表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぜんぶ夏のせい  作者: 湊人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/16

並んだ背中


八月に入るころには、店の忙しさにもすっかり慣れていた。


観光客が増えて、昼過ぎはずっとバタバタしている。


「颯太、テラスお願い!」


「了解!」


グラスを持って外に出ると、日差しがまだ強かった。


海からの風だけが救いみたいに吹いている。


テーブルを片付けて店内に戻ると、カウンターの奥で渚と涼真が並んでいた。


二人とも、同じ方向を向いてコーヒーを淹れている。


会話はしていなかった。


でも、静かすぎる感じもしなかった。


ただ自然に、同じ時間を使っているみたいだった。


「なにその職人感」


俺が言うと、渚が振り向いて笑った。


「邪魔しないで」


「してないって」


涼真は少しだけ口元を緩めた。


それだけだった。


渚は何かを思い出したみたいに言う。


「ねえ涼真くん、この前言ってた映画ってさ」


俺はグラスを拭きながら手を止めた。


会話は続いたけど、内容はよく聞こえなかった。


別に仲間外れにされたわけじゃない。


ただ、話の流れに入るタイミングが見つからなかった。


「颯太、それ乾いた?」


「あ、うん」


気づくと、同じグラスをずっと拭いていた。


店の外で風鈴が鳴った。


その音だけが、少し遠くで鳴っている気がした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ