トラック01 カワイイ妹が耳かきをしてあげます♪(4分30秒)
なんだか最近、耳がおかしい。
どうもやけに敏感すぎる。
「兄さん、朝ですよー・・・」
耳元で少女がささやく。
「・・・ふふっ♪ かわいい寝顔ですね・・・♪」
優しい声で更にささやく。
「ずっと見てたいかも・・・でも、こーーんなにカワイイ妹が起こしてるんですから、そろそろ起きてください♪」
起こしたいのか寝かしたいのかよく分からないトーンで、妹が俺を起こそうとささやいてくる。
・・・まてよ、俺は一人っ子のはずだ。
「わっ!・・・もう、どうしたんですか?そんな血相変えて飛び起きて・・・」
「ひょっとして・・・怖い夢でも見たんですか?ぷぷぷっ♪情けないんだからぁ♪」
「わああ~っ!ちょっと!?せっかく起こしてあげたんですから、一人で降りてかないでくださいよ~!!」
・・・誰だあの少女は!?
口ぶりから察するに俺の妹・・・らしいが、俺に妹がいた記憶はない。
ということは・・・夢か何かだろう。
少なくとも元々の俺の人生とは別のものだ。
せっかくなので、この"違う人生"に付き合ってみるか。
「ねえ兄さん、知ってますか?」
「悪夢をみるのは眠りが浅い時なんですが、ストレスが多いと浅くなりがちなんです。」
なんだ、朝一でする話題がこれなのか?
「そこで・・・妹としてはぐっすり幸せに眠ってほしいから?」
「兄さんのストレスを和らげてあげます!感謝してくださいね♪」
・・・俺はもう深く考えないことにした。
「えー・・・調べたとこによると、ストレス緩和には耳かきがいいそうです♪」
「実は、耳にはたくさんのツボが集まっていて、自律神経ともかかわっているのです!・・・受け売りですが♪」
「なので!特別にこの優しい妹が耳かきをしてあげます!」
「さあさあ♪お膝枕してあげるから♪はーやく♪」
「おっ・・・意外と遠慮なく来ましたね・・・」
「どうですか♪妹のこの柔肌は♪」
「思ったより太い?殴りますよ。」
カリカリカリ・・・
耳かきが始まった。
カリカリカリ・・・
「ふふふっ♪気持ちよさそうなお顔ですね♪」
「ええんか~♪そんなにここがええんか~♪ふふっ♪」
カリカリカリ・・・
「・・・ハイっ!右耳おしまい!」
「さっ、左もやってあげるからゴロンして♪」
俺は言われるがままにした。
「おぉ~!こっちもなかなかやりごたえがありそうで・・・」
「ん?どうしました?そんなに顔を赤らめて・・・」
「まさか!実の妹に欲情なんてしてませんよね!?セクハラですよ!?」
しょうがないだろう。俺にとっては"実の"じゃなかったんだから。
「・・・まあ、動かないでくださいね~」
カリカリカリ・・・
「ふふふっ♪なんだかこっちも楽しくなってきちゃいました♪」
カリカリカリ・・・
「そんなに気持ちいいんなら、定期的にやってあげましょうか?」
カリカリカリ・・・
「・・・ハイっ!こっちも終わりました!」
「なんですか、その物足りなさそうな顔は・・・」
「はいはい♪まったく甘えん坊な兄ですね♪」
「心配しなくても、仕上げまでやってあげますよ♪」
そう言うと、妹は耳かきのフワフワ部分を突っ込んできた。
「ムフフ♪耳かきとは違う良さがあるでしょう?」
ゴソゴソゴソ・・・
「・・・そういえば、このフワフワ、なんて言うか知ってますか?」
「これって「ぼんてん」って言うんですよ。ぼんてんって。」
ゴソゴソゴソ・・・
「ハイっ、じゃあ最後の仕上げに~・・・」
「ふ~~~~っ♪」
「アハハ!もう兄さんビクッてしすぎ~!」
「フフフ・・・♪どうですか?しっかり癒されてくれましたか?」
「これで明日からはグッスリ眠れますね♪よかったね♪」
・・・良い世界だな、ここは。