7歳
「いってて…ここは……」
『ここは少女が危険な目にあった時間、場所なんだ』
「そうか、って実体があるんだな」
『ただし八分が限界なんだ』
「武器も防具も無いけど、強さだけは魔王攻略時ぐらいはあるのか」
周囲は山道だった。
王都の近くの山が確かこんな地形だったような気がする。
森が遮っていて王都までは見えないか。
手に力を入れ、グーパーしてみる。問題ない。
衣服は一般的な市民のものを身に着けている。
隣にフワフワ浮いている人魂みたいなのがいる。こいつが妖精か?
「キャーーーーーッ!」
「行くぞ!」
小さな女の子がモンスターに襲われている。
ジャイアントベアか!
俊足を活かして一気に詰め寄る。
魔力を手に込め、今まさに少女に襲いかかろうとしているモンスター目がけて殴りかかる。
ジャイアントベアの頬を捉え、ジャイアントベアはそれに驚きどこかへ逃げて行った。
「これでいいのか?」
『大丈夫なんだ』
これだけなのか、簡単だな。
『……おかしいんだ、女神様の気配がないんだ』
「どういうことだ?」
『おそらく…加護が無くなったから彼女に今後新たな危機が迫ってくるんだ』
「ということは…どうすればいい?」
『次の時間に飛ぶ必要があるんだ。でも今回だけでもボクは大分力を使っちゃったんだ』
「あ、あのぉ~」
「あぁ、すまんすまん」
後ろでヘタレ込んでいる少女。
すっかり存在を忘れてしまっていた。
腰が抜けてしまっている。
とりあえず手を差し伸べて起こしてあげる。
あー地面にシミが出来てる。
おもらししてしまったのだろうか、見ないふりをしておく。
『……コレなんだ』
「コレ? 」
『ボクは少女の下着から力を得る事が出来るんだ』
何だこの変態妖精。
『おもらしとかされてると最高なんだ』
真正かよこいつ。女神とやらも思いやられるな。
『という事で少女から貰ってほしいんだな』
「という事で……じゃねえよ! 」
「ひゃっ」
「あぁ、ごめんごめん」
少女を驚かせてしまった。
しかしこの変態妖精どうにかならんか。
『急ぐんだ!下着を受け取って次に行くんだ! 』
「何言ってんだこのハエが」
『もう間もなく実体が保てなくなるんだ、それまでに早く!急いで! 』
「さっきまで『んだ』で統一してた語尾はどこ行ったんだよ! 」
「あ、あのぉ……」
少女がもじもじしてる。
金髪のウエーブがとてもきれいだ。
というか、どこかで見たような気が……。
大きくなった姿で会った事があるのかもしれない。
「もしかして、下着が必要なんですか? 」
「あ、聞こえちゃってた? 」
「はい……」
そういうと少女は下着を脱ぎ始めた。
ピンク色のパンツだった。
うわぁ……暖かい、そして派手に湿ってる。
何だろう、この背徳感と罪悪感は。
「命の、恩人ですから……」
「……ねぇ、君ちなみに今いくつ?」
「先日七つになりました」
「あぁ……」
モンスターに襲われた少女に見返りとしてパンツを要求する勇者。
うーん死にたくなってきた。死んでるんだけど。
少女に別れを告げ、次の時間へと向かう。
変態妖精が何か凄い生き生きとしている。
こいつはいつか殺した方がいいんじゃないか?
そう思いながら、俺は再び光に包まれた。
パンツを握りしめながら。




