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「サン・ジェルマン少年と謎の妖精」(セーラー服と雪女 第15巻)  作者: サナダムシオ


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17/26

⑰ 二人の関係

「ところで、立ち入ったことを訊くようだけど⋯。」

「何かしら?」

「そちらの殿方は⋯貴女の伴侶なの?」

 与利子さんはサン・ジェルマンを指して言った。


「それに、120年後だなんて、まさかこの方も貴女同様、不老不死なのかしら?」

 もっともな疑問である。

「私は祖母に免じて貴女のことを信用するけど、この方の事はよく知らないわ。どうか教えていただけるかしら?」


「こちらの殿方は⋯。」

 雪子さんが話し始める。

「⋯私の伴侶⋯ではないわ。むしろ私の弟のような、息子のような、弟子でもあり、恩師でもある、関係性は複雑だけど、とにかくそういう大切な人物よ。」


「⋯そう⋯なの?」

 与利子さんは納得行かない表情だった。

 きっと自分もそんな顔をしているに違いない、とサン・ジェルマンも思った。


「それに彼は、120年後にここへ、貴女の子孫とお見合いをしにやって来るのよ?」

「ええっ!?」

 与利子もサン・ジェルマンも同時に叫んでしまった。

 雪子は直ぐに、自分が喋り過ぎたことを自覚した。


「とにかく、未来のことを知り過ぎるのは危険なんだから!もう帰るわね。勝手口を使うけどいいわよね?」

 そう言うと雪子さんは、さっさと歩き出した。

 サン・ジェルマンも慌てて、後ろからついて行く。


 すっかり呆気に取られて、口をアングリさせている与利子を尻目に、二人は勝手口から路地へ出た。


「話しかけてもイイかな?」

「どうぞ。」

「まず妖精さん⋯本名は雪子さんだったんだね?」

「そうね。貴方との生活があんまり楽しくて、ついうっかり、言いそびれてしまったわ。ごめんなさいね?」 


「⋯それはもうイイんです。でも120年後の件は⋯?」

「それについては、帰ってから落ち着いて、キチンと説明します。」

「⋯そう⋯なんですね?」

「⋯必ず。だから今はまだ待って。それよりせっかくの京都なんたから、少しお散歩しましょう。」


 二人は歩きながら、やがて下鴨神社までやって来た。

「今後の道中の無事を祈って、お参りして行きましょう。」

「いや、僕はクリスチャンだから⋯。」

「大丈夫。日本の神様は心が広いのよ。」


 そう言いながら雪子は神社の敷地に入って行く。

 しかし、突然振り返るとサン・ジェルマンに言った。


「ああ、言い忘れてたけど、その鳥居の真ん中は通らないでね?」

「ええっ!?」

 危なかった。彼は何とか鳥居をくぐる一歩目を端に寄せた。


「⋯間に合った。でもどうして?」

「真ん中は、神様の通る道ってことになっているの。」

「なるほど。」

「⋯でも実は、他にも意味があるのよ。」


挿絵(By みてみん)

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