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湯気消えた空に雲一つ

作者: 蓮薔薇 揺麗

私の分まで用意してくれた紅茶


湯気が漂い空に沈む時間は


私に与えられた猶予と余暇


そうだというのに貴方は


あっという間に飲み干してしまう


香りを楽しむ余裕すら与えられず


私も急いで喉に流し込めば


湯気はもう何処にもない


貴方と離れたくないなんて我儘は


猶予の身分では許されない


ただ会釈の一つで終わらせる貴方を


気に食わないと思ってしまうことは


言葉にしなくとも伝わるだろうし


こんな私にも与えられた自由だ


おかわりの一杯は私一人

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