣らしきものが身体を覆った。

 高速回転する魔法陣の中で、わたしの身体の各所に部品が現れる。

 魔力で構築されていく戦装束。数多の部品がボルトにより止められ成形されていく。

 成形されるのは、鎧のような装甲と衣装。

 ただし、正しく鎧というわけではなく、鎧の最盛期である中世のものとは意匠がことなる。意匠としては酷く現代的だ。

 また、それは鎧と同時に形作られる武装にも言えた。

 それは剣だ。だが、やはりこちらも通常剣と呼ばれるものとは大きく乖離した現代的な意匠の剣である。

 いくつかの複雑系機構を持っているのだろう。通常の高周波ブレードなどに搭載されるようないくつかのトリガーやスターターなどが見て取れる。


「魔法少女――柊奏多推参である」


 光が収まり現れたのは騎士と呼ぶべき衣装を身に纏ったわたしの姿だ。

 蒼を基調とした衣装と装甲。魔力を受けて輝く青のグラデーションの髪が神秘を内包した存在であることを告げている。


「お前の悪事、ここで終わりだ」

「笑止。魔法少女にオレの破壊を止められるものか――」


 怪人の狙いがわたしへと向く。


「そうか。だが、負けるわけにはいかないのでね」


 ここまで失われてた命を思う。救うことが出来なかった己の弱さを加味してめて、わたしは前を見据える。


「そのような非力な武装で何が出来る!」


 第二進化を遂げた怪人。巨大化したそれと戦うには己の武装は非力だろうか。

 ――否である。

 わたしはそれを否定する。

 両の手で握った大剣。柄に存在するトリガーの一つを引けば、大剣が展開しそこから生じるのは光の剣。

 魔力を込めれば込めるほどそれは巨大になって行く。


「シャインセーバー!!」


 音声認識と共に大剣に込められた魔力が光の刃となって振り下ろされる。

 力任せなどと言うことなかれ。魔法少女というものは得てしてこういうものだ。

 奇跡ぼうぎゃくを扱う者。それが魔法少女である。

 可憐な少女が怪人と武闘を演じる? 何を的外れなことを言っている。

 そんなもの必要ないし、可憐な少女にそのようなものは似合わない。

 わたしたち魔法少女はただ力を振るうもの。ヒーローのように戦う者ではない。

 与えられた力を十全に発揮して、怪人を滅殺する者こそが魔法少女という存在である。

 技巧? そんなもの可憐な少女にはいらないだろう。わたしたちは圧倒的な性能スペックを持っているのだ。

 性能で勝っているのであれば小手先の技巧など無意味。圧倒的な力で押し潰し圧倒してしまえば良いのだ。

 ゆえに必要なのは必殺技ただ一つ。必ず殺す技をいくつも持つ必要はない。絶対的な一があればそれで事足りるのである。

 それが魔法少女の能力の全容。

 ゆえに、わたしもその例に漏れない。

 それはまさしく光の波濤。

 都市を二分してしまうのではないかというほどの一閃は冗談のようなエネルギーを伴い炸裂する。

 虚空へと昇る黒煙を引き裂いて、全てを滅却する。進行方向にあるものは何一つ残らない。

 一瞬にして光速へと至る爆光は怪人の姿を呑みこんだ。


「闇は、闇へと帰るが良い――」

「ギ――ガァアアアアアア――――」


 滅却し役割を終えた光が粒子となって舞う。きらきらと魔法少女の力を彩るイルミネーション。

 強く可憐な少女に対して、抱くのは希望だろう。

 古今東西。そういうもの。

 誰からも敬われるヒーロー。

 そう、だが、それもかつての話だ。


「捕えろ、セイヴィアの神託である」


 無慈悲な言葉が戦場となっていたハーバラの一角を突き抜けた。

 わたしを取り囲むのはいったいどこから現れたのか都市管理委員会の制服。

 それだけでなく、逃げていた市民たち、治安維持部隊もその囲みに加わっている。

 理由は単純だ。セイヴィアシステムが目の前の魔法少女を捕まえろと言った。ゆえに、市民は従う。そこに疑問の余地などない。

 セイヴィアシステムの言葉こそが絶対正義。それは何よりも優先されるべき正しいことなのだ。つまり、これが正しい行いである。

 そして、彼らは怪人ではない。ゆえに魔法少女が戦うべき相手ではない。


「これは、無理か」


 逃げられない。わたしは武装を解除する。

 管理委員会の女が前に立つ。


「セイヴィアシステムに従うことこそが幸福へと繋がる。

 市民は都市の為に労働をしなければならない。

 市民は健全でなければならない。

 市民は幸福であらねばならない。

 市民は都市の為に行動しなければならない。

 市民は都市法に背いてはならない。

 市民は魔法少女であってはならない。

 市民ID-QPDG764897。個体名柊奏多。あなたを都市法違反により拘束します」


 超人ヒーローは管理されなければならない。

 魔法少女は管理されなければならない。

 自らの正義を振りかざし、セイヴィアの正義に従わぬ正義の味方にこの都市での居場所などありはしない。

 たとえ、人の命を救ったとしても。怪人を殺したとしても。

 セイヴィアシステムの告げる神託こそが全てである。

 この日、わたしは都市の底へと落とされた――。


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[一言] 社会符適合者、になっていますよ。
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