① プロローグ
サンジェルマンが何故、タイムトラベル出来るようになったのか。そこに誰が関与していたのかを、「セーラー服と雪女」の世界観で描きます。
コレは、あくまでも作者の勝手な妄想なので、目くじら立てずに、笑って読んで下さいね?(^_^;)
彼女は疲弊していた。
不老不死の身体を手に入れたにも関わらずだ。
彼女はうんざりしていた。
常に前向きな姿勢だったのにだ。
彼女は諦めかけていた。
無限の時間が用意されているのにだ。
それというのも、あの日、あの忌々しい男から、自分の正体について聞かされてしまったからだ。
そして、それまでの希望に満ちた自分の努力が、如何に虚しく、的外れなモノか思い知らされてしまったからだ。
それでも彼女は、めげずに自分の能力のカケラを、可能性のピースを、集め続けて来た。
しかし彼女はそろそろ、何か気分転換になること、気晴らしになることを欲していた。
そしてとうとうソレを、❝たった一つの冴えたやり方❞を思いついたのだった。
「そうよ。彼にも同じ気分を味わってもらうのがいいわ。私も彼の正体を掴んで、いつかその事実を突きつけてやるのよ。」
彼女の能力はタイムトラベル。
しかしそれは、自分の❝照和❞の時間軸と、彼の❝昭和❞の時間軸でのみ、物理的な活動が可能なものだった。その他の並行宇宙では意識を飛ばすのみ。
少なくとも彼女の知る彼は、自らの❝昭和❞の時間軸でのみ、活動可能なはずだった。ほかの並行宇宙の同位体とは連絡を取るのみ、と言っていたはずだ。
彼女は❝昭和❞の時間軸を大きく遡り、彼の生い立ちから探ってみることにした。




