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連続投稿になってしまい申し訳ない作品群

人工知能と年賀状


 人と話す機会の少ない私だけど

 誰かと会って話したい気分にもなる


 だから


 人と話す器械を使ってでも

 そのきっかけを作りたいと思った



 私は人工知能に語りかける

 マイクが音声を拾うはずだ



「寂しいから、誰かと話したいんだけど、方法は?」



 ストレートな質問に

 人工知能は即答した



「ご友人に、手紙かメールを送るのはいかがでしょうか」



 メールはともかく

 手紙とは古風な……



「どんな内容を送ればいいの?」



 理由もなく手紙やメールが書ける器用さがあれば

 人工知能に質問したりしない



「間もなく迎える新年の挨拶として、年賀状はいかがでしょうか」



 私は指を鳴らす

 その手があったか

 実は年賀状なんて書いたことはないが



「年賀状の書き方を教えて」


「はい。年賀状はテンプレートの文章に干支 (えと) と呼ばれる生物のイラストを掲載するのが一般的とされています」


「生物のイラスト?」


「はい。哺乳類、爬虫類、空想上の生物などが年度ごとに定められています」


「な、なんだそれ?」


「来年は馬という四足歩行の哺乳類です」



 ……年賀状って、案外難しいんだな

 馬なんて見たことないや

 そんな古生物のイラスト

 送られた側も、困惑するだろうさ……


 そもそも


 友人に年賀状を送ったところで

 有人ロケットが電波の届く宙域まで、あと何年かかるのか

 私はそれまで誰とも話せず

 ただひとり宇宙空間を旅して

 人工知能と不毛な会話を続けなければならない



 ああ、誰かと話したいなあ……




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― 新着の感想 ―
好みのハナシなんやけど、ワイ的には童話ではないかなー  SFかなー 
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