プロローグ
今、私の目の前には友人がいる。
目の前というか馬乗りされている。
さっきから泣き叫びながら私のお腹を殴っている。
一週間ぶりに会った彼女は以前と変わらず笑ってくれていたのに。
確かに少しやつれていたけれど会いに来てくれた事が嬉しかった。
私のせいで彼女の人生は一変した。
元々は自業自得のような気もするが、キッカケを作ったのは私だと思う。
……あれ?
さっきまであったお腹の熱さが消えてる。
なんか寒くもなって来た。
短い人生だったなと思い、家族や友人に対しての罪悪感からか苦笑がこぼれた。
?「ごめんね。(私って)バカだね。(このまま)死ぬの?」
呟いた言葉に対して、友人は更に激昂したかのような表情をした。
そして彼女の両手は私の胸目掛けて振り下ろされ、私の意識は遠のいていった。
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オギャーという声が高々と響く。
どこかわからない場所で私は産声をあげた。
?「おめでとうございます。
元気な女の子ですよ。」
誰かの声が聞こえるが、生まれたばかりの私には世界が眩しすぎた。
周りが何を言っているかも理解できない。
私に出来る事などただただ泣き喚くだけ。
私の周りには複数人の気配がある。
だからといって何か出来る訳でも無し。
今日この日から私の人生が始まった。
どうやら走馬灯のようだ。
走馬灯にしても赤ん坊からスタートってどうなの?
これは私の人生を綴った日記のようなものである。
たぶんだけど。