あなたへ
セミの声が外からなのかTVからなのかわからない。
昨晩から飲んだ缶チューハイの数もわからない、わかりたくもない。
わかるのはあなたが、いないこと。
世帯主であるのにこの部屋に来たことも来る事も出来ないこと。
わたしの側にいないこと。
そしてわたしが哀しいこと。
あなたに側にいて欲しいこと。
昨年の12月30日、あなたは逮捕された。
覚醒剤使用で。正しい罪名はわからない。知りたくもない。
ただ、あの日わたしはあなたと別れたいと思っていた。
そして半年以上たつ今日、別れたくないと手紙を書いた。
人間は心、気持ち感情がある。
つらいこともうれしいこともそこで感じるようだ。
病にもなり、専門医、処方箋も存在する。現在ではたくさん。駅でも電車の中でも広告をみるほど。
わたしが必要なために目に留まるのかもしれない。正しい判断はわからない。
わたしがうつ病と診断され、その度合いがどれ程なのか、いつ完治と診断されるのかと同じように。
今年7月24日夕方ころ前の主人の家で
左手首をハサミで傷つけ六針縫った。
駆けつけた警察官に理由は?と訊かれた。わたしは死にたいからと答えた。
死にたい理由は?と。
あなたがいないから。
答えたかは記憶にない。
ただ、旦那が刑務所だから来たの?とかみついた記憶は鮮明。
あなたがわたしの側にいないのは刑務所にいるから。
それがわたしの死にたい理由だけは確実にわかるから。