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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

心の間

心の間2

作者: ゆき

突如として現れたその映像は、全国に放送されていたらしい。テレビやパソコンなどを見ていた人は画面が急に変わったとか。見ていなかった人もまた目の前にその画面が現れたらしい。


あの三重県の一葉さんは、朝、ご飯を食べていた途中で急に倒れ、意識不明だったそう。慌てていたところ突然現れた画面に一葉さんが映っていて大層驚いたとか。ちなみに、一葉さんのお父さんは「娘をそんな風に思っているわけがなかろう!」と言っていたが真相はわからない。一葉さんはその後、あの映像が終わって数分で意識を取り戻したが、完全に精神が壊れて、今も病院で治療中だそう。起きたと思ったら「いや!もう近づかないで、信じられない、何もかもが信じられない…!」と譫言のように呟いて話が聞ける状況ではなかったそうだ。



そして翌週、それはまた始まったのだ。


《はあい!

皆さんお久しぶりです!

一週間ぶりですね!

元気でしたか〜♪

さて、今回も『心の間』をやっていきましょう!

今日の犠牲者は…

長野県からお越しの『輝さん』です!》


「まじか…あれは冗談じゃなかったのかよ…勘弁してくれ…」


《では『心の間』開幕です!》


そうして前回と同じく現れる文たち。


(冗談に決まってるだろ…こんなん…絶対嘘だ…ありえない…)


(終わった…終わった…終わっ、た…終わった…終わった…)


(落ち着け、落ち着くんだ)


(殺したいなあ♪)


《さて、プロフィールでも読みますかあ…

ええっと、なになに?

小学3年生の頃ご両親を亡くしたが、学校ではクラスのリーダーのような存在で、誰からも信用されているような常識人…

っぷぷ!常識人!笑わせてくれますねぇ?》


(そう、俺は常識人!どこもダメなところなんてない!完璧な存在なんだ!)


「何がおかしいんだ?マスター」


そうすると、マスターは一つの文を掴んだ。


それに書いてあったのは…(殺したいなあ♪)…!?


(あ…それは…)


「な、う、嘘…そんな…」


《常識人がこんな思考をしているなんて…

これで常識人とか…

笑えますねぇ?》


(殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺す)


(どうしよう、どうやって切り抜ければ…どうやって、どうやって!やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!!)


「違う!出鱈目だ!みんな、信じてくれ!そんな、そんな、そんなこと思ってない!やめてくれ!そんなこと思ってなんていないんだ!」


《本当に、それを信じてくれる人がいますかね?

出鱈目だと言って…これは真実しか映しませんよ?

殺人鬼さん♪》


「ち、違っ!」


《これまで何人殺したんですかあ?》


(…ぁあ、今でも思い出す)


「殺してなんか!」


(あの日、小学3年のあの日、初めて俺は…)


「殺してない…おれは、殺してない…」


(家族を…家族だった人を…)


「やめろぉ!消えろ!消えろ!」


振り払おうとしたが、それは遅かった。


(人を殺したんだ♪楽しかった!)


その瞬間、輝さんはうずくまるようにして倒れた。


(あ…そうか…終わったのか…帰ったら警察に捕まって、友達なんていなくなって、一生殺人鬼として、職にも困って…こんな人生だったら…こんな、こんな、なんの実りもない人生だとしたら…)


「死んだ方がマシだっ…!」


(ここに、ナイフがあれば…包丁があれば…包丁…包丁…できれば大きめのやつがいいな…そうだなぁ…あの、父さんと母さんを殺したような、あの、包丁…)


その瞬間、血のついた包丁がパッと出てきた


(そうだ…ちょうどこんなかたちの…)


「これだ!これ…!」


そうして、輝さんは包丁を大きく振りかぶり、そのまま深く突き刺した…


その後輝さんはバッタリと倒れて気を失った


《おやおや、壊れてしまいましたね…

悲しいです、私が直接壊したk

…こほんっ!

では、これでおしまいです♪

また来週〜♪》


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