進化の途中
長い年月を経て、人間には腰の下辺りに尻尾が生え、二足歩行から四足歩行になった。中には翼を手に入れ、空を飛び始める者や、エラと鱗を手に入れ、水中生活を送る者も現れる。食生活も多様で、そのまま獲物を狩って食べたり、そこらに生えている草を食べたりと変化した。
環境に適した身体へと変化を遂げる…。地球上に生きる全ての生物か行ってきた事であり、行われている事である。
人間はただ起きて、ただ餌を食べ、ただ子供を育てて、ただ寝た…。
やがて、地球に人間に取って代わる新たな支配者が現れた。その支配者から餌を与えられ食べていた一人の人間は、ふと何かがおかしいと思うが、特に何もする事はない。それが進化ではなく、退化であった事に誰も気付かない…。