再会
のろのろペースですがお付き合いいただけると嬉しいです。
ありえない・・・。
森崎千草は目の前に立っている男から視線をそらす事が出来なかった。
体は凍りついたかのように動かない。
「榊悠也です。本日から2ヶ月ですがお世話になります」
「あ~本社からの助っ人で来てくれた榊くんだ。この若さでかなり仕事ができる!榊くん期待してるからな」
「ありがとうございます」
部長の高瀬からの言葉に悠也は笑みを浮かべて頭を下げた。
大学時代の時よりも痩せ冷たい雰囲気。
しかし相変わらず整った顔は部署の女の子たちに人気のようで黄色い悲鳴が上がっている。
視線をそらせずにいると悠也と目が合った。
悠也は驚きに目を見開いたがすぐに笑みを貼り付け高瀬へと視線を向けた。
そんな悠也を千草は無意識に目で追ってしまう。
「森崎くん」
高瀬に呼ばれた千草はすぐに悠也から視線をそらした。
「何でしょうか」
「そろそろ森崎くんにも大きい仕事をしてもらってもいい頃だと思ってな。今回の企画榊くんにやってもらおうと思ってるんだがその補佐を君にやってもらいたい」
え!?
大きい企画に関われるのは嬉しいけど悠也の補佐!?
すぐに断ろうと口を開きかけたがそれよりも高瀬が先に「頼むよ」と言って話を終了させてしまった。
結局言いそびれた千草は請け負うことになった。




