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形と壁

 昼休憩を挟み、ルーデルはサクヤの背に乗ると空へと舞いあがる。


 青空が広がる空は、昼を過ぎた事で日の光が強くなっていた。だが、相手を見ると太陽の事など頭から離れてしまう。


「またウォータードラゴンが相手だな」


『今度は負けないよ!』


 サクヤが空中で拳を相手に向けて何度も突き出すと、相手のドラゴンは笑っていた。何を思ったのか、ルーデルに語りかけてくる。


『その子がおばさんのお気に入りだろ。少しは期待しているが、怪我しないように注意しろよ。俺の相棒は結構厄介だからな』


「ハハハ! 酷いな、スピニース」


『……特にお前は注意しろよ』


「理由は分かりませんが気を付けます」


 ルーデルは、スピニースが何を言いたいのか理解していなかった。だが、この場で聞くのも野暮と思い、今は試合に集中する。上司との一騎討ちに、今は心が躍っていた。自分の知らない世界では、まだ強い連中がゴロゴロしている。


 それがルーデルにはたまらなく嬉しい。まだ上を目指せると、喜んでいる。


「では、楽しませて貰おう」

『どうせ後ろを狙うんだろ』


「来るぞ、サクヤ!」

『ミスティスの事をおばさん呼ばわりした事を言いつけてやる!』


『いや、だって俺の伯母さんだし。俺の母ちゃんの姉さんね』


「本当ですか?」


 空の上で意外な事実を聞いたルーデルだが、それを合図にキースは動き始めた。


「話はここまでだよ。ここからは、僕の美技に酔いしれるがいい!」



 空の上を見るドラゴンと三人は、キースの乗るウォータードラゴンの動きに見とれていた。


「いつみても綺麗に飛ぶ」


 ウォータードラゴンの滑らかな鱗が、光に反射して空を輝かせていた。その姿もそうだが、先程のベネットと違いは「鋭さ」である。


 力任せとは違い、まるで空の上で相手の動きを読んでいる。サクヤの動きを読み、ルーデルの光の盾を簡単にあしらっている。破壊も出来るだろうに、わざと避けながら毎回後ろを取っていた。


「小隊長のドラゴンは強いのですか?」


 ミリアがベネットへと声をかけると、ベネットは顔を動かさないまま答える。その動きを見て、少しでも技術を盗もうとしていた。


「いや、ほとんど差はない。寧ろ、私の相棒であるヘリーネの方が強いだろうな」


『年下には負けないわよ。それにママの娘だし』


 胸を張るヘリーネの声に「そうだな」と答えると、空の上では残像を見せるウォータードラゴンの動きに、サクヤが翻弄されている。サクヤが攻撃しても、残像を攻撃しているようなものであった。


 キースが魔法で水の分身を用意したのか、それともドラゴンが用意したのか、どちらでも無いのかも知れない。


(本当に才能というのは恐ろしいな)


 ベネットにも才能が無いわけではない。だが、その差は歴然と存在している。


「中隊長、ルーデルは本当に弱いのですか? 私には信じられません。あそこまで遊ばれるルーデルを見た事が無い」


 イズミの心配そうな声を聞くと、ベネットはイズミが勘違いをしている事を知る。だが、ソレをどう伝えたものかと思案するが、上手く伝えられるか不安だった。


(う~ん、人に教えるにしても難しいな……)


 そこで、ベネットは自分とキースに例える事にする。


「ルーデルは強い。ハッキリ言えば、私よりも強い。まだ戦い方が幼いだけで、訓練をすればすぐにでも私に追いつくだろうな」


「中隊長にも勝てるのですか?」


「あぁ。だがな、空中戦でエルロンに勝つのは難しいだろうな。あいつのドラゴンが空中戦を不得手としている。そして私もそうだが、エルロンのドラゴンはウォータードラゴンだ。四種中で、もっともバランスがいい」


 灰色ドラゴンよりも優れている野生のドラゴンだが、四種の中でどれが最強かという問いの答えは出ていない。ドラグーンにしても感情論があり、最強を決められていないのだ。自分のドラゴンがもっとも強い。


 誰もがそう思う。そして、ベネットも同じである。


 キース・エルロンと空中戦をすれば負けるが、自分の相棒はスピニースよりも強いと確信しているし、他の種族にも負けないと思っている。


 それは、ウォータードラゴンに弱点が少ないからである。


 水中でも活動できるために、水中に特化したドラゴンと思われがちであるが、実はそうではない。


 水中も得意としているのが、ウォータードラゴンだ。ウインドドラゴンよりも遅いが、スピードなら二番手だ。レッドドラゴンよりも火力に劣るが、そちらも二番手だ。ガイアドラゴンよりパワーが無いが、そちらも二番手だ。


 故に、特出する物がなくともバランスに優れている。そして、個体によっては全てにおいて優れたドラゴンも存在していると、ヘリーネから聞かされていた。


「簡単に負けていましたが?」


 イズミの疑問に、ベネットは当然のように答える。だが、内心では伝わるか不安でしょうがなかった。


「簡単に負けているように見えたのは、そうなる様に仕向けたからだ。相手の好きな事をさせない。得意な戦闘に持ち込ませない。情報を持っているから出来た戦い方でもあるな」


 いまいち理解していないイズミとミリアに、ベネットは溜息を吐いて二人の顔を見た。本当はキースの戦闘技術を見ていたかったが、後輩にあたる二人に教える事も重要だと割り切った。


「勘違いをするなよ。我々ドラグーンは、国の精鋭部隊だ。その中で、学園を卒業したばかりのルーデルが戦えているのがおかしい。学園を十番以内の成績で卒業した。学園でもほとんど敵がいなかった。そんな連中がゴロゴロしている部隊だぞ」


「そ、それでも実力差が激し過ぎます」


「そうだな。私から言わせて貰えば、私とルーデルにほとんど差はない。いや、力や剣術に魔力などは、明らかにあいつの方が上だな。そういう意味では、私の方が弱い」


 理解していない二人を見ると、ベネットは内心で焦り始める。力が強いから勝つという、単純な理由でない事を伝えるのに苦労していた。


「あいつに足りないのは経験――技術的な物だ」



 息を切らせたルーデルは、後ろから迫るキースとスピニースを横目で見ると盾を作り出す。その数は数十枚にのぼるが、相手はまるですり抜けるかのように紙一重の動きで追いすがってくる。


 いやらしいのは、一定の距離を保ちつつ迫っている事だろう。


「ドラゴンとて後ろは見せてはいけないな。でないと、簡単に狙われてしまう」

『お前が言うと意味深に聞こえるな』


「ハハハ! さぁ、もっと抵抗してみ給え!」


「くっ! (まさかここまで強いとは思っていなかった。どうしてここまで違う!)」


 こちらの攻撃が当たる気がしない上に、相手が地形を利用するという事をしていないのもルーデルを焦らせる。


 圧倒的な実力差を前に、団長の時とは違った危機感を持っていた。


 自分の実力が下でも喜べるルーデルだが、サクヤが絡むと話は違う。自分ではサクヤを守れないのかと、心が焦ってしまうのだ。大事に想い過ぎている。


『後ろばっかりついてこないでよ!』


 サクヤが後方へと向きを変えたが、その瞬間にはサクヤの前方から後方へとスピニースは移動していた。サクヤが振り向く前に、すでに移動を開始していたのだ。


(読まれている?)


 空の上で(モテアソ)ばれるルーデルとサクヤは、キースとスピニースに手も足も出なかった。


 ヘリーネの時は、攻撃さえ当たればと思っていたサクヤなど、相手に恐怖を抱き始めている。


『もうこっちにこないでよぉぉぉ!』


『それって酷くない?』


 余裕のある相手に、ルーデルはサクヤを必死に操ろうと焦るのだった。



「焦り始めたな。動きが悪くなるから、余計にエルロンの術中に陥る」


「何かの魔法ですか?」


 ミリアは空の上での戦いに、目を向けながら質問をしていた。ベネットは、きっと素人目にも力量差が分かるのだろうと思うと、二人に先程の続きを説明する。


「個人差といえば聞こえはいいが、才能というとどうにも嫌に聞こえると思わないか」


「……ルーデルには才能が無いと?」


 イズミの思いつめた顔に、ベネットは首を横に振る。


「ドラグーンになった者に才能が無いなどと言えるものか。私が言っているのは、個人差という物は絶対に存在するという事だ。種族によってもそうだ。我々獣人系の亜人なら特に身体能力が高い。だが、魔力は低い。そこのエルフは人並みの身体能力だが、魔力は明らかに人間よりも多いだろ?」


「ま、まぁ」


 ミリアが種族的にそうであると認めると、ベネットは話の続きを語り始めた。


「ドラグーンにお前の姉がいただろ。リリム中隊長だ」


「はい」


 ミリアが姉の話になると、表情が真剣な物へと変わっていた。イズミも、ベネットの話を注意深く聞いている。


「リリムに才能があるかないかで言えば、ほとんどの物は才能があると答える。そしてカトレアに関して言えば、皆が口を揃えて天才という。私も間違っていないと思う。特にカトレアはここ最近で実力の伸びが凄い」


 ベネットは、やる気のないカトレアがドラグーンとしてもそれなりの実力を示していた事を思い出していた。ここ数年で真面目になったのが良かったのか、実力は伸びている。


 昔からやる気が無くても教えれば出来たのだ。人が数年がかりで覚える事を、一月、ともすれば一日で習得してしまう。これを天才と言わずしてなんというのか。


「あの……それとルーデルにどういう関係が?」


「あぁ、そうだったな。つまり、私が言いたいのは、あいつも同じで周りから見れば才能があるという事だ。当然だ。精鋭である我々に才能無しという者がいる方がおかしい。才能が無ければその前にドラゴンが認めない」


「でもルーデルには少し違った事情が――」

「そうだな。だから言わせて貰えれば、結果論だ。強い奴を前にして、誰もが後から才能があったと言う(いけない! 話しが変な方向に進んでいるよぉぉぉ! 言いたいのは才能の事じゃなくて形なのに!)」


 自分が失敗したと思いながらも、ベネットは伝えたい事を二人に告げた。


「私が言いたいのは、ルーデルは十分に化け物だという事だ。少し経験を積むだけで、あいつはすぐに私も抜くだろう。ハッキリ言えば、いくつか小手先の技術を覚えてしまえば格段に強くなる。そういうレベルの話だ」


 ベネットは、無理やり話の方向性を修正すると、そこから言いたかった事を述べる。


「才能も磨かなければ意味が無い。そして、我々には磨く時間が限られている」


「訓練時間が無いという事でしょうか?」


 イズミの問いに笑い出しそうになったベネットだが、そこは堪えて持ち直した。


「いや、最強を目指すための時間が足りないのさ。人生は短いからな。だから私も、そしてエルロンも、リリムもカトレアも――全てのドラグーンが自分の形を求める」


 ベネットが自身の強さを磨いたように、キースは空中戦を磨いたのだ。どちらが良いと言えば、時と場合による。単独で行動する任務も無いわけではないので、ベネットの選択が間違いとも言えない。


 多くのドラグーンがキースと同じ道を選ぶ。それだけドラゴンが強力であるからだ。そのために少しでも上手く操ろうと多くの訓練時間を必要とする。結果的に、選ぶしかないのだ。


 ――自分の、そしてドラグーンとしての在り方を。


「ドラゴンを有した事で、選択肢が増えたのがドラグーンだ。だが、同時に捨てなければいけない物も出てきた。今回の試合も、ルーデルに自分がどうなりたいのかを見せたかったのさ。人に言われるのではなく、自分で形を選んでほしいから」


 三人と一頭が空を見上げていると、いくつもの水球が爆発してサクヤが落ちてきた。試合が終わると、辺りは水浸しになる。


(誰もが実力があって、空の上でも強い騎士に憧れるけど、それって無理なんだよね。カトレアちゃんも数年間を無駄にしたから両立できるか分からないし)


 水浸しのルーデルとサクヤが地面に激突する所を見たベネットは、少しだけ期待する。カトレア程の才能も無ければ、リリム程の魔法の才能と時間も無い。そんなルーデルが――


 今はか弱い自分にも、そしてエルロンにも歯が立たないルーデルが――


(もしも両立できるなら、それはきっと才能とかじゃないのかもね)


 ――いつか全てを乗り越えてしまいそうに見えるのだった。



 そろそろ戻りたい一行だが、最後のルーデルとキースの試合が残っていた。


 だが、キースはどうにもやりたがらない。


「もう遅いので帰りませんか? 日も暮れますよ」


「何を言っている? まだ十分に時間はあるだろう。それにすぐ終わるのだから、時間など関係ない」


(それだけ俺と小隊長に力量差があるのか……だが、それを受け入れなくては)


 ルーデルが両手で頬を叩いて気合を入れると、心配するイズミとミリアが声をかけてくる。ボロボロになったルーデルを、これ以上は見ていられないのかも知れない。


「さぁ、やりましょう、小隊長!」


 ルーデルが声を張り上げると、イズミとミリアも渋々と離れていく。そして、ベネットが何かを言う前に、キースがルーデルの前に出た。その手には、木剣が握られている。


「ふっ、君にそこまで言われたら黙っていられないな」


 しかし、キースの相棒であるドラゴンは、何故か心配していた。ベネットも、呆れた顔をして離れていく。だが、どうにもベネットと試合をした時よりも、全員の位置が近かった。


『あんまり無茶するなよ』


(そんなにも実力差があるのか? 確かに有名人ではあったが……)


 ドラグーンの事を調べていたルーデルにも、キースの情報は何度も耳にしている。同じ団員から恐れられているので、きっと強いのだと思っていた。


 木剣を構えると、集中してキースを見つめていた。


「さぁ! どこからでもかかって来てみたまえ!」


「行きます!」



「小隊長ぉぉぉ!」


 ルーデルが一撃で倒してしまったキースを目の前に、イズミたちはキースを抱き上げるルーデルを見ている事しか出来なかった。


「ほら、すぐに終わっただろう」


「……あの、ベネット中隊長。エルロン小隊長は、その」


 イズミが聞き難そうにしていたが、ベネットはキッパリと告げる。


「あぁ、凄く弱い。こと、一対一の戦闘では、ドラグーン内でも最下位だ」


 すると、ミリアが二人の会話に割り込んでくる。目の前の出来事が信じられないのか、ベネットに詰め寄っていた。


「でもさっきは、自分の方が総合的に中隊長よりも強いって!」


 ベネットは腕を組むと、小首をかしげる。その姿に、イズミが癒されたのは秘密だった。


「おぉ、確かに総合評価ではあいつの方が上だな。なにせ空中戦は確実に五本の指に入るから、確か私よりも順位が高かった。一つか二つはあいつの方が高い」


 倒れているキースを見て、イズミの視線は冷たい物に変わっていた。


 ドラゴンの操縦に特化したキースは、確かに評価的にはベネット以上である。しかし、戦闘も空中戦もこなすベネットと比べると、どうしてもイズミにはキースの順位が高いのか疑わしくなってきた。


(こいつに怯えていた自分が憎い)


 その日から、イズミは実力行使でキースからルーデルを守ると誓ったのである。


「イズミ最近変よ?」

「う、うむ。確かに怖いな」


 自分に怯えるミリアとベネットに、どうすればキースの危険度が伝わるのか悩むイズミであった。



 数日後、ルーデルはベネットの下を訪れていた。


 既に夜も遅かったが、持っていた携帯食料を食べつくしてしまったのだ。ベネットの下に、イズミたちが寝静まってから訪れている。


「美味いか?」


「はい!」


 夕飯の残りをごちそうになりつつ、ルーデルはベネットに本題を切り出した。携帯食料が無くなったのは事実だが、その気になれば海に潜って魚を取ればいいと思っているのがルーデルである。


 それをしないでベネットの下に来たのは、理由があるからだ。


「中隊長、自分はもっと強くなりたいんです」


 ルーデルの言葉に、寝間着のベネットは腕を組んで椅子に座っている。今日はくまさん柄のパジャマである。帽子までかぶっており、実に可愛らしい。


「お前は十分に強い。それに私が教えられる事は少ないぞ。それこそ、小手先の技術や、実戦を通しての物になる」


「構いません! それで強くなれるなら、俺はどんな技術でも学びます」


 ベネットは、ルーデルが空にした皿を受け取ると、夕飯の残りが入った鍋からまたスープを注ぎ、ルーデルへと差し出した。


「教えるのは構わない。だがいいのか? 私の技術より、単純に自分を鍛えるだけでもお前は強くなるんだぞ」


 すると、ルーデルはおかわりしたスープを飲み干して答える。


「構いません。今以上に鍛えます。技術も学び、自分も鍛えます」


 ベネットがこめかみを指先で揉むと、呆れた顔をした。しかし、溜息を吐くと少しだけ下を向きながら笑っている。


 その表情を見て、ルーデルは厳しい隊長が笑ったと驚いてしまう。


「欲張りな貴族様だ。まぁ、貴様にはそれくらいが丁度いいのだろうな……明日からは覚悟して貰う。それからエルロン!」


「何?」


 ひょっこりと現れたキースは、扉を開けてベネットの台所に入ってきた。ルーデルも驚いているが、呼びつけたベネットは頭を抱えていた。


 本当にいるとは思っていなかったのか、それとも予想通りで嫌になったのか? ルーデルには理解できない。


「まさか本当に来ているとは思わなかったが……まぁいい。明日からはお前もルーデルの訓練に付き合え。拒否するこ――」

「明日から厳しいぞ。早く寝たらどうだい、ルーデル?」


 ベネットの話の途中だったが、キースが命令に従ったのでベネットは少し納得がいかない様子だが、頷いていた。


 ルーデルは、明日から二人に鍛えて貰えると知ると、嬉しくなって立ち上がる。そして頭を下げるのだった。


「よろしくお願いします!」


「任せろ」

「あぁ、それでは一緒のベッドに……」


 キースがルーデルを誘おうとした所で、台所のドアが乱暴にあけられた。見れば、寝間着である浴衣を着たイズミが、刀を持ってその場に現れていた。三人の視線が集まる中で、ベネットは少し驚き、その表情にキースも一歩下がってしまう。


 少し首を傾げ、無表情で現れたイズミは、部屋が暗い事もあってとても怖かった。


 しかし、ルーデルだけは――


「聞いてくれイズミ! 俺は明日から、隊長たちに訓練を付けて貰う事になった。これでまた強くなれる」


 喜んで報告するルーデルに、イズミは笑顔になる。先程の無表情で少し髪の毛が肌に張り付いて様子とは違い、今は一緒になりルーデルと喜んでいる。


「良かったな、ルーデル。それから少し待っていてくれるかい? そこの不法侵入者に話がある」


 笑顔から無表情に戻し、刀を鞘から抜くイズミを、ルーデルとベネットが必死に止め、キースは悔しそうな顔をしながら退散するのだった。


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