Reservation
もう10月だというのに
残暑厳しく夏日が続いている今年
しかし陽射しは暑いが窓を開けると
空には鱗雲がながれ
秋めいた涼しい風がふいている
季節はちゃんと過ぎて行ってるんだな
夕方になれば、気温も下がり
過ごしやすくなる
「ただいま」
そんな時間に帰ってきたキミ
「おかえり」
帰ってくるなり窓を閉め
エアコンをかける
「暑いー」
といいながら5分だけ
かけるのが良いらしい。
キミを観察するのが大好きだ
5分たったあとは
恒例のゲームタイム
「あっ」とか「おっ」
「よっしゃー」などと
はしゃぐキミを見ていると
まるで子供のようだと感じるよ
食事をすませ
お風呂にいく
その間に用事をすませるのが
日課だ
そうしないとキミの
観察が出来ないからね
風呂から上がり
またエアコンをつける
勢いよくふきだした冷気に
「さぶっ」
ともらしたキミ
自分で設定したのにと
思わず笑ってしまった
キミはこちらに目線を向け
さも設定温度変えた?と
言いたげに見てくる
いや、お前だろ!
そんなつっこみをできるわけもなく
ただ首をふる
するとキミはエアコンを切り
窓の外に向かった
秋の少し生暖かい夜のほうが
いいのかもしれない
部屋に戻ってきたキミに
差しだした一切れのケーキ
「食べる?」
ときくと
「ありがとう」
と答える。
ケーキを口に運び
味わうキミ
しかし違和感を感じたのか
何か取り出した
それは袋にはいった
指輪
「キミはさいつになったらもらってくれるのかな」
そう呟く私をじっと見つめるキミ
そんなキミの薬指を指差し
「ここ予約しても良いですか?」
言ってしまった
「喜んで」
素敵な笑顔で答えるキミ
「誕生日おめでと」
これからもずっと一緒に…