運命の人へ~約束は守るためにある~
【約束】皆も一度はした事があると思う。しかし、それを君は守り抜いたか、裏切ったかは別の話だ。
【約束】それは守り抜いてこそ価値がある。
「なつき!! 今日は新作のケーキ食べに行くって本当か!? 俺、今月は金が無いんだよ!!」
「えっ!? ちょっと!!なんで知ってるのよ?? しかも、ゆぅとなんか行かないしっ」
えーっと、この子は彼女です……、正直めっちゃ可愛いです。
え?聞いてないですか。そんなこと言わないでください。
さて、ここからが物語りの始まりです。
貴方は、約束を守り抜けますか?
満開の桜が咲き誇る季節とは真逆の、食欲が湧いてくるという伝説がある季節。
奇跡とよべる確率の中、二人は出会った。
「別に付いて来なくてもいいのに」
「俺が一緒に居たいだけだし。気にすんな」
「そう言われてもさぁー……」
ほっぺを膨らませて、不満顔をしている女の子は、俺の自慢の彼女。なつきは常に意地っ張りだ。実は喜んでいる事など、俺にはバレバレである。
「そんなに喜ぶなって」
「喜んでなんてないっ!!」
俺、ゆうは一足早く、彼女の機嫌取りに大晦日並みの働きぶりを見せていた。
そんな広葉樹が紅葉をやっと始めた頃の事の話。
俺らは二人で歩いていた。
「ぅ……嘘……だよな? いつもの軽い冗談だよな……」
「ゆぅ……嫌だよ……」
「冗談じゃないのか……」
「ごめんね……」
別に別れ話ではない。まだ、そのほうが良かったのかもしれない。
ここで、終わりにしたほうが百倍楽だ。
だが、俺はこう告げた。告げてしまった。
「ずっと一緒にいよう」
「……うん」
二人は一緒に歩む約束した。そう、約束をした。
話の内容はこうだ。
なつきが引越しをする。
つまり、転校し、離れ離れになる。
奇跡とは一握りの運命である。
出会った奇跡を喜び。離れ離れになる奇跡を呪う。
そんな矛盾が彼らを包んでいた。
転校までの一ヶ月間、二人は正直になれずにいた。
今までより仲良くしなければいけない期間を棒に振っていた。
「なつき。また明日な」
「うん。そうだね」
一緒にすら帰らなくなっていた。
二人の約束だけがそんな深い溝をギリギリのところで留めている。
引越し当日
俺は見送りにも行けなかった。
(こんな顔……見せられるかっ!!)
涙でぐちゃぐちゃになった顔で、後悔の表情を浮かべる俺が鏡の中にいた。
数日後
ブゥーブゥー
携帯の着信音が、耳に入る。
しかも、着信音はとある一人の女子だけに与えた特別な音楽だった。
俺はベッドから飛び起きる。
携帯を机からひったくり、メールを読む。
『ゆぅ。元気出してね!!』
そこには笑顔の彼女がいた。
約束が繋ぎ留めた一つの運命
彼らはそれがなくなる事を恐れてはいなかった。
季節はぐるりと反転して、蝉が鳴き始める頃。二人は再会を果たした。
残念ながら、運命的な再開ではなかった。必然的な再開。二つ目の約束だった。
「なつきっ!!」
「ゆぅ!?」
一つ目の約束があるからこそ二つ目の約束が出来る。約束事の基本である。
「本当に来てくれた……。来てくれないと思ってた……」
「俺はなつきとの約束は、破った事ないよ」
でも、それは一時的な再開。別れはその日にやってくる。
「これ、渡すの忘れちまった……」
帰りの電車の中の俺の手には某外国大企業の日本一の人気を誇る遊園地のメインマスコットを模した時計があった。
彼女の為に用意した、初めてのプレゼントだった。
俺はここで気付くべきだった。運命があるなら、時計を渡せない理由がこれから先の運命にあるという事に。
また、秋がやってきた。出会った季節。そして、別れの季節にもなろうとしていた。
「別れて」
一言だった。これで全ての約束が崩壊した。
俺は必死になって、約束を紡ぎ直そうとした。
一度破れたものは直らない。
そんなものが脳裏に浮かぶ。
だが、俺はこうも思う、約束は守るために作るもの。
つまり、相手が破ったから、自分も破っていい道理はないはずだ。と……。
皆さんこんにちは。
約束の守り人です。
この度は、私の小説を読んでくれてありがとうございます。
私は中学3年男子です。実際の名前もゆうです(笑)
今回は初投稿になりますが。半分は実際に有ったお話です。
少し書き方を変則的になってしまいました。まとまりが無いですね……。
そこの改善等にも努めたいと思います。
このような短編は長編を書くための経験値積みにしています。
是非、長編を楽しみにしていてください。
では、また私の小説が貴方の目に留る事を祈り、
今日はここで筆(?)を置かせていただきます。