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リンちゃんの異世界?日記  作者: 焼きプリン
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ヤンナの街

 とりあえず熊の前脚を処分したい。聞くと冒険者ギルドか商業ギルドで売れるらしい。


「熊の手といえば高級食材らしいもんね。手だけだから、大したことはないだろうけど、宿代にならないかなぁ」


 ゴブリンの強さからすると、冒険者としてやっていけるとも思えないが、モンスターの強さや冒険者の強さを調べるために、まずは冒険者ギルドに向かった。


 ギルドは昔の西部劇に出てくる酒場のような店構えだった。


 戸を押し開いて中に入ると視線が集中し、全身を舐め回すように見られた。


『まあ、今は凄いスタイルの良い女の子だから仕方ないね』


 内心溜め息をつきながら辺りを見回すとカウンターの女性と目があった。


「ご用件は?」


「これ」


 複数の人がいるところでは、現地語を使わなければならないが、まだ単語しか憶えていない。


「素材の売却ですね?大きな熊の手だけど、これだけだと商業ギルドで売った方が高くなると思いますよ」


 モンスターでもなければ、全身でもないから、肉としてくらいしか価値がないのだそう。


「わかった。あと、ゴブリン、強さ、知りたい」


 あのゴブリンが雑魚なら冒険者はやめておこう。


「ゴブリンは単体でCランク、集団でBランク、ゴブリンキングでAランクです」


「一番弱いのはF?」


「そうです。しかし、Fランクは魔物ではなく、草食動物です。兎や鹿など。Eランクで雑食動物と小型の肉食動物、ワイルドボアやウルフなど、Dランクで大型肉食獣や魔獣、シルバーウルフやグリズリー、サーベルタイガーなどです。Cランク以上は知性を持つ魔物で、道具や魔法を使います。」


『なんだ、ゴブリン様魔物の中じゃ最弱じゃん。こりゃ冒険者は厳しいね』


「この辺りは森のゴブリン以外の魔物はほとんどでないので、この街では冒険者といっても、ほとんど狩人です。グリズリーの手を一撃で切り落とせる腕があるなら、Cランクくらいにはなれると思いますよ」


「分かった、ありがとう」


 Cランクのゴブリン様が切り落としたんだから、そうでしょう。冒険者は無理としても、ゴブリン以外の魔物がいないというのはありがたい。森に近付かなければ良いのだ。


 早々に辞去して商業ギルドに移動。こちらは市役所の出張所のような感じで、カウンターと待合い用の長椅子、書類記入用のテーブルしかない。


 カウンターの女性に声をかけた。優しそうなタレ目の可愛い女性だった。巨乳だ。


「これ、売りたい」


「かしこまりました。ギルドカードはお持ちですか?」


 ふとすると巨乳に意識を持っていかれそうになるが、慌てて答えた。


「ない」


「では入会が必要です。只今入会キャンペーン中で、入会金、入会手数料が無料になっております。年会費もDランク以下は無料で、売り買いの際に販売手数料が一割、税金が一割掛かります。なお退会にペナルティーはありません」


「分かった。お願い」


「では申込書を記入してください。代筆しますか?」


「お願い」


「はい、まずお名前は?」


「リン」


 受付嬢は手際良く書類を作製していく。くっそりサイコメトリーで、単語の意味を読み取り記憶しておく。


 といっても住所などの項目はないので、数ヶ所のみだ。低ランクは行商人が多いため住所は不定が大半だそうだ。


 無事ギルドカードが作成され、手渡される。米軍のIDタグのような金属製の小さな板で首から掛けるための革紐がついていた。


 熊の手は銀貨五枚で売れ、銀貨四枚が手渡された。ついでに安くて安全な宿を聞く。


 宿屋は二軒しかなくどちらも大差ないそうだ。近い方の宿に行くと幸い部屋も空いていた。

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