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僕の大好きな人

【キラサイド】


 僕は咄嗟(とっさ)に動く事しか出来なかった。

 なんで、こっちに来ちゃったのかなぁ…ちょっと、(くや)しい……

 でも、なんか、後悔(こうかい)とかは、ないんだよね…


 目の前のイツキが(あせ)っているように見える、そんな顔、するんだ…。

 僕はイツキの顔を見つめながら、手を()ばそうとした…けど、手が無いことに気付いた。


 あぁ、僕の自慢(じまん)毒爪(どくつめ)、なくなっちゃったぁ………これじゃ、イツキの意味が、なくなっちゃうなぁ………


 「………!……………!!……!」


 何?何言ってるの?ごめん、なんか耳、聞こえない………

 (ほほ)に冷たいものが落ちてきた…

なんだ、イツキも(なみだ)って持ってたんだね。


 頭、()でて、ほしい………。

声に出せたか、どうか分からないけど…イツキは頭を()でてくれた。


 あぁ、やっぱりイツキの()()では、気持ちいいな…(あった)かいな………


 僕はどんどん体温が(うば)われていくのを感じながらも、幸せな気持ちになった。


 最後(さいご)に、僕の、大好きな人…


 守れて、よかっ……………





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