プロローグ
「うおおおぉぉっ! 」
「こんのぉっ」
魔王の間で二人の男が剣を交えている。
魔剣と聖剣が互いを打つ度に火花が上がり、キンという音が響き渡る。
実力は互角。しかし拮抗した戦いは、一瞬で終わった。
「そこだっ!」
「くっ」
聖剣が魔剣を弾き飛ばす。
体制を崩した男の腹部から背中にかけて聖剣が貫く。
「ハァ…ハァ…魔王よ、これで終わりのようだな」
「まさかこの私が敗れるとは……グフッ」
魔王の口から大量の血が吹き出る。
もう長くない事を意味していた。
「だが、私一人では死なん!貴様も道連れにしてくれるわ!勇者ぁ! 」
「何!くっ自爆かっ……」
魔王が勇者を怪力で抱え込む。
魔王の体から光が溢れてくる。
「勇者! 」
「ダメだ!こっちに来ちゃ!巻き込まれる! 」
「ここで貴様も終わりだ!ハーッハッハッハ……」
勇者と魔王はそのまま光に飲み込まれ、次の瞬間魔王の間を爆風が満たした
■ ■ ■ ■ ■
どこだ?ここは。
辺り一面真っ白だ。
死後の世界なのだろうか。
『そうだよ、君は魔王と相討ちして死んだんだ』
……だ、誰だ!?
『ボクは妖精だよ。君にお願いがあって来たんだ』
お願い?
妖精とやらのお願いはこうだった。
彼の使えている女神は、力を使い果たしてしまった。
そこで地上に住まう少女に寄生するという形でしばらく力を蓄える事にした。
しかし少女は命の危険に遭遇する。
女神は力を使って少女に加護を与え、少女は無事に成長を遂げた。
しかし、女神自身は力を蓄える事が出来なくなってしまった。
『そこで、君に過去に飛んで少女を助けて欲しいんだ』
過去に?というか俺、死んでるんだけど。
『死んでるからお願いしてるんだ。魂だけの存在にならないと、過去には飛べないんだ』
お願い?じゃあ見返りはあるのか?
『あるんだ。女神様が復活したら、君を生き返らせてあげられるんだ』
なるほど、それは助かるな。
『さっそく出発なんだ』
っておい、まだ俺やるって言ってないぞ!?おい!




