電話
それから蘭と細川先輩は
毎日のように電話をした。
蘭は自然と清貴先輩と呼ぶようになった。
清貴先輩もいつのまにか
蘭と呼んでくれた。
電話越しでAM11:00一緒に歌ったり、清貴先輩があゆの曲が好きだからよく流してたっけ―…。
いろんな話をした。
毎日何時間も。
部活の話や学校の話。
好きなアーティストとか音楽とか。
清貴先輩は3B LAB.★とか、あゆとかが好きだった。
いつのまにか蘭は〇TAYAに行ってCD借りて清貴先輩が好きな物に夢中になっていた。
とくに3Bの“プレゼント”“星の砂”は2人との思い出の曲。
毎日電話をしても話が尽きる事はなかった。
学校ではあまり会えなかったので、この時間だけが唯一、清貴先輩と蘭の時間。
私は好きだったんじゃない。
先輩として仲がよかっただけ。
清貴先輩は優しい人だから、私以外のソフト部の子とも連絡を取っていたから。
だから私だけは特別だなんて思ってもいなかった。
ある日蘭は同じソフトの友達のユキと話をしていた。
その話とは清貴先輩の事だった。
内容は清貴先輩が好きだと言う事。
蘭が清貴先輩と仲がいいから協力してほしいと言う事だった。
蘭は迷わず返事をした。
『協力するよ!』と。
蘭はこの後、この言葉のせいで後悔するなんて思ってもみなかった…。
数日後、中学初めての運動会。
蘭はこの日を楽しみにしていた。
なぜなら学校生活の中では、学年が違う清貴先輩の事をあまり見れないからだ。
部活などは見ていたがそれとはまた違う。
それに清貴先輩は、リレーの選手。
応援をたくさんしようと心に決めていた。






