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猩々の魔女と月白の魔王  作者: 花牟礼 噓惡華
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第5話 ハイエルフの片割れ兄妹

「改めて自己紹介を、私の名はベリルンド。そして、こちらが私の双子の妹の」

「マリンと申します。お嬢様の御名前は?」

ベリルンドとマリンかーなんかお洒落な名前だな。

「素敵な名前ですね」

とりあえず褒めてみよう。

もしかしたら話の輪が広がるかもしれないーなんて。

「……本当ですか……?」

えっ?

何この重い空気。

「何も変には思いませんか?」

「えっ?何が?私は特にいい名前だな~って思った以外思ってないよ!」

なんか変な感じになってしまい、思わず早口になってしまった。

「あっありがとうございます!マリン感激です!!」

「あっああ」

よく分からないけど喜んでもらえて嬉しいよ…(笑)

「本当に何も思いませんか……?」

「ちょっとお兄ちゃん!いいじゃん、確認なんかしなくても!私は今すっごく嬉しいの!!!」

少し興奮というかテンションが上がってきたのかマリンさんの敬語が外れてきた。

そして本人もそのことに気が付いたのか、あっと言ったらもの凄い勢いで顔が真っ赤になった。

「申し訳ございません、つい……」

いや、大丈夫。

元の世界だとこんなの日常茶飯事だったから。

寧ろ敬語なんか久しぶりに聞いたし。

「大丈夫ですよ。それとお兄さんが妹さんの名前に関して何を心配しているのかよく分かりませんが、私から見れば、とても素敵な名前だと思いますよ」

少し感じのいいように言ってみた。

でも自信はない。

「ほら、お嬢様もこう言っていますのでね。大丈夫ですよ!」

とりあえず丸く収まってくれてよかった。

因みに、さっきからとっても気になっているんだけど……

「あのさ、2人ってエルフの仲間で合ってるかな?」

尖っている細い耳。

小さい頃絵本で読んだことがある程度だけど、美女美男が集まっているイメージがある。

「えっ、ええ。まあ、正確に言うとハイエルフと言うエルフの上位互換なんですけどね」

なんかよく分からないけど強そう。

「ですが、ハイエルフって言っても双子なんで片割れなんですけどね」

片割れ?

「双子だと片割れになるのは何で?」

「ああ、元々エルフは長命種なのであまり子供を作らないんですよ。そして、この世界の双子は基本2人合わせて1人分の力しか生まれつき持っていないんです。なので、双子は1人単位を片割れと呼び、結構忌み嫌われやすい存在になっているんです。ですが、我々は運よく主様に拾ってもらえましたからあまり虐めなどの実体験はないんです」

へぇ~。生前のシルフィアやるじゃん。

今はその頃の面影が全く見えないほどのおばあちゃんになってるけどね(笑)

「でも、普段は色々と言われがちですが、実際片割れでも十分強いんですから問題ないんですけどね」

「へぇー。因みに、実際強いってどのくらい?」

強いなんて自分で言ってるんだから気になるよね。

「えっっと……どのくらい?」

お兄さん分からないんですね。ハイ。

「仕方ないですね。まあ、お兄ちゃんが前に人間たちの町に行ったのって280年前ぐらいだからね」

結構前だな。

でも2人は話を聞くと多分1000年以上は生きてそうだし、人の思う長いもあっという間なのかもしれない。

「あっ……もうこんな時間…すいません、私は昼食の準備をしてきますので、妹とゆっくりとお話でもして待っていただけますか?」

「あっありがとうございます」

やったぁーーーーー!お昼ご飯だー!

「では失礼します」

そう言ってベリルンドは部屋を出ていった。

「えぇっと、私たちの強さを説明する前に、この世界の強さのランク付けの仕組みを説明しましょうか。

じゃないと分かりませんしね…(笑)」

うん。ほんとそれ。

「人も魔物も、この世界を生きる全ての生物(動植物も含む)は全て同じランク基準で強さを測られます。種族でのランクはその種族を人間視点から見た平均的な強さによって決まります。大体は人間が「こいつはヤバイ」と思った種族を上から順にランク付けしている感じです」

そこは人間視点なんだ(笑)

「で、1個体のランク付けは、『62』!こういう水晶玉に自信の魔力をこめることでランク付けされます」

そういってマリンさんは私に水晶玉を手渡した。

結構軽い。石なのに……。

「試してみます?」

「じゃあ、是非」

それにしても魔力ってどうやって入れるんだろ?

力をこめればいいのかな…?

私が軽く力をこめると水晶玉の真っ白な霧が軽く渦巻くと鮮やか赤色に変わった。

「うわぁ……きr」

「おおぉぉぉぉぉおお兄いちゃぁぁああああんやばああああああああいい!!!」

えっあっ……頂きました。本日2回目のとんでもヴォイス。

なんだろう、段々慣れてきた。

「なんですかあ!もう大声ばっかり出していると喉が潰れますよ!」

やってきたベリルンドも息を切らしながら結構な大声で部屋にやってきた。

「だってぇ、だってぇえ!水晶玉が!水晶玉がぁあああ!あっ赤色に!!!」

「えっ??!今何色って?」

なんか?相当ヤバイ?

「……あの、お嬢様…一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「うん……」

なんか凄く嫌な予感がする……。

「お嬢様、なんかの間違いで魔女になったり、魔王になったりしているなんてことありますか?」

魔王……魔女……魔女……魔女?

「あっ……そういえばシルフィアが転生するときに魔女の刻印がなんとかとか言ってたから……」

「なってるんですね……ハイ」

本当に色々と振り回してしまいごめんなさい。

遅れました。

ごめんなさい。

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