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外伝 歌姫編3

 事務的な手続きを進めるルーデルたちは、簡単な状況を説明されるために王家――現国王の【バルカ・セレスティア】に面会する事になった。


 だが、バルカに面会できるのはルーデルだけである。


 理由は差別的な物であり、クルトア人でないイズミと亜人であるミリアが謁見に相応しくないというセレスティアの判断であった。


 慌ただしい城内では、ルーデルが謁見待ちで待たされている。監視役として残された騎士に見張られながら、ルーデルはセレスティア側の資料を読む。


「……火山までのクレア王女様の護衛は問題ないとして、出発までの二日間の護衛は俺一人では難しいな」


 そこに記されていた内容は、ルーデルがクレオの護衛を行うという物だ。ルーデルは相手が他国の王女ともあって、二日間を共に行動するのは限界があると感じていた。風呂、トイレ、着替えなど、男では傍にいるのが難しい。


 ルーデルの謁見待ちは、既に一時間以上も待たされている。そんな中で、ミリアが椅子に座りながら、紅茶を飲んでいた。落ち着いているように見えるが、内心では腹立たしいのか見張り役の騎士たちへと視線を向ける。


「ルーデルだけが謁見するのは分かるけど、対応が酷すぎない? それに大事な王女様を守るのに他国の騎士を頼るのは少し問題があるわよね」


 ミリアの言葉に、騎士たちが睨みつけてくる。イズミは紅茶を飲みながら落ち着いたものであった。


「セレスティア側にも準備があるだろう。それに、私たちは少々早く着き過ぎたからな」


「限度があるわよ。それに謁見といっても、国王に執務室で会うだけよ? 言っては悪いけど、ルーデルは次期大公なのよ。扱いが軽すぎるわ」


 ミリアの怒りは当然とも言えた。自分たちが軽んじられていると感じても、しょうがない。対して、ルーデルは相手側を待たせる理由も、外交上の駆け引きとして記憶していた。だが、それは格下に行う際にとる行動だとも知っている。


 小国セレスティアは、ルーデルの実家よりも領地は狭い。


 城塞都市の周辺には活火山があり、その周囲に町や村が点在している。人口も百万人に届いていなかった。


 温泉などもあり、旅行者を受け入れて外貨を獲得もしている。特産品である果物を果汁酒にし、それを輸出もしている。悪徳貴族であるルーデルの両親が治めるアルセス領よりは、活気があるのは事実だ。


 しかし、他国の騎士を頼る。大国に喧嘩を売る態度。それらは身の丈に合っていないと感じても、不思議では無かった。


「……今は一騎士として任務に来ている。扱いが軽いとも思わないよ。それより、王女様の護衛が問題だな。俺では風呂や着替えについていけないぞ」


「セレスティアから女性騎士を出すんじゃない?」


 ミリアが適当に発言すると、ルーデルは首を横に振る。


「残念だがセレスティアに女性騎士は存在しない。兵士も同様だな」


 国が違えば風習も違う。クルトアでは当然となりつつある女性騎士も、ここでは異端でしかないのだ。ルーデルは、謁見を許されない理由は、そうした風習も関係

しているのではないかと考えていた。


 限られた騎士という枠に、女性が入る事を許されていない。クルトアには周囲に小国が存在するが、中でも特殊なのがセレスティアである。


(厄介な任務だな。交渉はしてみるか)


 自分だけでは護衛は難しいと思うルーデルは、何かしらの準備がセレスティアでされていなかった時には、イズミたちにも協力して貰う事にした。


 すると、待合室に執事風の男が現れる。


「ルーデル・アルセス殿。準備が整いましたので、王の執務室へご案内いたします」


 資料を置いて立ち上がったルーデルは、騎士服を正して歩き出す。イズミやミリアが、視線を送ってくるので軽く頷いておいた。



 王の執務室へと入室を許されたルーデルは、部屋で休憩するバルカ王に挨拶をする。


 だが、王はルーデルの方に体を向けない。


(ふむ。団長が言っていた通りか。小国の態度ではないが……)


 政治的な判断は、ルーデルの立場では口が出せない。そうして挨拶を終えて立ち上がったルーデルに、バルカは休憩用のテーブルに置いたカップを手に取る。


「少し彼と話しをしよう。他の者たちは下がってくれ」


 バルカの言葉に控えていた騎士や使用人たちがその場を去る。部屋の外に待機するのを感じるルーデルは、バルカの言葉を待った。


 バルカが仕事用の豪華な机の上へと視線を向ける。


 そこには書類の山が六つも出来ていた。


「すまないね。娘であるアレが襲撃されてから忙しくて敵わんのだよ。本来なら謁見の間を使いたいが、未だにクルトアへの反感を持つ重鎮も少なくない」


(王女をアレ扱いか? どうにも好きになれそうにないが……)


 反感とは、八十年前の戦争の事だろう。ルーデルはそう感じるが、これは反感というよりも侮りに近いと考える。


 そして、娘の事をアレと呼ぶのも気になった。バルカは、視線を今は季節的に使用されていない暖炉の上へと向ける。そこには画家が描いた家族らしき人物たちの絵が三点飾られている。


 クルトア内の資料から、一枚はバルカの王妃と子供たちが描かれていた。二枚目は青い髪をした女性と小さな子供が二人――こちらは中央に置かれている。他の二枚よりも大きかった。


 そして、三枚目だけがルーデルには不自然に感じられる。


 バルカの若い頃の絵だろう。彼の右手は青い髪の幼い女性へとかけられている。そしてバルカは中央に位置しており、妙に左側が寂しい。


(誰かが抜けているような感じだな。だが、王が三枚の中で一番の笑顔だ)


「……家族の絵だよ。私が守るべき大事な家族の、な。さて、いつまでもこのままという訳にはいかない。仕事の話しをしてもいいかな、ドラグーン」


 明るい緑色のストレートロングであるバルカは、自身の髭を撫でながら仕事の話をするために真面目な顔になる。三十代後半の王は、若い部類だが貫録は十分にあった。


「資料は確認させて頂きました。護衛の任務は引きうけます。ですが、流石に自分一人では王女の護衛は難しいかと」


「安心したまえ。こちらからも人を出す」


「護衛の方々は男性でしょうか? 自分は信頼できる女性を回すべきかと判断します」


「……残念ながら、護衛をこなせる女性はいないのだよ」


「こちらに上級騎士一名と、親衛隊の騎士が一名同行しております。彼女たちにも護衛の任務に参加させて頂きたいのですが?」


「ふむ。好きにしてくれて構わない。わしとしては、二日後に出発してくれればなんの問題も無いからな。明日には儀式用の道具も揃うだろう」


「ありがとうございます。それと、この二日間の予定はどうなっておられるのですか? 資料には書かれていませんでしたが」


 バルカは髭を撫でるのを辞めると、窓の外を眺める。


「アレには自由な時間を与える事にした。最後だからな。今は妹や弟たちと過ごしているはずだが、大事な時期だ。家族と過ごして気持ちが揺れるのは避けたい。引き離した上でなら、アレの希望を聞いてくれて構わんよ」


 自国の王女――娘をアレ呼ばわりするのは、理由があるのかとルーデルは思案する。聞けば、生贄として差し出されるのだ。それを思うに、気持ちの問題として既に心の中で整理していてもおかしくない。


 ルーデルはその後、細かな事は護衛を任せる騎士に聞けと言われて執務室を後にする事になった。部屋から出る時に、バルカの声がかかる。


「ドラグーン。アレは哀れな娘だ。しっかり守ってくれ」


「……お任せください」


 ルーデルは、それがバルカの本心であるのかまでは、判断が出来なかった。


(随分と大変な任務を引きうけてしまったな)


 サクヤのご機嫌取りと思っていた任務だが、城へと来てから妙な感じがしてならなかった。



 イズミとミリアを連れてルーデルが向かったのは、サクヤがいる広場であった。


 そこに、王家の者たち――王族の子供たちが、騎士に守られながらドラゴンを見学している。サクヤは子供たちを見ながら、首をかしげていた。


「大きい!」

「姉さま、これがドラゴン? でも、神様の方が強いよね?」

「こっち向けよ、デカブツ!」


 最後の言葉を吐いた子供には、ドラゴンの素晴らしさが理解できていないのだとルーデルは悲しい気持ちになる。


(やれやれ、一日あれば俺がドラゴンの素晴らしさを叩きこんでやるものを)


「ル、ルーデル。目が怖いわよ」


 ミリアが心配する中で、ルーデルは目つきを戻して騎士に囲まれた女性へと近付いた。騎士たちの視線が厳しいのは、自分たちの仕事を奪われたからであろう。ルーデルは、そう思いながら一人の女性へと近付いた。


「失礼いたします。ルーデル・アルセスです。この度、クレオ王女様の護衛につくように命令されました」


 洗練されたクルトア式の騎士礼をするルーデルは、周囲の子供たちの様子を見る。青い髪をした女性は二人。他は幼い緑色の髪をした子供と、茶髪の子供である。絵で見たよりも成長している姿だった。


 十代後半の女性――クレオが、青い髪で似た顔立ちを持つ妹の手を離してお辞儀をしてくる。


「この度はクルトアからのご助力、大変うれしく思います。私の護衛を引きうけて下さったルーデル殿にも感謝を」


 笑顔である。とても二日後に命を失うとは思えない。


(覚悟、なのだろうな)


 ルーデルは発言に注意しながら、軽く王女と会話を交わす。そして、控えていたイズミとミリアを紹介した。


「クルトアの女性騎士の方ですか? それに親衛隊? 申し訳ありません。クルトアの情勢には疎くて」


「構いません。親衛隊は最近になって組織されました。外国の方が知らないのも無理はありません」


 ルーデルが対応しながら、王の執務室にあった絵を思い出す。この場にいる子供たちのほとんどが描かれていた。だが、一人だけ描かれていない人物――それがクレオだと気が付いたのだ。


(家庭の――いや、国家の事情という奴か)


 詳しくは聞けないだろうと思いながら、ルーデルはクレオと話しをする。


「それにしてもドラゴンとはこんなに大きいのですね。私は初めて見たのですが、白くて綺麗で驚きました」


『褒められた! ルーデル、サクヤは褒められたよ!』


 ビクッと体を反応させたのは、クレオである。周囲には咆哮しているようにしか見えないのか、騎士たちが王族の前に立って構えていた。ルーデルにしてみれば、嬉しそうな鳴き声にしか聞こえない。


「褒められて喜んだだけです。ですが、クレオ様はお目が高い。この子はドラゴンの中でも特別可愛い子でして、名前をサクヤと言います。ほら、額の青い宝石なんか綺麗でしょう。それに四枚ある翼を広げたらもう美人で――」

「ルーデル。ルーデル! 王女様が困っているから!」


 イズミがすぐに興奮したルーデルを抑えると、ルーデルは反省しながらクレオに頭を下げた。


「失礼しました」


「いえ。ドラゴンがお好きなのですね。でも、少しだけ気持ちは理解できます。この大きな背に乗ってどこかへ行きたいと思うのは……」


 本音なのだろうが、本人は気が付いていないのかも知れない。ルーデルは、クレオを背に乗せる事は出来る。だが、許可を誰に取ったらいいのかと考えていた。すると、兵士を連れた騎士が現れる。


(緑色の髪?)


 その騎士は他の騎士よりも目立っていた。いや、ルーデル的に言えば、実力が抜きんでていると感じたのだ。だが、その後ろにいる兵士たちは、とても精鋭には見えない。三人組の兵士は、サクヤに怯えながらも駆け寄ってくる。


「姫様、ここにおられたのですか? 陛下より伝言があります」


「……はい。あ、ルーデル殿、こちらはエミリオです。私の護衛をして貰っていました」


「護衛には自分も加わります、姫様」


「あら? そんな話しは聞いていませんでしたけど……分かりました。エミリオ、またお願いしますね」


「はい」


 クレオは嬉しそうにエミリオと話していた。対してエミリオは事務的に対応している。ルーデルは、騎士が何故か無理をしているように感じた。バルカからの伝言と聞いて、家族と引き離す事だと瞬時に理解する。


 エミリオが伝言を告げると、やはりクレオの表情が曇った。そして、王族の子供たちを集めて別れの挨拶をしている。


 気丈だと思っていると、騎士――エミリオは、その姿を見ている瞳が鋭くなる。まるで怒りを感じているようであった。


「あ、あの……」


 ルーデルが振り返ると、そこには軽装の鎧を着た兵士たち三人が並んでいる。


 一人は髭面。一人は細身で背が高く。そしてもう一人は小柄で小太り。一見すると、とても兵士には見えない。


「何か?」


「い、いや。外国の騎士と話すなんて滅多にないもんで。その……」


「兄貴、頑張って!」

「兄貴、ファイト!」


 髭面の男を応援する二人を見た後に、イズミとミリアに視線を向けた。すると二人は、分からないという風に首を横に振る。


(喧嘩を売っている訳ではないようだが)


「お、俺たちも護衛に選ばれたから、挨拶をしておこうと思ったんだ。いや、騎士様の礼儀とか知らないもんで、どうしていいのか分からねーが」


 無理した言葉使い。そして態度――ルーデルの身分を考えれば、決して許されないだろう。大国クルトアのドラグーンに、その態度はないだろう。というのが、一般の認識である。


 しかし、ルーデルは笑顔で右手を差し出した。


「ルーデル・アルセスだ。今回は俺も分からない事が多い。助けて貰えると助かる」


「お、おう! 任せてくれ」

「ドラグーンと握手した! 兄貴凄ぇよ!」

「お、俺も握手!」


 三人組と握手をするルーデルは、傍に寄ってきたイズミに声をかけられた。


「いいのかい?」


 何が、とは言わない。だが、イズミが何を心配しているのかは理解していた。ルーデルは、異国の地でドラグーンを――そしてクルトアを代表している。あまり軽い対応に応えるのは不味い面もあった。


「いいさ。気持ちは伝わったからな。それより、二人にも護衛の任務を押し付けて悪かったね」


「問題ない。私の専門分野だ」


 今でこそ、特別監視官などというルーデルのお目付け役のイズミだが、元は上級騎士だ。警護に関してはルーデル以上に詳しい。


「ミリアも悪いな」


「い、いいわよ、別に」


 顔を逸らしたミリアに、ルーデルは何が不味かったのかと頭を悩ませる。イズミとは違い、ミリアの気持ちが少しも理解できていなかった。


「兄貴、あのドラグーンは女心が分かっていないんじゃないかな?」

「止めておけ、パサン。ほら、人の恋路を邪魔すると……あれ? 何に蹴られるんだっけ?」


 ベンがポノを見ると、ポノも考え込んでいる。だが、思い浮かばないのか、ドラゴンを見上げていた。


「ドラゴンに蹴られると痛そうだね」

「それだ! パサン、ドラゴンに蹴られちまうぞ」

「そ、それは勘弁してほしいんだな!」


 三人組がサクヤを見て怖がっていると、ルーデルは言う。


「サクヤは蹴りよりも拳の方が――」

「ルーデル、そこじゃないから」

「……なんでこんなに馬鹿なのよ」


 イズミがルーデルに間違いを指摘すると、ミリアは溜息を吐いていた。



 一方――。


「ねぇ、なんでこんなローブとか持っているの?」


「あ、これって便利なんですよ。特殊な繊維で編み込まれて、魔法による探知を掻い潜れる優れものなんです!」


「なんでそんな物を持っているの! そっちの方が怖いよ!」


 アレイストとネイトが、黒いローブを着て路地裏を歩いていた。壁には矢印が書いてあり、それを辿って目的地にたどり着く。クルトアの王都とは違った迷路かと思う路地裏を歩き、アレイストは口元を押さえていた。


「それにしても迷路みたいだし、臭いはきついし……こんな所に私用ってなに?」


 ネイトは黙って橋の上にいくと、その場で橋の上に座り込んで手の平を置く。そのまま周囲を見渡すと、頬をかいていた。


「戦闘が起きてないので何も痕跡がありませんね。表通りは人通りが多過ぎて痕跡は消えていますし……無駄骨かな」


「こ、ここまで来て無駄骨!?」


 アレイストが驚いていると、ネイトはフードを深くかぶりなおす。すると、その場から走り出した。素早い動きに、アレイストは驚くと遅れながらネイトを追いかける。すると、橋を越えた先で同じようにローブを着た集団に出くわした。


 だが、ネイトが短剣を喉元に突きつけている。壁に押さえ付けられたフード男の足元には、ナイフが落ちていた。それをネイトが蹴ってアレイストの元に滑らせる。


 拾い上げたアレイストは、そのナイフの刃に鈍い光を感じる。ベタベタとしている液体が塗り込まれていた。


「先輩、触らない方が良いですよ」


「こ、これってまさか……」


「毒ですね。それも強力な部類です。痺れを引き起こす類ですけど、下手をしたら後遺症を残しますよ」


(えぇぇぇ、ナイフにも驚いたけど、ネイトって何者なの?)


 今までハーレム要員の一人だったネイトだが、天才剣士であるセリや、虎族の長の娘であるジュジュといった個性派ぞろいの中では比較的大人しい部類の子だと思っていた。だが、アレイストは認識を改める必要があるのを感じていた。


 ネイトが何かを呟くと、ローブの男は力が抜けたのかその場に座り込む。そして、目の焦点が合わなくなっていた。


「どこから来ましたか?」

「……ガ、ガイア」

「え! ガイア? 観光客かな」


 アレイストが必死に考えている所で、次々にネイトが質問をしていく。だが、ある程度の所で二人に矢が放たれた。通路の奥から聞こえる矢を放つ音に、素早く反応したのはアレイストである。


 アレイストは腰に差した二本の剣を引き抜くと、矢からネイトを守るために飛び出した。両手の剣を払うように振ると、矢が弾かれて壁に叩きつけられる。すると、通路奥からローブ姿の男が飛び出してきた。


 同時に、建物の上からも襲い掛かってくる。


「先輩、この場は逃げましょう」


「お、おう!」


 自分たちよりも、仲間らしき男の救出に来た男たちから逃げるアレイストとネイト。だが、アレイストは――。


「あ、あのさ……これって凄く不味いよね」


 迷路のような路地裏を駆け抜けながら、ネイトに言う。すると、ネイトはフードをかぶったまま舌を出して自分の頭を拳でコツンと叩いた。


「凄く不味いですね。テヘ」


「全然可愛くねーよ! 何してくれてんの! というか、何をしようとしたの!」


 アレイストの悲痛な叫び声が路地裏に響いた。


 運が良かったのか、それとも見逃されたのか。二人をローブ姿の男たちが追いかけて来る事はなかった。

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