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リンちゃんの異世界?日記  作者: 焼きプリン
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酒場にて

「マウトト山に魔王が降臨したらしいぞ」


「なにが魔王だ。酔っ払ってるのか?」


「そうだぞ、第一、マウトト山なんて誰が確認したんだ。

 あの山は、特殊個体だけで構成されたオーク共の縄張りだぞ? あれのボスなんて、サイクロプスよりデカいらしいじゃねぇか」


「いや、何でもそのボスが倒されたらしくて、それを倒して傘下におさめたのが魔王らしい」


「だから、誰が確認したんだよ? サイクロプスよりデカいって、下手したらSランクだぞ? 他の特殊個体共だってA-ランクらしいじゃねぇか。

 そんなところに行って帰ってこれる奴なんて、この辺りにいるのかよ?」


「なんでも、ギルドでオークの狩り場を聞いてきたFランクの新人に、これまた馬鹿な新人がマウトト山の麓を教えたらしいんだよ」


「ええーっ!? バカじゃねぇか!? 死んじまうぞ! この辺でオークの狩り場っていったら、マウトト山じゃなくて、スウトト山の森だろうが!」


「そうだぜ!オークはB-ランクの魔物だが、マウトト山にはA-以上しかいねぇからな」


「だから、慌てたギルドマスターが自らそいつ等を追いかけたんだと」


「ああ、なるほど、ギルドマスターならあそこに行けるかも知れんな」


「それでな、今は現役じゃないから流石のギルドマスターも見つかるとヤバいってんで、コソコソ隠れながら探し回ってたら、オークの集落に着いちまったんだ」


「ほほぅ、それで?」


「そしたら、普通のオークより二回り以上デカい、馬鹿みたいに厳ついオーク共が円陣を組んでやがってな」


「なんだ? 新人が捕まってたのか?」


「いや、円陣の中は見えなかったらしい。だってよ、そのオーク共、全員2mあったらしくて、そんなんじゃ見えるわけねぇよ」


「そ、そんなデケェのか、あそこのオーク共は」


「それだけじゃねぇって、腕の太さが普通のオークの腹ぐらいあったって話だぜ」


「怖ぇーな、行かなくて良かったわ」


「そんで、それより更にデカいボスっぽいのが出てきたんだけど」


「さ、更にデカい?」


「おい、いくら何でも、それは嘘だろ」


「まあ、聞けって。俺も聞いた話だから、本当かは分からんが、周りのオークより50cmくらいはデカかったんだと。胴回りは、その辺の特殊個体の三倍くらい。

 それがな、雄叫びを上げて円陣の中心に突っ込んでった途端…


「「ゴクッ」」


「ボーンッ!」


「な、なんだよ! ビックリさせんなよ!」


「なんだよ、ボーンッ!って!」


「いや、爆発したんだって」


「い、一撃ってことかっ!?」


「魔法かっ!? そんな威力の魔法ってあんのか?」


「いや、分かんねぇって。見えねぇんだから。デカいのは上にハミ出てるから見えてるだけなんだからな」


「そ、それで、どうなったんだ!?」


「その魔法?が魔王の仕業ってことか?」


「お前ら、焦りすぎ。まだ、前座だぜ?」


「「ぜ、前座っ!?」」


「おう。それで終わったかと思ったら、周りの木がベキベキへし折れてよ、もっとデケェのが、ご登場よ」


「「も、もっとデケェの!?」」


「ああ、もう訳分からんくらいデカくて、それこそサイクロプスよりデケェってくらいだったらしい。サイクロプス見たことねぇけど」


「オレも見たことねぇ」


「オレも」


「まあ、超デケェわけよ、コレが。多分噂のボスオークなんだろうな。

 そいつがよ、これまた雄叫び上げて突っ込む訳よ」


「お、おい、まさか!?」


「マジかよ!?」


「また、一撃よ。まあ、これは爆発しなかったらしいんだけど」


「また、一撃っ!?」


「Sランクなんだろ!?」


「だから、S+?SS?SSS? Sランク以上なんて聞いたことねぇから、なんて言うのか知らんけど、そういう奴が居たんだろうな」


「お、おい、大丈夫かよっ」


「俺らもどっか逃げた方がいいんじゃねぇか?」


「まだ、終わってねぇっての。

 ほんで、その山みたいなのが倒されて、周り囲んでた厳ついのが、一斉にひれ伏したわけよ」


「はー、そりゃ魔王だな」


「魔王だ、魔王。どんなやつだった?」


「バァカ、お前、考えてみろよ。お前らだったらどうよ? 魔王の姿見れるか?

 だって、周りひれ伏してんだぞ? こっちから見えるってことは、向こうからも見えんだぞ!?」


「そりゃ、無理だっ!」


「無理無理っ! 小便ちびるわ」


「だろ? だから、どんな姿かは分からんのよ。

 これだけだと、魔王か分からんだろ? だってよ、新人がアホほど強かったって可能性もあるじゃねぇか」


「ああ、そういや、新人いたな」


「でも、新人じゃねぇんだろ?」


「まあな。ま、コイツが魔王なんだが、それも大魔王!」


「なんで分かんだよ」


「お前が分からんって言ったんだろうが」


「それがな、なんと…」


「「もったいぶんなっ!!」」


「自分で名乗りやがったのよっ!!」


「「マジでか!!!」」


「おう、マジもマジ、大マジよっ!

『大魔王クッコロの名において命ず、思うままにせよっ!』だったかな?

 それが、妙に綺麗な声っつうか、可愛い声?だったらしくて、それが逆に超怖ぇって」


「そうだな、威圧するまでもないってことだな」


「いや、あれじゃねぇか、伝説にあっただろ、神の右腕で最高位の大天使が、神に敵対して大魔王になったってやつ」


「そう、それよっ!

 伝説では大魔王の名前まで知られてなかったけどよ。逆に言や、誰も知らない伝説の大魔王が名前名乗ったんだよ。

 誰も知らねぇんだから、名前騙りようもねぇし、そんな強えのに他人の名前騙る必要もねぇじゃねぇか」


「「ってことは…」」


「そういうこと。マジもんの大魔王、伝説の大魔王降臨ってわけ」


「や、やべえ!!! 早く逃げようぜ!」


「そうだ! 早く行こうぜ!」


「待てって。どこに逃げんだよ? 神の右腕だぜ? どこに逃げても無駄、一緒一緒」


「じゃあ、どうすんだよ!」


「まあ、最後まで聞けよ。

 で、ギルマス、ビビってしばらく動けなかったんだけど、気が付いたらオーク共が居なくなってて。

 慌てて帰ろうとしたんだけど、テンパり過ぎて帰る方向が分かんなくなってよ。

 ま、基本だわな、方角確認。山の方向見りゃ後ろが街だろ? で、山の方見た訳よ。

 そしたら、見たこともねえデケェ宮殿が建ってんの! オーク共や人間を見下ろすように!」


「そ、そういうことかっ!」


「そこに繋がるんだな」


「山の中腹辺りの崖の上に建っててよ、ありゃ、この街まで見張られてんぞってなったわけ」


「ええーっ!」


「こ、この街だよなっ!?」


「そう、この街。だから、あんまり分かりやすく逃げようとしてたら、速攻殺されんじゃねぇ?

 ほら、言ってただろ? オーク共に好きなように殺れって」


「「どうすんだよ!?」」


「どうしようもねぇよ。もう詰んでるんだから。まぁ、ギルマスは流石に動いてるみたいだぜ」


「ギルマス?」


「ああ、伝書鳩か何か知らんが、各地のギルドに連絡とって、最強の討伐隊を組むらしい。

 SSランクとかいるのか知らんけどな」


「そんなランク聞いたことねぇな」


「そうだな」


「逃げ出しても殺されるだけだし、俺らに出来るのは、こうやって情報を共有しとくことだけだ。

 知らずに殺されるより、知ってる方がマシだろ?

 それに、知ってりゃ攻めて来られたときに、下手に抵抗して殺されるより、一縷の望みに掛けて隙を見て逃げ出せるかも知れねぇからな」


「なるほどなぁ」


「ちょっと途方もなさ過ぎて信じ切れない所はあるが、心構えはしておけるな」


「ああ、命あっての物種だからな」


「「違げぇねぇ」」



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