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「サン・ジェルマン少年と謎の妖精」(セーラー服と雪女 第15巻)  作者: サナダムシオ


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㉕ 事件の経緯

「…何はともあれ、そんな訳で、私は別の並行宇宙の出身であるにもかかわらず、この❝昭和の時間軸❞にに関わり過ぎたの。まあ、ぶっちゃけそれ以外の色々な世界にも、ちょっかい出し続けてたんだけどね?」

 雪子がテヘペロしながらそう言った。


「その行動が、私たちより高次の存在、四次元とか五次元とかの住人から、すっかり危険視されたらしくて、狙われるようになったの。前回なんて、四次元人に雪村の身体を乗っ取られて、警告を受けたわ。そしてそのあげくが、先日のあの事件だったって訳なの。」

「なるほど。全ては雪子さんのせいだったと…。」と由理子。


「あー、もー、ホントにごめんなさい!私はただ、雪村のことが心配で…。」

「…良いですよ。許してさしあげます。」と由理子。

「えー!?許すの?私のサン・ジェルマンが、あんなひどい目にあわされたのに!?」

 やはり京子はそう言った。


「いや、氷漬けにしたのは貴女でしょうが?」と雪子。

「それだって、もとはと言えば貴女のせいでしょ!」と反論する京子。


「あちらの席では、随分と盛り上がっているようですねえ。」

 レストラン内の対角線上に位置する、一番遠いテーブルでは、3名の男性が座って談笑していた。

 それは言うまでもなく、サン・ジェルマン、真田雪村、杉浦鷹志だった。 


「今回も鷹志君のお手柄でしたね。」

 サン・ジェルマンが声をかける。

「いえいえ、伯爵が最近、身辺に違和感を感じていて、いつでも対応できるように準備を怠るなと、常々僕に言って下さっていたからですよ。」


「それにしても、あの電磁防壁は良く出来てましたねぇ。僕なんかには、とても作れないや。さすが元神童。」

 謙遜する鷹志を、雪村が褒めちぎる。


「雪村君こそ、ヤツにとどめを刺したのは結局キミなんだから、凄いチカラだよ。」

「まあ、それは、ケガの功名と言うか、棚から牡丹餅というか…以前乗り移ってくれた四次元人の影響ですから、皮肉なことに、むしろ感謝しかないですね。」


「雪村君、アレがチカラの全力って訳でも無いのでしょう?」

 サン・ジェルマンが興味深そうに尋ねる。

「そうですね。まあ、出力としては、ほんの一割ほどですね。」

「そうですか…いつか全力を見てみたいものです。」

 あんな目に遭っても、彼の好奇心は止まらないのだった。


「随分楽しそうね。何の話をしているの?私のサン・ジェルマンと雪村で。」

 そんな事を言いつつ、座っているサン・ジェルマンの後ろから、いきなり雪子が抱き着いて来た。

 彼女は、いつの間にか忍び寄っていたのだ。

 もっともサン・ジェルマンが、ソレに気づかないはずもないのだが…。


「貴女はもうすっかり、私の少年時代を満喫して来たのですね?」

「それはもう、可愛かったわよ?最後には泣きべそまで見せて…。」

「…もうそれは忘れて下さいよ。恥ずかしい…。」

「今なら私、手塩にかけた息子を手放す、母親の気分がよく分かるわ。」


「だ・か・らぁ、貴女のサン・ジェルマンじゃないでしょ!それに母親でもないわ!」

 後から京子が追いすがって来て言った。

「そして、雪村君はわたしのモノです。」

 弓子もやって来た。

「因みに、鷹志は私のモノで~す!」

 由理子もやって来て、鷹志に抱きついた。

 

 結局みんな合流したのだった。

 亜空間レストランは、今やすっかり楽しいカオスになりつつあった。


挿絵(By みてみん)

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