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四郎、父上におねだりをする

鉄砲生産地か海外貿易港が無いと鉄砲の価格は中々下がらないです。

鉄砲製造絡むと、いろんな産業が数珠繋ぎで必要なります。


今回、祖父と寅王丸の事も父上に願いしました。


2020 2/27 段落の頭、一字下げる。

 四郎は太郎兄上の先走りの事で、改めて父上から釘を刺された後、そろそろ父上は出兵すると言ってた事を思い返して、武田家の軍装備の事を思案し始めた。


 父上は、前世の知識では新兵器導入に積極的で、記録によると1555年(天文24年、弘治元年)第二次川中島合戦の時に信州旭山城に籠城した、栗田永寿に鉄砲三百丁を援軍三千と共に送ったと記録されてる位だから、当時採掘してた甲州金を多く使って新兵器購入に力を入れていた事がわかる。


 この鉄砲と言う新兵器は、当時一丁甲州金七十五両と言う莫大な値段で取り引きされてたらしい。


 それもこれも武田領内で鉄砲を生産する鉄砲鍛冶がいなかった事と、畿内の商人を通じての取引になる為、とんでもない値段になったと思われる。ちなみに織田信長は堺と江州国友村を抑えていたから、鉄砲一丁十貫で入手していたと思われる。


 こりゃ他の大名は勝ち目ないわな。


 だが俺が転生した先が、未来の武田勝頼になる予定の赤子なんだから、織田家を始め戦国の世で家を滅ぼされない為にも最新トレンドに乗り遅れる訳にはいかない。


 歴史上、鉄砲伝来は1543年の種子島が最初と言われてるが、それより十年も前に関東では鳥脅しと言う名で明を通じて伝来して、後北条氏は領内の鍛冶に鉄砲二十丁を生産し、作った鍛冶達に感状を送ったと言う記録があったな。


 種子島銃が有名になったのは、それ以前の鉄砲は殺傷力など余り期待されておらず、敵兵を脅す役割だったと言う。矢を放ってる中で鉄砲も放って、矢の中の鉄砲の脅威を印象付けるのが種子島銃以前の使い方だったらしいが、東国にも鉄砲を生産する技術があるのなら、武田領内にて生産したい。


 ここで必要なるのは鍛冶職人、硝石、硫黄、木炭、上質な鉄があればなんとかなるかな? 硝石はよく知られる硝石丘法と武田領内の各地の洞窟で集めれそうだな。ああ、そういえば家畜の鶏や豚の飼育を普及させれば、より一層硝石造りが可能だな。


 あと鉄砲や将来の大砲生産に大量の鉄鉱石がいるな。


 確か信州諏訪郡のどこかに露天の鉄鉱石が出てた処があったな。ここに鉄鉱山と反射炉作って、鍛冶村の拠点が作れないかな。


 あー、耐火煉瓦も必要になるな。 確かアルミナやシリカの鉱物を混ぜ込むんだったけ、シリカはケイ素でガラスの材料だから、入手出来そうだな。そういえば煉瓦あれば、武田領内各地に半永久稜堡を各地に作れるかも。


 ケイ素手に入るなら、ガラス製品も製造も視野に入れるのも良いか。


 半永久稜堡を建設するとしたら、コンクリートも生産する必要もあるから、どこかで生産を考えるか。なんせ前世の織田・徳川・北条連合軍が同時に攻めてきた悪夢があるから、領内の防衛は常に研究しないと。


 どれも十年単位の話になるのだから、今のうちに計画立てないと。


 じゃあ、まずは資源探しを考えるか。俺が知ってる甲斐信濃の資源の事を父上に教えて、それ等の使い道と探索の許可を貰わないと。あ、そういえば俺に一人忍びを付けてくれると言ってたな。早く紹介してもらうか。



 ____________________________________________________________



 俺は母上に抱かれながらも、傅役の安部加賀守に頼み口述筆記によって、手紙を父上宛に書いて貰う事にした。



「四郎様、どのような事を手紙を御書きなされるのですか?」



 加賀守は、俺が父上に何か良案を意見具申する手紙だと思って、内心ワクワクした気持ちを言葉に隠しきれてないようだぞ。


『 拝啓父上 まずは先日の太郎兄上が絡んだ騒動で、僕の教えた知識によって兄上の民を想う感情を抑えれなくなった事で、父上に無断で百姓に教唆する事を察してやる事を出来なく、誠に申し訳ありませんでした。


 今回、父上に手紙を送り申したのは、武田家の軍備増強に繋がる話です。


 まず近年九州にて、鳥撃銃より強力な種子島銃と言うのが出回ってます。銃と言うのはここ関東では、北条家が鳥撃銃を運用してますが敵兵を討ち取ると言うより、射撃音で脅すと言う効果を利用しての運用をされてきました。


 しかし種子島銃ならば、練度が低い女子供でも敵将を討ち取れる程の強力な武器です。これからの時代は種子島銃の多寡が、合戦の勝敗を分けると思われます。


 商人を通じて、購入する事が出来れば宜しいのですが、各大名が種子島を求めて値段も跳ね上がり、求めてる数も手に入らない状況になると思われますので、我が武田領内で鉄砲を生産する事を具申します。


 他国と違い周囲を山で囲まれた武田家は、地下に鉄砲造りに必要な資材が埋没してる事が前世の記憶によりわかってますので、是非鉄砲製造の政策の許可をよろしくお願いします。


 また武田家には、若狭分家の人脈に武田新五郎信久が、上方で武野紹鴎と名乗り武具商を行っております。


 武田新五郎を通じて、武田家の武具購入を進めて、上方商人への伝手作りを創り上げたら宜しいかと思います。 


 あと信州諏訪蓼科中央高原には露天の鉄鉱山があり、その価値は甲州の金山に並ぶと思われる次第で、その地に新たな新型鉄炉(反射炉)の建築を具申します。


 その際、新たに職人育成が必要ですので、やる気のある鍛冶職人、石工職人、細工職人、大工職人を派遣してください。


 そして諏訪鉄鉱山を領内に持つ祖父諏訪頼重殿、嫡男寅王丸殿を作事奉行に任じてもらい、鉄鉱石生産及び鍛冶村管理の責任者にしてください。


 まだまだ父上には御伝えしたい事がありますが、出兵する父上の御武運を諏訪大明神に御祈りいたします。四郎 』



 俺は、安倍加賀守に書いて貰った書状を父上に届けさせた後、兄弟達が講習の為、そろそろ訪問してくると思ってた時に、以前父上が防諜を兼ねた担当者を付けてくれると言っていたが、父上からの書状を持って訪問してきたのは、十代半ばの元服してない稚児の恰好した少年、それが小笠原源与斎だった。










小笠原源与斎 土御門系吉田氏傍流の陰陽師であり、武田家所属の軍配者。武田家の軍配者は幾人かいるが、山本勘助晴幸が武田家で仕官して軍功上げた為、まだ十代の若輩者であった源与斎は陰陽師の神変(式神)を使うのが得意だが、馬場美濃守を始め外連味(けれんみ)嫌うを武辺者の甲州武士からは、神変で勝利を得ても実力で勝利した事は無いないと源与斎の陰陽術を好まれてなかったが、前世のファンタジーなど知識で知ってる四郎からは、最初出会ったときからウマが合い重用される。

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