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11歳


「ここは……」


 光が明けると、俺はどこかの村の外れにいた。

 手にパンツを持っているのを人に見られたら大変だと思ったが、握っていたパンツはいつの間にか無くなっていた。

 この村は……確か炭鉱の有名な村だったか。一度だけ立ち寄った事がある。

 あの山道の近くにあった村だったはずだ。


『あの下着は触媒。転移に使うとなくなってしまうんだ』

「お前が収賄したわけじゃないだろうな?」

『そんなことはないんだ』

「ちなみに今回動けるのは?」

『やっぱり八分だけなんだ』


 こいつに対する信頼度は現在底辺だ。

 しかし、八分しかない以上急いで動かなければならない。


「申し訳ない少年、今の年号を教えて貰えないか?」

「ふぇ!?え、えっと……王歴1204年です」

「ありがとう! 」


 道端の少年に声をかける。

 1204年か、確か俺が魔王と決着をつけたのが1212年だったから八年前という計算になる。


 村から悲鳴が聞こえてくる。

 しかし今度は男の声だ。

 急いで声の方に向かうと、そこには大きな何かが飛んでいた。


「くっ……イエロードラゴンか! 」


 イエロードラゴンは山間部に生息するドラゴンだ。

 村を襲ったなんて聞いたことないが、女神の加護を少女が受けていたからだろうか。

 イエロードラゴンは大きく息を吸うと、ブレスを吐こうとしていた。


「あぶない! 」

「きゃっ」


 ドラゴンから逃げ遅れた少女を間一髪で抱きかかえて助ける。

 というか髪色でうっすら誰が狙われるか検討はついていた。

 この金髪くりくり。間違いない、ターゲットの少女だ。


「あ、あんたは! 」

「助けに来たぜ、お嬢さん」


 ドラゴンはまだこちらを狙ってきている。

 くそ、武器がないのが悔やまれる。


「あっぶな! 」

「ひゃっ」


 ドラゴンの爪を間一髪でかわす。


「ギャオオオオ! 」


 ドラゴンの咆哮を目の前で浴びる。

 何やら腕に暖かい感触が……


「って……お前漏らしただろ! 」

「しょ、しょうがないじゃん! 」


 何とか距離を取り、少女を降ろす。


「アンちゃん!使いな! 」

「ありがとう! 」


 武器屋のオヤジが剣を投げてくれた。

 これはドラゴンに特別な威力を発揮する武器か。ありがたく使わせて貰おう。


「行くぞ! 」


 ブレスを避けつつ距離を詰める。

 ドラゴンは何かを察知したか、翼を羽ばたかせて空に逃れようとする。


「逃がすかよ! 」


 脚力を活かして一気に飛ぶ。

 ドラゴンのツノを鷲掴みにし、そのまま目に剣を深く突き入れた。

 そのまま引き抜くと、ドラゴンはどこかへ去って行った。

 もう人の村を襲う事はしないだろう。




 さて、武器屋のオヤジに武器を返した後急いでやることがある。

 女神がまだ反応ないらしい。つまり急いでおもらしパンツを貰う必要がある。


「申し訳ないんだが……」

「分かってる、分かってるわ……」


 当時と違って恥じらいを持っている。

 しかし今六分経過してしまっている。急ぐ必要がある。

 彼女の部屋でやるという時間はないので、森の中で脱いでもらう事に。


 少女が躊躇いに躊躇って受け取ったパンツは、やはり暖かかった。

 というか結構本格的に濡れてる。漏らし過ぎだろ。べっちょべちょだ。

 ちなみに黒でした、大人に憧れる年なんだね。

 十一歳にしては大人すぎるかな。ハハハ……。


『よし、急いで次の時間に行くんだ! 』

「分かった」

「あの、今回もありがとう! 」

「あぁ、恥ずかしい思いさせて悪かったな」

「私! 」

「ん? 」

「私頑張るから!あなたの手間をかけさせないぐらい、強くなる! 」

「ハハ、期待してるよ」


 まぁ、失敗したから俺が次行かなくちゃいけないんだけどなというのは心にしまっておこう。

 俺は少し大人びたパンツを握りしめながら、光に包まれた。

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