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亀山結衣菜との撮影 6

 その後、亀山さんとともに美味しいひつまぶしを食べ、『雪だるま』を出る。


「青葉先輩っ!また来てくださいね!」

「あぁ。とても美味しかったからまた来るよ」


 葉山さんと簡単なやり取りを行った後、俺たちは握手をして葉山さんと別れる。

 そして撮影を終了するため、近くの公園までやってきた。


「青葉さん。今日の旅はいかがでしたか?」

「とても楽しかったです。今日だけで愛知県全てを満喫できなかったので、また愛知県に来て旅をしたいですね」


 そんな感じで簡単にフリートークを行い…


「今週の旅はここまでです!また来週も見てくださいね!」


 との言葉をカメラに向けて言う。


 こうして亀山さんとの撮影が終わった。




「お疲れ様でした!」


 俺はスタッフたちに挨拶をした後、野村監督へ挨拶をする。


「今日はオファーしていただきありがとうございました!」

「いえいえ。とても良い撮影だったよ。それに男性との撮影は初めてだったから私も良い経験ができたよ」


 そう言って野村監督は笑ってくれる。


「また機会があればオファーをお願いするから、その時は快く引き受けてくださいね」

「はいっ!ありがとうございました!」


 俺は頭を下げて野村監督に礼を言い、最後に亀山さんのもとへ足を運ぶ。


「今日はありがとうございました。亀山さんのボディーガードのおかげで何事もなく撮影が終わりました」

「いえいえ。こちらこそありがとうございました。今回、ボディーガードが成功したのは青葉さんの協力があったからです」


 何事もなく撮影を終えることができたため、撮影中に見られた緊張した面持ちはなくなっている。


「それに撮影自体もすごく良かったですよ」

「ホントですか!?」

「はいっ。地域の方たちとの話し方や対応が素晴らしかったので、とても面白い番組になると思います」

「よしっ!」


 亀山さんの言葉にガッツポーズをする。


「男性が女性に話しかけること自体が珍しいですからね。それだけで視聴率は稼げると思います。それに青葉さんは高飛車な態度を取らず女性の方々へ丁寧に対応されました。なので絶対に変な番組にはなりませんよ」

「普通のことをしただけなんですが……」

「その普通ができない男性が多いのです。なぜなら、今まで私がボディーガードの対象となった男性で青葉さんのように優しい方は1人もいませんでしたから。ほんと、あの時の男性が青葉さんだったら……」


 そう言って悲しい表情をしながら俯いた後、真剣な表情で顔を上げる。


「少し私の昔話に付き合っていただいてもよろしいですか?今回、私の過去や事情で青葉さんを巻き込んでしまいましたから」


 自分の失敗した過去を話すことには勇気が必要だ。

 それを今日出会ったばかりの俺に話そうとしている。

 そのことに嬉しさを感じる。


「いいんですか?」

「はい。青葉さんには話したいと思いました」


 そう言って笑みを見せる亀山さん。


「分かりました。正直、亀山さんの過去は気になっていたので。昔、何があったのですか?」


 俺の問いかけに一拍置いた後、亀山さんが口を開く。


「全てお話しします。私がボディーガードを失敗した経緯とモデルをしている理由を」


 そう言って亀山さんが昔話を始めた。

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