㉒ 答え合わせ
数日後、つまり時代は❝平成❞になった2月のとある日曜日、名護屋テレビ塔の亜空間レストランに4名の女性が集まった。
事情の分からない部分が多い、真田雪村の下の妹こと由理子に、これまでの経緯を説明してあげよう、ということで、サン・ジェルマンが手配して、女性陣にお茶会の席を設けたのだった。
メンバーは由理子、村田京子、酒井弓子、そして真田雪子だった。
「皆さん、集まって下さってありがとうございます。」
まずは由理子から挨拶した。
「今日は、どうして皆さんが、今まで兄の雪村に付きまとう…じゃなかった、親しくして下さっていたのかを、説明して下さるというお話でしたね?」
「それに加えて、先日のあの騒動の件に関してもね?」と京子が口を開く。
「じゃあ、時系列的に言って私からかしら?」
雪子が話し始めた。
「私が最初であり、或いは最後でもあるのだけれど…私の事を説明するためには、まず雪村のチカラの件から言わなければね。」
「お願いします。」と由理子。
「雪村のチカラは鳳凰…つまり火の鳥に由来するモノなの。その能力は先日皆さんが見た通り、軽く四次元人を凌駕するほどに、多岐に渡って絶大なのだけれど、本人が覚醒しない限り発現しないモノなの。」
「…はあ。」
「彼の本来の運命ならば、発現しないまま肉体的な寿命を迎え、85歳で火葬されるのね。」
「…うんうん。」
「それで、飛んで行った遺灰が時空を超えて❝ここ以外の❞あらゆる並行宇宙の過去に散らばって行くのよ。」
「ええっ!?」
「そしてそれぞれの場所で❝灰の数だけ転生した彼の姿❞が、無数の雪子たちって訳なのよ。」
「…そんな。」
「私はその中の一人。自ら❝始まりの雪子❞と名乗っているわ。何故なら並行宇宙の全ての雪子の中で、この事実に気がついたのは、どうやらこの私❝照和の雪子❞だけのようだから。」
「へええ。」
「まあ、でも、この件に関しては、サン・ジェルマンに指摘されるまで、私も気づかなかったんだけどね。」
「ふうん。」
「…なんだか、相槌が雑ね?」
「まあ、お気になさらず。」
よく見ると、由理子はノートにメモを取っていた。
そうよね。そうでもしないと状況を整理できないわよね。
それに、この場に来ていない姉の香子さんにも、報告しなくちゃだしね。
雪子は納得した。
「続けるわよ?」
「お願いします。」
「当初の私は、何故この❝昭和❞の時間軸にだけ私が居ないのか疑問に思い、雪村の事を調べることにしたのよ。」
「…そうだったんですね。」
「それでまず私は、彼の両親、つまり貴女の御両親の出会いの場から、接触を始めたの。」
「え、そこから?」




