あの時のわたしは
恋愛事というのはとくに、その時の選択によって様々な結果を生むものである。ゲームのようにその時の選択肢が出てくるわけではないので、私たちは知らず知らずのうちに選択を繰り返している。その選択がハッピーエンドなのかバッドエンドなのかすらも決められてはおらずその人によることなのだ。だから、わたしも今のこの状態が、わたし自身にとってよいことであったのかはたまたわるいことであったのかはわからない。しかし、もしタイムマシーンでもなんでもよいがあの時のあの瞬間に戻れるなら、もっとわたしが満足のするような結果になっていたのではないかと考えるのだ。あなたは部屋を出て行く時、「またね。」といった。仕事に行くあなたをわたしはドアまで見送るべきだったのではないか。その些細な行動はあなたの心をつなぎとめるのに十分な効果があったのではないだろうか。しかし実際そうしたところで、わたしが思う通りにはたしてなったのかどうかというとそれはわからない。だが、あの時のわたしが悔やまれてならないのだ。