㉔ 初恋は幼馴染
「でも正直に言うと、そのチカラのおかげで、雪村君の私に対する好意にも、とっくに気づいていたの。だからお互いに多くを語る必要も無かったと言うか…。」
「ハイハイ、私は戦わずして、最初から貴女に負けていたという訳ね?」
京子が堪らず口を挟んだ。
「…後は、雪子さんに一席設けて貰って、雪村君とお互いの気持ちを、改めて確かめ合う場面が出来て…なんとか結婚までこぎ着けました。」
「ああ、もう、ごちそうさま。次、私ね?」
それ以上聞きたくないという感じで、京子が喋り出した。
「私は小学校四年生の時に転校してきて、同じクラスで雪村君に出会ったの。
彼は男子なのに、小柄で肌が白くてキレイで、性格も優しくて繊細で、すぐ好きになったわ。私は女子としてはちょっと大柄な方だから、そのキュートな佇まいに憧れもあったかも。」
「へえ、そうなんですねえ。」由理子は、ちょっと複雑な表情で返事を返す。
「それ以来、毎週末のようにウチに招待して、一緒に小説やマンガを読んで語り合ったりしたのよ。」
「ほほう。」
「中学校では同じクラスになったことは無かったけど、一緒に水族館に行ったり、映画を観たりして、交流は続いたわ。」
「ふんふん。」
「私が短大を卒業するまでは、順調な交際だったのよ?」
段々声が小さくなる京子。
「それはつまり…男女の仲という意味で?」雑誌記者のように訊く由理子。
「…いや…まあ、とても仲の良いお友だちと言うか…。だって、私のお母様とも交流があったし…。」
しどろもどろの京子。
「つまりそれは…❝幼なじみ❞ですね?」
とどめを刺す由理子。
「ああ、もう、そうよ!私と彼の間柄は、その域を出なかったわよ!」
降参する京子。
「因みに私のチカラは、先祖代々女系子孫に隔世遺伝する雪女の能力。所謂、氷雪系よ。先日見せた通り、雪や氷を自在に操ることが出来るわ。、そして副次的な能力は…雪村君がどこに居ても、その場所を察知するチカラよ。それについ最近、人魚の肉を食べちゃったから、不老不死でもあるわ。」
「うわあ、凄いですねえ。」またまた微妙な表情になる由理子。
「因みに雪村には、私がどこに居ても見つけて駆けつける能力があるのよ?」
雪子が横からチャチャを入れた。
「最後は私ですね。私は真田由理子。皆さんが大好きな雪村の二番目の妹です。皆さんが入れ替わり立ち代わり、兄に近づいて来るので、いつもヤキモキしてました。私のチカラは動物遣いの能力。色々な動物と心を通わせることができるの。因みに一番大きなお友だちはケツァルコアトルスよ。彼女のお陰で、最近はレアな生物とお近づきになってるの。」
「ケツアゴ…何て?」京子は聞き取れなかったらしい。




