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「サン・ジェルマン少年と謎の妖精」(セーラー服と雪女 第15巻)  作者: サナダムシオ


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㉑ 総力戦の果てに

「来ます!」と弓子。

「させるか!」と京子。

 彼女は。何かしようと動いた瞬間のサン・ジェルマンを、すっかり氷漬けにしてしまった。

「まだです!」と弓子。

 サン・ジェルマンの中から、何か白い影のようなモノが出て来た。

 

 鷹志が手元のリモコンスイッチを押す。

 四次元的な攻撃にも対策された、電磁防壁が味方のメンバーを囲む。

 すると白い影が雪子の方に向かう。

「やらせないわ!」と由理子。

 どこからともなくやって来た八咫烏の一群が、一斉に白い影に襲いかかる。

「その子たちは特別よ。魂さえも獲物にできるのよ!」

 

 何とか攻撃に転じようと、上に逃れる白い影。

 それを逃すまいと、更に上方に浮き上がる雪子。

「甘いわね?」

 雪子の両手から金色のエネルギー波が次々に打ち出される。

 それに押されるように次第に下方に落ちて来る白い影を、地上で待ち受ける人影があった。


 それは雪村だった。

『そうだ、またオマエに入ってやる。』

 白い影からそんな声が響いた。

 近づく白い影に対して、雪村は余裕の笑顔を見せながら、徐ろに右手を開いて上に突き出した。

 するとそこから、まばゆい光の玉が生まれ、白い影を包み込んでしまった。


 雪村が右の掌を、ゆっくり握り締めると同時に、光の玉も収束して行き、最後には小さな光の点となり、やがて完全に消えてしまった。

「アナタの敗因はね…。」雪子がもう滅してしまった影に向かって語る。

「…かつて雪村の中に入ったことよ。結果として、それが彼のチカラの覚醒を加速してしまったのよ…ってもう聞こえてないか?」

 雪子は地上に戻って来た。


「お帰り、雪子さん。」

「ただいま。雪村。みんなも元気そうね?」

「お久しぶりです、雪子さん。」と由理子。

「協力ありがとう。八咫烏、凄かったわね?」と雪子。

「すっかり吹っ切れたみたいね?」と京子。

「まあね。」と雪子。

「鷹志君も難しい仕掛けをありがとう。」

「お安い御用ですよ。」と鷹志。

「弓子さんのおかげで、攻撃のタイミングもバッチリだったわ。」

「私には、これぐらいしかできませんから…。」と弓子。


「皆さん、何か大事なことを忘れていませんか?」

 後ろから声がしたので、皆振り返った。

 自力で冷凍状態から身体を回復させた、笑顔のサン・ジェルマン伯爵が、湯気を出しながらそこに立って居た。

「まったく。京子さんも無茶なことをなさる。もしも私じゃなかったら、とっくに死んでますよ?」


「ああ、私のサン・ジェルマン、無事で良かったわ。」と雪子。

「だ・か・ら、貴女のじゃないでしょ!?」と京子。

「あら、少年時代の彼は、私が育てたのよ?」

「そんなの反則よ。私だって今からビートルで行ってやるんだから!」

「中世の時代に、あんな大きな銀色のカブトムシが現れたら迷惑よ。」

「あら、知らないの?私のは黄色いのよ!」


「まあまあ、二人ともその辺で…。」

 サン・ジェルマンと雪村が同時にユニゾンでそう言った。

 由理子も弓子も、あっけにとられてそれを見ていたのだった。


挿絵(By みてみん)

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